目の前の議題について、とにかく議論すればいいわけではない

結果を出す人がやっている「思考整理」の習慣,生方正也
(画像=THE21オンライン)

ロジカルシンキングや情報活用術、仮説思考などについて指導や執筆活動を行なっている生方正也氏は、仕事の生産性を高めるためには、行動に移す前に思考を整理することが重要だと指摘する。ここでは、会議や打ち合わせをする際に行なうべき思考整理について聞いた。

※本稿は、生方正也著『結果を出す人がやっている「思考整理」の習慣』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

まずは「議論のゴール」を決める

お客様と商談するとき、どんな風に始めますか? また、会議である議題を取り上げたとき、どのように進めますか? ここでぜひやっておきたいのが、「議論のゴール」をすり合わせすることです。お客様と商談するときには、どこまでの合意をとるかをまずは話し合いましょう。会議でも同様です。一つひとつの議題について、どこまで話し合うのかを決めておきます。

議論をしていて困るのが、「今その話をされても……」となってしまうときです。

「上司の承認を得なければならないことなのに、今決めてくださいと言われても……」とか、「まだ細かい仕様が決まっていないのに、価格や支払い条件を決めましょうと言われても……」というようなシーンはよくあると思います。

このようなときに話を続けても、想像の域を超えない話し合いにしかなりません。下手をしたら、ろくに確認もせずに決めてしまって、後でもう一度やり直しになるなど、大変なことになってしまう場合すらあります。

こうならないためにも、最初に議論すべきポイントを決めておくことが大切なのです。商談も、一度に契約取り付けまで進もうとするのではなく、まずはお客様の課題に対してどのような対応策があるのかを明らかにすることまで進める、などと決めておくのです。