(本記事は、加賀田裕之氏の著書『営業は台本が9割』きずな出版の中から一部を抜粋・編集しています)

あなたの営業の悩みは何ですか?

営業は台本が9割
(画像=Webサイトより※クリックするとAmazonに飛びます)

この書籍は、「読んでよかった!」と思ってもらうのが目的ではありません。
具体的に成果を出していただきたいのです。
ですので、いきなりですが次の質問にお答えください。

「営業について、どのような悩みがありますか?」

この本を手に取ったあなたは、さまざまな営業に関する悩みを抱えていると思います。

たとえば、

「営業って売り込むことなんでしょ? なんか嫌だな」
「欲しがってもいないし、お金もないような人に対して売り込んだら迷惑なんじゃないかな、嫌われたり、嫌がられるんじゃないかな」
「そもそも完璧な商品じゃないと売る価値がないんじゃないか。自信がない」
「お客様を見つけられない」
「テレアポの方法がわからない」
「アプローチを、どうしたらいいのかわからない」
「説明に疲れてしまう」
「『考えておくよ』と検討になってしまって、反論を切り返せない」

など、たくさんあるかもしれません。

それもそのはず、高校や専門学校、大学や大学院(MBA)でマーケティングを教えてくれるところはあっても、営業(セールス)を体系的に教えるところはありません。

だから迷ったり、苦しんでいる方が多いのです。

あなたが、経営者(幹部)ならば、このような悩みをお持ちではありませんか?

「トップセールスは売れるけれど、新人がまったく売れない」
「自分は売れるけれど、感覚で営業をやっていたので、説明できない」
「じつは経営者の私が営業出身ではないので、営業の説明が下手」
「強引なクロージングで地元に悪い噂が立ってしまうのが怖い」

経営者には、経営者の仕事があります。

ですから、トップセールスに対し「部下を理論的に指導」したり、「売れる営業台本(トークスクリプト)を作成」したり、「ロープレで訓練」してほしい……のにしてくれない。そのような悩みがあるかもしれません。

また、経営者(幹部)は「営業教育は、外部の信頼できる実績のある営業教育のプロにお願いしたい!」と考える方が多い。ご自分は経営者(幹部)の仕事に集中するためです。

まずは、ご自分の営業の悩みを明確にするところから始めましょう。

「3K」の営業指導では売れない

営業指導の3Kとは「気合・根性・カン」のことです。

「本気でやってるの?(気合)」
「お前なら、できる!(根性)
「営業はセンスだ! 営業は人間力だ!(カン)」

あなたは、非論理的で体系化されていない3Kの指導に不満を持っていませんか?

いまでも忘れられませんが、営業職に転職したときの最初の上司から「営業は人間力だ!(ドヤ顔)」と言われて、「人間力って、どうやって鍛えたらいいの?」と、私は途方にくれたことがあります。

こういった3Kの営業指導は現在でも平気であって、「指導内容がわからなくて売れないのは、自分が悪いのかな?」と、新人営業マンは悩んでしまいがちです。

しかし、これはあなたが悪いのではありません。

たとえば、いきなり「飛行機を操縦してください!」と言われたら、できますか?

できませんよね。

「日常会話」も「営業」も同じように口を使ってしゃべっているので、同じように考えてしまいがちですが、じつはまったく違うものなのです。

私も営業会社に転職した当初、そういったくだらない3K(気合・根性・カン)の営業指導を受けていて、まったく売れずに途方にくれていました。

その後、あるきっかけから論理的に体系化されたノウハウを身につけて、売れるようになったのです。次に、そのお話しをさせてください。

営業成績が上がると、自分の人生の主導権が握れる

私は大学の法学部を卒業後、予備校での講師を経て、携帯電話事業者の教育コンサル会社で、ショップスタッフなどに教育研修を実施していました。

ずっと教育に携わってきた私ですが、

「人生を生き延びていくには、営業力が必要だ!」

との思いから、年商100億円超の自己啓発企業に、営業職として転職しました。

そこは世界最大の自己啓発会社ですから、さぞ営業教育もしっかりしているだろうと思って期待して入社しました。

でも実際には、体育会系の上司が「営業は人間力だ!」と抽象的な説教をするだけで、理論的なセールススキルを教えられることはありませんでした。

「お客様の気持ちを理解するには、感覚が鋭くなければいけない。だから、歩くときの足の裏を意識しろ!」という、非論理的で再現性のないアドバイスもありました。

その結果、1か月、2か月とまったく売れない日々が続き、上司からは罵倒され続けました。

そんなある日、喉の異変を感じました。

お昼ご飯を食べていると、喉が焼けるように痛くなったのです。

同僚に話したところ、「それって食道癌じゃない? 亡くなったおばあちゃんと症状一緒。とにかく、病院に行け!」と言われました。

祈るように胃カメラを飲んで検査したところ、癌でなく「逆流性食道炎」でした。ストレスで、ウィスキーをガブ飲みしていたからだと思います。

あまりにも追い詰められた私は、250万円の自社で販売している商材を、自腹で、5年ローンで購入してしまいました。

もちろん、その後も売れず……。さすがに3か月も売れないので「もう無理だ、やめよう」と、退職届をスーツに忍ばせて上司に話すタイミングを狙っていました。

そんなとき、私はふとしたことから、会社のトップセールスマンに非常に好かれ、彼の特殊な営業手法を知るきっかけを得たのです。

彼の営業に同行させてもらい、トークを録音し、何度も繰り返し聞き、文字起こしをして、「営業の体系化」を試みました。

驚くべきことに、彼は日本では知られていないある「特殊な理論」を習得し、その理論に基づいて営業をしていたのです。録音したトップセールスの営業トークを100回以上聞き、トークを分析することにより、その手法を理解しました。

そして、その特殊な営業理論を自分でも使い始めると、優秀な営業成績を連続で出すことに、成功したのです。

いわゆるコミュニケーションで重要なことは、

・誰が話すか?
・何を話すか?
・どう話すか?

です。

ただし、「誰が話すか?」という人間性や人間力を改善するのには、時間がかかります。

購買心理学上は、「何を話すか?」という営業台本(トークスクリプト)の改善と、「どう話すか?」という見込み客に伝わる話し方の改善が、誰にでもできる方法だったのです。

営業は台本が9割
加賀田裕之 (かがた・ひろゆき)
営業コンサルタント。ホームメンターズ株式会社代表取締役社長。ミリオンセールスアカデミー®代表。NLPトレーナー。大学卒業後、体育会系の営業会社にて高額商材のセールスマンとなるが、まったく売れず、250万円の自社商材を自分で購入するほど追い込まれる。「もう辞めるしかないな」と思ったときに、トップセールスから営業極意を伝授され、人生を逆転。その後はみるみるうちに売れるようになり、100億円企業の営業マネジャーとして、部下20名のチームを連続優勝させ、新規事業部の責任者に任命。初年度年商1億円を達成。その後、IT事業会社で、部下約20名を束ねる営業マネジャーとなり、さらに部下約100名、年商25億円の事業会社の事業部長として結果を出す。口下手、人見知り、営業が苦手の方でも自然にお客様の「欲しい!」を引き出す営業スキルをお伝えしたい、と独立。独自の「台本営業®」メソッドは朝日新聞等でも紹介。13年苦しんだ対人恐怖症営業マンが、セミナー後、前月比500%の契約獲得、元キャバ嬢でも歩合給が月に300万円以上になるなど、「モンスター営業マン製造工場」の異名をとる。本書が初の著書。