(本記事は、加賀田裕之氏の著書『営業は台本が9割』きずな出版の中から一部を抜粋・編集しています)
見込み客の80%までは、営業台本のブラッシュアップで成約可能
営業をする上で避けて通れないのが「成約率」です。
成約率とは、文字通り、営業をして成約する確率のこと。
あなたは自分の営業の成約率が何%か、把握しているでしょうか?
10件営業をして5件決まるなら成約率50%。
6件決まるなら60%。
まずは自分の成約率の数値化をしましょう。
台本営業®を使えば、成約率は見込み客の80%までは可能です。
成約率80%の営業マンがどういった状態かというと、10人のお客様がいたら2人はほぼ確実に落とせます。4名までは簡単に説得できます。6名までは迷われます。営業力があれば8名くらいはクロージングできる、という感覚です。
逆に言うと、「成約率100%」というのはありえません。
よくセミナーや書籍などで「私は成約率99%です」と言っている人を見かけますが、それは「何かおかしいこと(不正)」をしているか、または「見込みの基準が甘すぎる」かです。
ご自身の成約率が80%前後くらいだったら、それが正常値だと思ってください。
私の営業コンサルのクライアントさんで成約率が20%だった人が40%になったり、20%だった人が60%になったりすると、すごく喜ばれます。単純に売上が上がるからです。
成約率が2倍になったら、売上も2倍になります。
なので、まずは成約率の目標を決めましょう。
たとえば、あなたがいま10件中4件の成約で成約率40%、成約額が400万円ならば、「1か月後までに成約率60%、成約額600万円にしたいです」などと、ご自身で決めるのです。
ここでひとつ、本気の目標を決めるためのコツをご紹介します。
こう考えてみてください。
あなたの大切な人が誘拐されたとします。
「1か月後に〇〇〇万円持ってきたら釈放してやる、〇〇〇万円持ってこなかったら、殺す」
と言われたとします。
いくらまでならギリギリがんばれますか?
「『10億円持ってこい!』と言われたら現実的じゃない」
と思われるかもしれません。
極端な例ですが、命がけでギリギリがんばれるのはどれくらいか? ということで目標を設定したいのです。
この話をすると、「そんな厳しい目標設定……ずっと走り続けなければいけないようでつらい」と言う方がいます。
そんな方は、下りのエスカレータを想像してください。
下りのエスカレータを1階から逆走するイメージです。
「ずーっとがんばらないといけない」と思うと大変です。しかし、下りのエスカレータを逆走して2階まで行ったら休めますよね。
それと同じで、一度やりきるとそれが基準になるので、普通になってきます。
最初は大変なのですが、潜在意識的には、ずっとそのペースでがんばらなくても維持できます。「一度ギリギリまでがんばるとしたら、どこまでがんばれるか」というかたちで、目標を考えてみてください。
成約率を80%にするための5ステップ
想像してください。
私がいまあなたの前で「ペンを落とした」とします。
これは、何の法則ですか?
「万有引力の法則」ですよね。
北海道でペンを落としても、沖縄で落としても、東京で落としても、落ちますよね。
これと同じように「購買心理」も原理原則なのです。
北海道でも沖縄でも、人が物を買うには、買いたくなる「原理原則」があるということなのです。
そのステップは「5つ」です。
・ステップ1「人間関係構築」
・ステップ2「ニーズの深掘りとウォンツアップ」
・ステップ3「商品説明」
・ステップ4「クロージング」
・ステップ5「反論解決」(反論処理)
という5ステップになります。
人間関係を構築しないでいきなり「商品説明」をしたら、お客様はどう思うでしょうか?
「お前、売りつけに来たな!」となり、心を閉ざしてしまうでしょう。
ですから人間関係をしっかりつくって、ニーズを深掘りし、ウォンツを描かせて、商品説明で商品を購入した先の未来の可能性を見せる。そしてクロージング、反論解決というステップが「購買心理」に基づく、成約率80%の公式です。