(本記事は、加賀田裕之氏の著書『営業は台本が9割』きずな出版の中から一部を抜粋・編集しています)

反論解決は必ず想定しておく

営業は台本が9割
(画像=PIXTA)

では、5ステップの最後「反論解決」にいきたいと思います。

お客様から、クロージングの最後に「検討したいんですけど」と言われたら、凹みますよね。

準備していなかったらそのまま「では、のちほどお返事ください」と先延ばしにして失注してしまいます。そんなときにどうするか? という魔法の公式を体得しましょう。

反論解決には、4つのステップがあります。

ステップ1:質問により検討(反論)の状況を明らかにする

「検討したいんです」と言われたら、「どんなところをお考えですか?」と聞きます。
何を検討したいのか? を明らかにするのです。

ステップ2:反論に共感し、ほめることで、心を開いてもらい、聞く態勢をつくる

たとえば「お金が……」と言われたら、「わかります! そのようにお考えだったんですね」と共感します。そして「○○さんは、金銭感覚がしっかりしていて素晴らしいですね」というようにほめて、お客様が営業マンの話を聞く態勢をつくります。

ステップ3:提案する

たとえば、「ほかのお客様も、最初は○○とお考えでしたが、△△という理由でスタート(購入)されたんですよ」と提案します。

ステップ4:お客様が提案を受け入れるメリット(明確な理由付け)を話す

「なぜなら、これこれこうで……ですよ」というように、理由(メリット)を話します。

この4つの流れで反論処理をして、最後にもう一度クロージングをするのです。

では、それぞれのステップをご紹介していきましょう。

反論解決ステップ1「質問により検討(反論)の状況を明らかにする」

反論解決のステップ1では、「お客様がどのような状況か?」を質問する必要があります。

・なぜ、検討しようとしているのか?
・お金なのか(総額が高いのか? 月々の支払いが高いのか?
・期間(納期)なのか?
・反対している人がいるのか(決裁権者が別にいるのか?)
・中身で気になるところがあるのか?

お客様が検討しようとしてることがわからなければ、解決のしようがありません。

書くと当たり前なのですが、とくに新人営業マンの多くは勝手にびびってしまって、お客様に聞くことができない、または、そもそもお聞きしないということがあるのです。「検討します」と言われて気持ちが凹んで、何もしないで帰ってくる場合が多いです。

ということで、反論解決がスタートすらしない場合がほとんどなのです。

ですので、マインドとしては、「反論・検討が来るのが当たり前だ!」という気持ちでプレゼンに臨んでください。

この質問のポイントですが、かわいらしく、やさしく、笑顔で、

「検討中ということですが、お考えのことはどんなところですか?」

といったように聞いてください。

あなたと人間関係ができていたら、きっと教えてくれるはずです。

反論解決ステップ2「反論に共感し、ほめることで、心を開いてもらい、聞く態勢をつくる」

お客様の反論に、まず「共感」するからこそ、心を開いてくれて聞く態勢ができます。

反論解決のステップ2は、お客様から検討したい理由を聞いたあとに「共感」することです。

「そうですよね~、わかります。お金が払えるかどうかは重要ですからね」
「そうですよね~、旦那さんの理解が得られるかどうかが心配なんですよね」
「そうですよね~、私も同じような経験がありましたから」

このように、全力で共感してください。

そして、ほめるのです。

「さすがですね! 費用対効果をしっかりお考えなんですね!」
「ご家族を大切にされて、素晴らしいですね!」
「慎重にものごとを判断されて、素敵だと思います!」

こんなふうに、相手の検討理由を承認してあげましょう。

お客様は「検討したいんです」と言ったことで、あなた(営業マン)から嫌な顔をされると思っています。

そんなときに、逆に心からほめられたことで、お客様はあなた(営業マン)の話を「聞く態勢」になるのです。

営業は台本が9割
加賀田裕之 (かがた・ひろゆき)
営業コンサルタント。ホームメンターズ株式会社代表取締役社長。ミリオンセールスアカデミー®代表。NLPトレーナー。大学卒業後、体育会系の営業会社にて高額商材のセールスマンとなるが、まったく売れず、250万円の自社商材を自分で購入するほど追い込まれる。「もう辞めるしかないな」と思ったときに、トップセールスから営業極意を伝授され、人生を逆転。その後はみるみるうちに売れるようになり、100億円企業の営業マネジャーとして、部下20名のチームを連続優勝させ、新規事業部の責任者に任命。初年度年商1億円を達成。その後、IT事業会社で、部下約20名を束ねる営業マネジャーとなり、さらに部下約100名、年商25億円の事業会社の事業部長として結果を出す。口下手、人見知り、営業が苦手の方でも自然にお客様の「欲しい!」を引き出す営業スキルをお伝えしたい、と独立。独自の「台本営業®」メソッドは朝日新聞等でも紹介。13年苦しんだ対人恐怖症営業マンが、セミナー後、前月比500%の契約獲得、元キャバ嬢でも歩合給が月に300万円以上になるなど、「モンスター営業マン製造工場」の異名をとる。本書が初の著書。