(本記事は、秋畑誠の著書『楽算メソッドⓇ: 数式・図式で思い通りの人生を手に入れる法則』合同フォレストの中から一部を抜粋・編集しています)
未来も「今」決めている
先生 今はまだ、未来は来ていません。明日何が起こるかはまだ分からないし、1年先、今やっているプロジェクトがどうなっているか、10年先、どこの政党が政権を握っているか、分かりませんよね?
ミク はい。分からないから、知りたくて占いとかが流行するんだと思います。
先生 そうですね。朝のテレビの情報番組でも雑誌でも、必ずといっていいほど占いのコーナーがあります。どうしてでしょう?
ミク やっぱり、不安だからじゃないですか?
先生 不安ですか?
ミク だって、未来に何が起こるか分からないし、不安にもなりますって。私もたまに、会社が倒産したらどうしよう...... とか考えて、眠れなくなることがあります。
先生 それは結構重症ですね。でも、その不安も、「今」つくっているものです。
ミク 今......ですか?
先生 1週間先はどうしてるかな、1年先はどうしているかな、というイメージ。これは今、思い浮かべていることです。1年先に感じているのではなく、現在「1年先」をイメージしています。
ミク まぁ、そういうことになりますね。
先生 先ほど、「自分の過去は今決めている」という話をしました。
ミク はい。
先生 そして今度は、今、未来をセットしているという話をしました。ということは、過去も未来も、「今」存在しているということになるわけです。
ミク 過去も未来も、全部が「今」なんですか?
先生 はい。そういうことです。
ミク ちょっと、頭が混乱してきました。
先生 ここが重要なポイントです。よく「今を大切に生きるんだよ」ということが言われますが、今が大切というよりは、そもそもにおいて「今がすべて」なんです。
ミク 今がすべて。
先生 今、過去をどう捉え、今、未来に何をセットしているか。すべて、「今」やっていることです。過去に起こった出来事を、今、どう捉え直すか。先々にどれだけワクワクする未来をセットするか。そこが大切です。
ミク じゃあ、今現在はどうするんですか?「今ここ」とか「今を生きろ」とか言いますよね?
先生 もちろん、現在を楽しみ、味わうことも大切です。それと、過去、未来は共存します。過去をどう捉え、未来をどうイメージするか。それが、「今を生きる」という中に含まれているということです。
過去と未来が自在になる「砂時計の法則」
ミク ううん......。
先生 どうしましたか?
ミク やっぱり、過去、現在、未来のところがよく分からないんです。
先生 ここは、これまでの常識とはかけ離れているので、ちょっと理解が難しいかもしれませんね。ちょっと、図解してみましょうか。
ミク お願いします。
先生 これまでは、このように、過去→現在→未来という理解をしていたんです(図6─4上部)。
ミク はい、そうです。
先生 これ、ぐるんと90度回転してみましょうか。
ミク 回転?
先生 こんな感じで、縦にします(図6─4下部)。「楽算メソッド」では、時間の流れは、未来→現在→過去です。
ミク は? どういうことですか?ますます分からなくなってきました。
先生 未来から現在、過去に時間が流れていく。ちょうど砂時計のようなイメージです。砂時計の一番くびれているところが現在で、そこから過去に向かいます。
ミク 砂時計はイメージしやすいですが、時間の流れというのはまだよく分かりません。
先生 まず、未来をセットしました。
ミク はい。
先生 未来をセットするというのは、上のガラスの部分に砂を入れるということです。その砂が、落ちてきて現在を通過する。
ミク セットした未来が叶ったということですね。
先生 そうです。そして、それが過去のものになっていく。
ミク ああ、なるほど。
先生 現在、つまり今は、常に砂時計の中心にあります。未来も過去も、この中心、今から見るものなのです。分かりますか?
ミク さっきまでよりは、だいぶ分かってきました。
先生 それはよかったです。この砂時計の法則を理解できると、思うままに自分を変えることができるようになりますよ。
ミク 砂時計の法則を理解するだけで自分を変えられるって、どういうことですか?そんな簡単に変われたら、苦労はないような気がするんですが......。
先生 みんな、過去に引きずられすぎです。「これまではこうだった」という過去の経験にがんじがらめにされています。だから、それに捉われてしまって変われないんです。
ミク だって、仕方ないじゃないですか。いろいろあっての今、なんですから。
先生 そうですか? この砂時計、砂はどちらに流れているんでしたっけ?
ミク あ、未来→現在→過去でした。
先生 そうですね。この砂時計の「今」には、過去は関係ありません。だから、好きに変われるんです。未来には何だって入れられるんですから。
ミク どんなふうにすれば変われるんですか?
先生 変わろうとする必要すらありません。楽しい未来をセットすればいいだけです。好き放題、セットしてしまってください。未来にセットしたことが、どんどん現在をつくっていきます。
1974年生まれ。1999年電気通信大学大学院修士課程修了。
同年ソニーへ入社。16年間エンジニアとしてオーディオ設計に携わる。
2010年、小学校4年生で受けた全国一斉知能テストが全国1位だったことを知り、自分では当たり前だと思っていた思考方法が特異(強み)であることに気づく。
その後、心身不調をきっかけに、モノづくりからヒトづくりへの転身を決意。
2016年、株式会社バランス&チューニングを設立。
世の中の法則をシンプルな算数で図式化した「楽算メソッドⓇ」を開発。
4年間、営業ゼロ・告知ゼロにもかかわらず、口コミだけで受講生が集まり続ける。分かりやすさと高い成果が評判となり、ソニーや富士通をはじめとする企業・団体から定期研修や講演の依頼が相次いでいる。
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