誰もが「ハラスメント」を無視できない時代に

パワハラ防止法,布施直春
(画像=THE21オンライン)

厚生労働省が新型コロナウイルス対策に追われる昨今だが、実は今年、厚生労働省関連で一つ、大きな出来事が控えている。

それが、2020年6月1日に予定されている、いわゆる「パワハラ防止法」の施行だ。昨年5月にこの法案が成立した際にも話題となったので、どこかで「パワハラの規制が厳しくなる」という話を聞いたことがある人もいるかもしれない。ただ、「具体的に何がどうなるのか」を正しく理解している人はあまりいないのではないだろうか。

そこで、長年労働法制に携わり、この3月にパワハラ防止法に対応した新しいルールを解説する『「職場のハラスメント」早わかり』を発刊する布施直春氏に、何がどう変わるのかをうかがった。

(本記事はPHP研究所刊『「職場のハラスメント」早わかり』より一部抜粋・編集したものです)

あと3カ月を切った「パワハラ防止法」の施行

昨今、パワハラのニュースは毎日のように世間をにぎわせています。特に昨年5月に通称「パワハラ防止法」が成立してからは、パワハラ関連のニュースがさらに増えている印象があります。

ただ、施行まであと3カ月を切っているにもかかわらず、この「パワハラ防止法」について、詳しく知っている人は意外と少ないように思います。実は経営者や人事・総務だけでなく、一般の社員、特に中間管理職にとっては非常に大きな出来事であり、あとで「知らなかった」となっては大きな問題が起こりかねません。ぜひ、概要だけでも知っておいてほしいと思います。