アフリカで「コロナショック」により足止め
世界中で猛威を振るうコロナ。中国はもちろん、アメリカやヨーロッパの状況は耳に入ってくるが、その他の場所ではどうなのか。世界一周を続ける中、モロッコでコロナにより足止めを食らったデザイナーの石澤義裕氏に、現地の状況をリポートしてもらった。
世界遺産の街エッサウィラより
軽自動車で地球半周中の夫婦です。
北海道から南アフリカまでドライブし、日本を目指してハンドルを握っていましたが、モロッコでコロナ騒動に巻き込まれました。
モロッコ西部のエッサウィラという小さな港町で、都市封鎖を喰らっています。
都市間の移動は禁止、街中の外出も許可制で、不要不急の外出は禁止されました。
アフリカでのロックアウトというと、強圧的な警察官による取り締まりや、それに対する市民の暴動などを思い浮かべるかもしれませんが、近代化の進んだモロッコではもちろんそんなこともなく、一見、いたって平穏です。
日本よりもよほど迅速だったモロッコ政府の対応
しかも、モロッコ政府のコロナ対策は、どの国よりも迅速でした。
3月2日に初のコロナ感染者が発見されるや、3日後には国際会議を中止。同時に、1000人以上のイベントや祭りを禁止にします。
10日後、まだ感染者が28人しかいないのに、国際線の飛行機を一時停止。海外からの水際対策をした翌日は、カフェ、レストラン、映画館、スポーツ施設、公衆浴場等を閉鎖。
追って、モスクも閉じました。
地元のサィード氏によると、史上初のモスク閉鎖だということです。
国民の99%がムスリムのモロッコですから、ここが政府にとっての「ルビコン川」だったのではないでしょうか。
そして感染者が63人になった日、というよりまだ63人しか患者がいないのに、内務省が緊急事態を宣言。第一号コロナ患者からわずか18日で、外出制限に入りました(日本の緊急事態宣言は第一号患者の発覚から82日目)。
旅行者の滞在期限は、90日間です。わが家は4月半ばから違法滞在になってしまいますが、コロナ恩赦があるものと期待して、宿泊先にひきこもることにしました。