新型コロナウイルスの感染拡大を抑止すべく、政府から事業者への要請として繰り返し発せられた「テレワーク」のお願い。通勤・出社による人の密集する環境を作らないための、リモートワーク(遠隔勤務)を採用する企業が急増した。

ところが、急にリモートワークを実施するとなっても、チームのメンバーがバラバラの場所にいる前提でどうマネジメントすればいいのか、戸惑うマネージャーが多い。

本稿では、かねてより全社員リモートワークを実現し、その手法に注目の集まる倉貫義人氏に、リモートワークにおけるマネジメントの3つのポイントを教えてもらった。(取材・構成:池口祥司)

「してもいい」ではなく、チーム全員でやるべし

リモートワークマネジメント,倉貫義人
(画像=THE21オンライン)

リモートワークを導入するにあたって、マネージャーが気をつけるべきことは何か。何も考えずにいきなり導入すると、十中八九、失敗します。

リモートワークを成功させるためのポイントは、「チーム全員で取り組む」「雑談のできる環境を整える」「働く時間を揃える」の3点です。

まず、1点目の「チーム全員で取り組む」について説明しましょう。

よくあるのが、リモートワークを選択肢として導入するケースです。これが一番危険です。

例えば、20人のチームのうち、15人は従来通り出社を続け、5人だけがリモートワークに切り替えると、リモートワークをする5人はマイノリティになってしまいます。すると、入ってくる情報が少なくなったり、疎外感を覚えたりと、「島流し」のような状態になってしまうのです。

ですから、リモートワークを導入するなら、チーム全員にリモートワークをさせるべきです。

とりわけ、「俺は出社するけど、君たちはリモートワークをしていいよ」というスタンスは取るべきではありません。「マネージャーが出社するなら自分も」と部下たちの足並みが揃わなくなり、失敗に終わってしまうでしょう。