コロナ・ショックで踏み切りやすく

ソニー
(画像=Ken Wolter / Shutterstock.com)

ソニー(6758)がソニーフィナンシャルホールディングス(=ソニーFH、8729、監理)の完全子会社化を決定したことで、親子上場解消の流れに再び関心が高まっている。コロナ・ショックで株価が値下がりしたケースも多く、親会社としても踏み切りやすい状況とみられる。

国がガバナンス(企業統治)の強化を促す中で、昨年度は上場子会社をTOB(株式公開買い付け)によって非公開化する動きが活発化した。三菱ケミカルホールディングス(4188)が田辺三菱製薬、日立製作所(6501)が日立ハイテクノロジーズのTOBを実施するなど、少数株主との利益相反が指摘される親子上場の問題に取り組む企業が多い。

新型コロナウイルスの感染拡大がマーケットに混乱を招いたものの、こうした傾向は揺らがないとの見方が市場では強い。今回のソニーグループの動きはその号砲となり、金融緩和環境も流れを後押しする可能性がある。

SMBC日興証券は20日付リポートで、「『親子上場解消』は日本株にとって一大テーマであり、今後も続く」と指摘。パターンの一つとして、利益成長が見込める子会社を取り込み、ITプラットフォームを統一するなどしてグループ全体の最適化を図る動きが親子上場の解消を通じて加速するとみている。

同証券はこの観点から、親会社のキャッシュが潤沢で、その子会社のROE(自己資本利益率)が高い親子関係を紹介。フォーバル(8275)とフォーバル・リアルストレート(=フォバルRS、9423・JQ)、Zホールディングス(4689)とバリューコマース(=Vコマース、2491)、GMOインターネット(9449)とGMOペパボ(3633・(2))、博報堂DYホールディングス(2433)とユナイテッド(2497・M)など(いずれも後が子会社)をリストアップした(表参照、上の画像クリックで拡大)。(5月22日株式新聞掲載記事)

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