米国は5月最終月曜日のメモリアル・デーから9月第1月曜日のレイバー・デーまで「ドライブシーズン」となる。例年この時期になると人々は行楽地へと大移動する。夏の始まりに合わせるかのように、新型コロナ対策で実施していた行動制限の段階的解除も始まっており、米国社会も「Withコロナ」の局面を迎えている。

新型コロナの感染者数はひとまず収束に向かっていると思われるが、ゼロになるわけではない。いずれ「第2波」が襲来することも想定され、各方面での対策が急務となっている。そうした状況下で存在感を示しているのがアップルだ。

今回は「Withコロナ」の必須アイテム、感染者追跡アプリなどで期待を集めるアップルの話題を紹介する。

Withコロナを見据えた「社会インフラ」の構築へ

アップル,株価
(画像=mitsu / pixta, ZUU online)

米国では50州で経済活動正常化へ向けた動きが始まっている。だが、新型コロナウイルスは根絶したわけではなく、有効なワクチン開発にもまだ時間がかかる。そうした状況下での経済活動再開には、新型コロナと共存する覚悟が必要だ。米国の新型コロナ対策は「Withコロナ」の局面を迎えている。

「Withコロナ」で期待されるのが感染者追跡アプリ(接触通知アプリ)である。各社で開発競争が繰り広げられる中、5月20日にはアップルとグーグルが共同開発する新型コロナの感染者追跡アプリの提供が始まった。ブルートゥースの通信シグナルを利用し、互いに接触があったかをアプリが判断する仕組みで、同アプリの利用者は陽性患者と接触したかどうかを知ることができる。

感染者追跡アプリには州政府や諸外国からの引き合いも伝えられており、Withコロナ時代の社会インフラとしての期待も高まっているようだ。

一時は「時価総額首位」に返り咲く場面も

スマートフォンの基本ソフト(OS)で独占的な地位にあるアップルとグーグルのタッグはウォール街でも話題となった。

ちなみに、5月27日現在のアップルの株価(終値)は318.11ドル、時価総額は1兆3780億ドルでマイクロソフトと肩を並べている。日中の取引では一時逆転し、3月18日以来の首位に返り咲く場面も見られた。