手のひらにおさまるほどの小さい財布が、手ぶら派の男性やミニバッグ派の女性を中心に感心を集めています。国内の知る人ぞ知るメーカーのものから海外のハイブランドに至るまで、デザイン豊富な商品が出揃い、現金を使わないキャッシュレス決済の普及に伴って財布もスリム化が進んでいるようです。

小銭・カードも入る「小さい財布」、種類も豊富

小さい財布
(画像=PIXTA)

従来の財布に比べ薄くて軽く、小さい財布。「ミニマルウォレット」や「コンパクトウォレット」などとも呼ばれます。

定期入れや名刺入れのようなサイズの財布に、小銭・紙幣・カード類が収まるようにできているのですから驚きです。使用する革の量や枚数をできるだけ少なくし、従来の財布に存在していたスキマもなくすことで、よりコンパクトな設計が実現しているのです。

サイズや厚さは様々ですが、横幅は10cm未満のものが多いようです。中には小銭と紙幣とカードがすべて収納できて6cm×9cmという、カードサイズに近い極小サイズも。小さいだけではなく、オシャレなものが多いのも特徴です。色や柄、デザインもいろいろあります。

コンパクトなので、ポケットに入れた時に服が型崩れしにくいことも支持される理由かもしれません。最近では女性もサコッシュやボディバッグといった小型のバッグを持つ人が増え、そういったバッグにも難なく入りそうです。

人気なのは財布に○○を入れなくなってきたから?

こうしたコンパクトな財布の人気を後押ししているのは、キャッシュレス化の流れだと考えられます。

クレジットカード、電子マネー、QRコード決済の普及に伴い、現金がなくても買い物ができるようになりつつあります。スマホだけを片手に、ちょっとコンビニに買い物に行くことも可能になってきています。キャッシュレス決済をするようになれば、支払いの手間が減るだけでなく、荷物の軽量化にもつながります。こうした背景も、小さな財布が支持されている理由ではないでしょうか。

財布を厚く、重くしていたのは現金だけではありません。店舗ごとのポイントカードや領収書もその一因でした。しかし近ごろは、ポイントや割引クーポンなどがスマホに配信されることも多くなり、カード類を財布に入れる必要がなくなってきているのです。

小さい財布に買い替えることで、財布に入れるカード類を厳選するようになるはずです。あまり使わないカード類は持ち歩かず、ポイントカードなどはアプリに移行するだけで財布はずいぶんスッキリするでしょう。財布を変えることで断捨離する習慣も身につきそうです。

ライフスタイルに合わせた財布選びを

しかし、すべての人に小さい財布が向いているわけではありません。

小さい財布を持つのに適しているのは、例えばキャッシュレス対応の店を日常的に利用する都会のビジネスパーソン、フォーマルな場に足を運ぶ機会が多く小さいバッグを頻繁に使う女性、できるだけモノを持ちたくないミニマリスト派などでしょうか。

いくら小さい財布がブームといっても、長財布を愛用する人はいます。長財布の収納性や中身の取り出しやすさは、コンパクトウォレットにはないメリットです。

また自営業やフリーランサーなど、家計と仕事用のお金を分けながらも1つの財布で済ませたいという人もいるでしょう。よく利用する店がキャッシュレスやアプリに対応していないこともあります。こうした場合には、小さい財布より大きな長財布などのほうが使いやすいかもしれません。

財布は「お金」という生活に密着した大切なものをしまうアイテムです。見た目や話題性は気になるところですが、自分にあったものをしっかりと厳選し、大切に使いたいものです。(提供=auじぶん銀行)

執筆者:篠岡わかな(ファイナンシャル・プランナー)

【おすすめ記事 auじぶん銀行より】
100万以上の控除!?「住宅ローン控除」の節約メリット
知って得する貯蓄のコツ 「生活口座」と「貯蓄口座」とは?
ローン返済額みんなの平均はいくら?「住宅購入とお金」全国実態調査
お金を貯められる人になるために持ちたい「コスト意識」
もうすぐ「平成」が終わる…元号の変更でどうなる?昭和から平成はどうだった?