【目次】
①️雪国まいたけIPOの基礎情報
②ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)【9/7更新】
③IPOジャパン編集長 西堀敬 氏のコメント 【9/3更新】 ※有料会員限定
- 会社名
- 株式会社雪国まいたけ
- コード
- 1375
- 市場
- 市場第一部
- 業種
- 水産・農林業
- 売買単位
- 100株
- 代表者名
- 代表取締役社長 足利 厳 /1963年生
- 会社住所
- 新潟県南魚沼市余川89番地
- 設立年
- 2017年(実質上 1983年)
- 社員数
- 1,034人(2020年7月31日現在)
- 事業内容
- まいたけ、エリンギ、ぶなしめじ等の生産販売及びきのこの加工食品の製造販売
- URL
- https://www.maitake.co.jp/
- 資本金
- 100,000,000円 (2020年8月14日現在)
- 上場時発行済み株数
- 39,850,000株
- 公開株数
- 17,672,700株
- 連結会社
- 3社
- スケジュール
- 仮条件決定:2020/09/01→2,000~2,400円に決定
- ブックビルディング期間:2020/09/02 - 09/08
- 公開価格決定:2020/09/09→2,200円に決定
- 申込期間:2020/09/10 - 09/15
- 上場日:2020/09/17→初値2,100円
- シンジケート ※会社名をクリックすると外部サイトへ飛びます
- 主幹事証券:SMBC日興証券 (SMBC日興証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:大和証券
- 引受証券:みずほ証券
- 引受証券:SBI証券 (SBI証券の詳細記事はこちら)
- 引受証券:楽天証券 (楽天証券の詳細記事はこちら)
- 大株主
- Bain Capital Snow Hong Kong Limited 50.90%
- (株)神明ホールディングス 48.91%
- 足利 厳 0.15%
- 小室 雅裕 0.04%
- 業績動向(単位:1千円)
売上高 経常利益 当期利益 純資産 - 2018/03 単体実績
- -668,000 -669,000 19,257,000 - 2019/03 連結実績
47,592,000 6,321,000 4,389,000 2,308,000 - 2020/03 連結実績
50,759,000 6,646,000 4,346,000 4,899,000 - 2020/06 第1四半期連結実績
10,624,000 775,000 487,000 5,398,000 - ロックアップ情報
- Bain Capital Snow Hong Kong Limited、株式会社神明ホールディングス、足利厳、小室雅裕は上場後180日目の2021年3月15日までは普通株式の売却ができず(例外あり)
- 調達額(公開株数×公開価格)
- 388億7994万0000円(17,672,700株×2,200円)
- 潜在株数(ストックオプション)
- 75,900株
- ビジネスモデル解説(執筆=株価プレス管理人)
- 株式会社雪国まいたけはマイタケ中心にきのこ類の生産販売及び、きのこの加工食品の製造販売を行う新潟県魚沼市に本社を置く企業である。2015年6月に非上場化しており、今回のIPOは再上場である。
■沿革
同社は1983年7月に会社が設立されて、まいたけの生産販売を開始した。そして1994年3月に新潟証券取引所、2000年3月に東京証券取引所市場第2部に上場した。
そして2015年6月に投資ファンドのベインキャピタルが100%株主となり上場が廃止された。その後2017年9月に米卸大手の株式会社神明HDが株式の49%を取得している。今回のIPOは再上場となる。
■同社について
同社グループ(以下、同社)はきのこ類(まいたけ、エリンギ、ぶなしめじ、本しめじ、はたけしめじ、マッシュルーム等)及び、きのこ加工食品の生産及び販売を行っている。
同社はまいたけの人工栽培に成功した後、まいたけの工業生産による安定的な生産・供給体制及び、品質管理体制並びに小売事業者への直接販売を中心とした流通ルートの整備を図るとともに、そのノウハウをエリンギ・ぶなしめじの商品化に活かして「きのこ総合企業」としての体制確立を目指している。
同社のきのこの生産量シェアは下記である。
まいたけは市場シェア52%を持つ同社主力商品である。またエリンギ(市場シェア26%)、ぶなしめじ(同16%)となっている。尚、本しめじ、はたけしめじの市場シェアは8割を超えているが両者は市場自体がまいたけ・エリンギ・ぶなしめじに比べ小さい。尚、本しめじ、はたけしめじ、エリンギは買収先企業の取扱商品である。
■今後の事業展開
同社は下記4つの施策により今後の成長を計画している。
① 健康需要の拡大を捉えた、まいたけ事業を中心とする更なるトップラインの成長
② アグリテックの追求による生産性の向上
③ Eコマース(自社サイト「雪国まいたけONLINE」)を中心とした健康食品事業の拡大
④ M&Aも活用した事業ポートフォリオの強化
⑤ 同社独自モデルの海外展開
上記のうち④は、既に2019年3月株式会社きのこセンター金武(本しめじ、はたけしめじの生産販売)、2019年10月有限会社三蔵農林(マッシュルームの生産販売)のM&Aを行うことで、商品ラインナップの拡充に成功している。
また⑤は、中国や東南アジアを中心とする本格的な海外進出に向けた様々な取り組みを行っている。
■業績推移
2019年3月期 収益476億円、税引前利益63億円、親会社の所有者に帰属する当期利益44億円
2020年3月期 収益508億円、税引前利益66億円、親会社の所有者に帰属する当期利益43億円
2021年3月期(予想) 収益527億円、税引前利益78億円、親会社の所有者に帰属する当期利益51億円
※同社はIFRSを採用
2019年3月期~2020年3月期は税引前利益ベースで若干の増収増益となった。今期(2021年3月期)もまいたけの販売増(前期比+7.3%増など)を見込んでおり、増収増益を予想している。
2021年3月期Q1は収益合計106億円、税引前利益7.8億円でのスタートとなった。
■財務状況
2020年3月期末時点で資産合計352億円に対し、資本合計49億円、自己資本比率14%である。
借入金234億円に対し、現金及び現金同等物45億円となっている。資産合計のうち最大の科目は工場などを含む有形固定資産167億円である。また非上場化後の企業再編の結果、のれん及び無形資産として53億円が計上されている。
キャッシュ・フロー計算書では、営業活動によるキャッシュ・フローが2019年3月期80億円、2020年3月期49億円となった。営業債務及びその他の債務の減少(▲18億円)などにより、2020年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは対前年同期比で▲31億円減少している。
■資金使途
今回のIPOでは売出のみが行われ、公募増資は行われない。よって同社の資金調達は行われない。
筆頭株主のベインキャピタル保有20,323,500株の中から87%に該当する17,672,700株が売出株式として拠出され、売出規模は412億円となっている。
■株主状況
筆頭株主は投資ファンドのベインキャピタル(株式シェア51%)である。第2位株主は神明HD(未上場、同49%)となっており、両者で殆どの株式が保有されている。尚、足利社長が潜在株式で0.2%の株式を所有している。
IPO時にベインキャピタルは所有株式の87%を売出株式として拠出する。よってIPO後は神明HDが筆頭株主となる。
■まとめ