(本記事は、堤ゆかり氏の著書『もう内向型は組織で働かなくてもいい 「考えすぎるあなた」を直さず活かす5ステップ』世界文化社の中から一部を抜粋・編集しています)

考えすぎてしまう自分と上手に付き合う方法

優柔不断
(画像=ra2 studio /Shutterstock.com)

ここでは、「まだ勇気が出ない」「不安のほうが大きい」というあなたのために、これまで内向型の皆さんからたくさん寄せられてきた悩みの一部をご紹介します。それに対する私のアドバイスは、あなたへのエールでもあります。

ひと息ついてから、ゆっくり読み進めてください。

大丈夫、不安なのはあなただけではありませんよ。

副業に挑戦したいけれど、失敗するのが怖いです。

【アドバイス】
失敗も経験値。失敗したらどうなるかを冷静に想像して、対処方法を先に考えておこう。

できることなら、失敗はしたくないですよね。失敗したら傷つくし、自信がなくなってしまうし、そこにかけた時間がもったいないと感じてしまいますよね。

でも、私はこう思うのです。

失敗しないようにできることだけをやっていたら、人生は変わらない。

1度も失敗したことのない人は、ひとりとしていません。もし、いつも順調に進んでいるように見える人がいたとしたら、失敗している姿を見せていないか、失敗もポジティブにとらえて次の原動力にしているか、そのどちらかでしょう。

失敗が怖くて踏みとどまってしまう状態から脱け出すためには、「失敗を怖がっているときの心理状態を理解する」ことがまず大事です。

失敗したらどうしようと不安になっているとき、あなたの心は未来に向かっています。未来に起こる「かもしれない」失敗を「怖いもの」と決めつけて、ある種のパニック状態になり、さも失敗することが確定したかのように感じているのです。

人間は、本能的に痛みを避けようとする生き物。「失敗しない方法=挑戦しないこと」を自然と選んでしまいます。あらゆる可能性やリスクを考えられるという内向型の能力は、一歩間違えると「慎重になりすぎて現状維持を選んでしまう弱さ」になってしまうのです。「失敗するかも」と不安になっているときは、内向型の武器である「考えられる力」がマイナスに働いている状態なのだととらえてください。

心配したり最悪の事態を考えてしまったりすることは、仕方のないこと。問題は、起きるか分からないことに対して妄想だけ膨らんで、思考停止してしまうことです。

考えているだけだと、不安だけがどんどん大きくなってひとり歩きしてしまいます。不安のスパイラルに陥った思考を断ち切るためには、紙に気持ちを書き出して整理していく方法がおすすめです。

まず、今の心配事や不安をノートに書き出していってください。たとえば、ライターの仕事に興味があるけれど失敗が怖くて行動できないという場合は、「文章を上手に書けなかったらどうしよう」「私に仕事をくれる人がいないかもしれない」「始めてみて辛かったらイヤだな」など、思いつく限りを書いてみるのです。こうやって書き出すだけでも、少し頭のなかがすっきりするはずです。

次に、その心配事一つひとつに対し「その不安が的中して失敗したらどうなるか」「失敗したら一生取り返しのつかないことになるか」を考えてみましょう。

文章を上手に書けないことが失敗だと考えているのであれば、やり遂げられなかったことで自信をなくしてしまうかもしれません。依頼主の期待に応えられず、迷惑をかけるかもしれません。でも、一生取り返しがつかないほどの状態でしょうか?もしかしたら、文章の修正を求められるかもしれません。であれば、真摯に対応して修正すればいいだけですよね。そしてその経験は、次の執筆に活かせるはずです。

紙に書き出しながら考えてみると、大げさに考えてしまっている自分に気づくと思います。

失敗は決して悪いこととは限りません。その失敗をリカバリーできる可能性や、失敗から得られる教訓がある限り、失敗は「経験値」という名前に変わるのです。

特に心配性な方は、失敗した場合の対処方法を、想定できる範囲で先に考えてみてはいかがでしょうか?

「文章の分かりにくさを指摘されたら、どうすればもっといい文章が書けるかアドバイスをもらう。そして、忘れないうちに新しい案件に取り組んで、文章を書く練習をしよう」などですね。自分ができることで、かつ次の行動に繋がるような前向きな対処方法を考えられるといいと思います。

要領が悪く、仕事と家事・育児とを両立できません。同時に複数のことができない私でも、副業はできますか?

【アドバイス】
マルチタスクができないのは当たり前。シングルタスクを極めよう。

副業からスタートして自分の働き方を変えていくためには、「やるべきことを同時進行でサクサクとこなせる能力が必要ではないか」と思いますよね?

私も同じように考えていました。マルチタスクは現実的に不可能だと知るまでは。

実は、私たちの脳は一度にひとつのことしか処理できないようになっているそうです。複数のことを同時に行えるのは、慣れていることや無意識にできること、そして単純作業だけとのこと。それを知ったときは、私もとても驚きました。

本当に効率的に仕事をしている人は、中途半端にいくつものことに手をつけたりせず、一つひとつ順番に片づけています。

いくつかの仕事をしなければならないときは、「やるべきことを書き出し、優先順位をつけ、順番に終わらせていく」。このシンプルなサイクルを繰り返しましょう。

なお、悩み事や懸念事項がずっと頭のなかにあると、そちらにも意識が向いてマルチタスクをしているような状態になり、目の前のことに集中できません。考え事に集中できる時間を定期的につくり、解決を先延ばししないような工夫も必要です。

私も要領が良いタイプではないので、自分なりにいくつかルールをつくって日々仕事に取り組んでいます。

まず、「使ったものはすぐしまい、デスクの上を整然とさせておく」。

そして、「1分以内にできることは後回しにせず、今すぐ取り掛かって終わらせる」。メールやLINEも、見たらすぐ返信するように心がけています(すぐ返信できないときは、返信忘れを防ぐため未読のままにしておきます)。

さらに「タスクやスケジュールは手帳に書く」。覚えることにパワーを使うとシングルタスクにならない気がするので、忘れてもいいようにすぐ記録しています。

フランチェスコ・シリロが提唱する仕事術「ポモドーロテクニック」では、「25分間集中→5分間休憩→25分間集中」というリズムが集中力や生産性を上げる、と勧めています。いろいろな時間配分を試して自分にしっくりくるスケジュールの組み方を見つけ、シングルタスクを極めていきましょう。

SNSを発信したけれど、反応がない。サービスをリリースしても、申し込みが入らない……。

【アドバイス】
適切な目標設定をして、改善を繰り返そう。

新しいことに挑戦したのに、思うように物事が進まなくて落ち込んでしまう。そういうときはたいてい、目の前のうまくいっていないことだけにフォーカスして視野が狭くなっているもの。一度顔を上げて、意識を変えてみましょう。

具体的には「(1)最終目的を明確にする」、「(2)課題解決のために行動目標を立てる」、そして「(3)淡々と行動し続ける」の3つに取り組むのです。

(1)最終目的を明確にする

基本に立ち返り、内向型を活かす働き方を叶えてどうしたいかという、あなたが目指す「最終的なゴール(目的)」を考えてみましょう。

誰かの役に立ちたい?家族みんな笑顔で過ごしたい?自分を好きになりたい?

思い描く理想の未来は人それぞれでも、共通していることがひとつあります。それは、「仕事は理想の未来を叶える手段でしかない」ということです。

仕事で結果を出すことがゴールになってしまうと、結果を出せない自分を責めることを繰り返し、どんどん苦しくなってしまいます。特に真面目で考えすぎてしまう人は、自分に厳しくなりがち。挙句の果てには、何のためにがんばっているのか分からなくなり、心が折れてしまいます。

今もし、うまくいかないことがあったとしても、それはゴールまで長く続く道のりのうち、ほんの一瞬の出来事です。成長と失敗は1セットです。道の途中では、つまずくことも立ち止まることもあるでしょう。つまずいたときには、もう行動することを止めるのか、それとももう1回歩き出すのかを、自問自答してみてください。

そのうえで、「最終的にはどうなりたいか」という目的を改めて自覚することが大切です。

(2)課題解決のために行動目標を立てる

次に、目標設定のコツをお伝えします。

目標には「結果目標」と「行動目標」のふたつがあります。

結果目標とは、「仕事を2件受注する」「1万円の売上をつくる」など、成果を目標にするものです。対して行動目標とは、「毎日1時間読書する」「2日に1回ブログを書く」など、結果目標を達成するための過程や手段を目標にすることです。

うまくいかなくて悩んでいるときというのは、結果目標だけで自己評価を下し、やるべきことを見失っている場合が多々あります。結果目標を立てること自体は、悪いことではありません。ですが、結果目標だけにとらわれてしまうと、目の前のことに集中できず、モチベーションが下がりやすくなってしまいます。

というのも、結果目標には自分の努力や工夫でコントロールできない不確定要素が多く含まれているからです。どれだけ下準備したとしても、サービス・商品を購入するかどうかはお客様が決めること。仕事に応募しても、あなたに発注するかを決めるのは依頼主です。相手の判断や意図はコントロールできないので、がんばっても成果にならないこともあります。

そんなときは、発信や集客の課題をクリアするための適切な行動目標を設定しましょう。たとえば、「SNSの投稿テーマを変えよう」と決めたら、それをやり遂げるために力を注ぎます。それでも状況が変わらないようであれば、うまくいかない原因と、それに対して何ができるかという改善策をセットで考えて、もう一度行動目標を設定します。そして、行動目標を達成したときは、自分を褒めてあげてください。その繰り返しが、結果目標の達成への近道になります。

余談ですが、「目標は宣言すると達成しやすい」といわれています。

宣言することで自分の脳に「やらなければ!」という意識が植えつけられ、無意識のうちに達成するための行動をとるようになるのです。

ちょっと不安でも、まずは宣言してしまいましょう。SNSやブログに目標を書いてもいいですし、パートナーや気心の知れた友だちに宣言してもいいでしょう。私も、毎月の結果目標と毎日の行動目標を、できるだけ誰かに宣言するようにしています。言ったからには後に引けない状況を、自分でつくっているのです。

(3)淡々と行動し続ける

最後に大事なのは、発信や集客の改善のために「やる」と決めたことを、淡々と続けることです。最初は誰でも新人です。特に始めて間もないころは、そうそう結果なんて出ません。まずは、行動目標の達成を目指しましょう。

私はInstagramの発信を始めた当初、フォロワー数の推移などには一喜一憂しませんでした。「まだ始めたばかりだから、うまくいかないのは当たり前。うまくいかなくても落ち込むことはない」と思っていたからです。「平日は毎日投稿する」という行動目標を立て、それを達成するために淡々と手を動かしていました。

なお、ある程度の期間、行動を続けても全く結果が出ないということであれば、そもそもその方法が間違えている可能性があります。内向型の特性を理解してくれる人に、アドバイスをもらうといいでしょう。

今はまだ思うような結果は出ていないかもしれませんが、あなたは確実に前進しています。今の課題としっかり向き合って解決のためにできることを考え、コツコツ改善を繰り返していきましょう。

自信がもてません。もっと自信がもてたら、次の一歩が踏み出せそうなのに……。

【アドバイス】
自信は自分でつくれます!

自信には「根拠のないもの」「根拠のあるもの」のふたつがあると思います。根拠のない自信をもってとにかく行動するエネルギッシュな人もいますが、「じゃあ、根拠のない自信をもて」と言われても、何をどうしたらいいか分からないですよね。

でも、「根拠のある自信」ならば、自分でつくることができます。

その方法は、前のお悩みでご紹介した「行動目標」。小さな行動目標をやり遂げ、できた自分を褒めてあげましょう。「前はできなかったけれど、計画通りにできるようになった」「私でもやればできる」と思えるようになってきたら、根拠のある自信がついてきた証拠です。ポイントは、「最初の行動目標は特にハードルを下げる」こと。「1日5分間、本を読む」くらいでかまいません。

逆に、してはいけないのは「あの人よりはマシ」など他人と比べること。それでは、いつまで経っても根拠のある自信は得られません。そもそも、強みも目標も生活環境も何もかもが違う相手と比べても、何の意味もありません。むしろ、比べるクセがついて自分にはなくて相手にあるものばかりに目がいってしまい、自信をなくしてしまいます。比較するとしたら、過去の自分。1週間前の自分と、今の自分を比べてみてください。たった1週間でも、前進したことや学んだことがきっとあるはずです。

行動目標を達成することで根拠のある自信がついてくると、新しい挑戦に対しても「今までやってこられたから、今回もきっとなんとかなる」と思えるようになります。

私ももともと、自信がないタイプでした。フリーランスを目指して副業を始めたときも、圧倒的に不安のほうが大きかったです。だからこそ、「計画を立ててコツコツ続けられる」という強みを活かせる行動目標を、自分に課していました。体調を崩して作業できなかったり、気持ちが乗らなくてサボってしまったりということもありましたが、遅れたぶんはどこかで取り戻すかたちで帳尻を合わせるようにしたのです。

そうやって、ときには自分を甘やかしながらもOLの仕事と両立してきた経験のおかげで、「自信満々ではないけどやってみよう」「続けていればきっと道は開ける」と考えられるようになりました。

根拠のない張りぼての自信は、すぐに崩れてしまうので意味はありません。自信があるふりをするのではなく、まずは今日1日、自分との約束を守ることから始めて、根拠のある自信を少しずつ積み重ねていきましょう。

やる気が続きません。せっかく行動目標を立てても、長く続かないんです。

【アドバイス】
「本当にこのままでいい?」と自分に2回聞いてみよう。

「すべては優先順位の問題だ」と、私は思います。本を読もうと思っていたのにできなかったとしたら、その理由は、本を読むことより別の何かを優先したからです。SNSをダラダラ見てしまったのかもしれません。つい、うたた寝してしまったかもしれません。何にせよ、自分がそれを選んだことは揺るぎない事実です。まずはそのことを受け止めましょう。

「全部自分が選んだことだ」

これは私が、モチベーションが下がって思うように動けなくなるたび、自分に言い聞かせるようにしている言葉です。自分でやると決めたことができずにモヤモヤしたら、ぜひこの言葉を心のなかでつぶやいてみてください。そして、「本当にこのままでいい?」と自分に聞いてみてください。

きっと、行動しないことを正当化する理由がどんどん頭のなかに浮かんでくるでしょう。なぜかというと、人間とは本能的に、何かを得る喜びより何かを失う恐怖を大きくとらえる生き物だからです。そして、新しいことを始めるときや変わろうとすることをリスクととらえて、現状を維持したくなる心理が働くのです(心理学用語では「現状維持バイアス」といいます)。

「今日も忙しかったから」「やらなきゃならないことがあったから」「友だちに誘われたから」……私たちは、やらない言い訳をするのが大の得意なのです。

ここで自問自答をストップしないでください。やらないことの言い訳がひとしきり浮かんだら、もう一度「本当にこのままでいい?」と自分に聞いてみましょう。

ここで止めたら何も変わらないけれど、それでもいい?今のままの自分でいい?

それでも「このままじゃイヤだ」「諦めたくない」という気持ちにならないのであれば、あなたが立てた行動目標は、今のあなたにとってそれほど大事なことではないのでしょう。優先順位が低いということです。

反対に「このままじゃイヤだ」という思いが湧いたとしたら、もう一度がんばってみましょう。

やると決めたことを続けるためにも、自分のモチベーションの源を知っておくことはおすすめです。喜怒哀楽のうちどの感情が自分のやる気に火をつけるかは、人によって違います。「ワクワクすることをやろう」という言葉がしっくりくる人もいれば、「悔しさをバネにしよう」という言葉に背中を押される人も。『先輩インタビュー』のページでご紹介した内向型の方々は、「不安」や「危機感」が大きな原動力になっていましたね。

やる気が足りないときには、「行動しないと!」という感情をかきたてるような状況をわざとつくることもおすすめです。私の原動力は「悔しさ」なので、活躍している女性を見て自分を奮い立たせるようにしています。

自身の「原動力となる感情」を知っておくといいかもしれませんね。

もう内向型は組織で働かなくてもいい 「考えすぎるあなた」を直さず活かす5ステップ
堤ゆかり(つつみゆかり)
内向型コンサルタント・心理カウンセラー。自身が20年間コンプレックスを感じていた内向性を受け入れられるようになった経験と独自の分析力をもとに、Instagram・YouTube・Twitterなどで「内向型を直さず活かす生き方」を発信している。内向型を活かす働き方を叶えるためのコンサルティングのほか、内向型コミュニティの主宰や講演などを行う。年間の個人コンサルティング・SNS相談実績は300件超で、内向型の気持ちに寄り添った提案に定評がある。2019年6月にKindleダイレクト・パブリッシングで出版した電子書籍『もう内向型は組織で働かなくていい』がAmazon Kindle版「社会・政治」「超心理学」カテゴリにて最高1位を獲得。自分らしいライフスタイルを追求するため、同じく内向型の夫と起業し、2018年12月より、夫婦ふたりで東京から福岡に移住。内向型の強みを活かす働き方を体現している。

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