有名な物理学者アインシュタイン博士は、「複利は人類最大の発明」と言ったそうです。それほどの偉大なる数学的効果の複利について考えてみましょう。
利息の付き方には、「単利(たんり)」と「複利(ふくり)」があります。
例えば、100万円の元本を年利1%で10年間の定期預金にするとします。(計算上、税金と手数料は考慮しません。)
単利(たんり)の場合
1年目の元本(元金)は1,000,000円で、利息は1年経過後、100万円 × 0.01 = 10,000円です。
2年目の元本も100万円、3年目の元本も100万円…と元本は変わらず、生み出した利息は元本(元金)に組み入れません。元本(元金)が毎年変わらないのが単利です。10年経過後の元利合計は、元本1,000,000円 + 利息100,000円 = 1,100,000円となります。
複利(ふくり)の場合
1年目の元本(元金)は100万円。1年目につく利息(1年経過後)は1,000,000円 × 0.01 = 10,000円で単利の場合と同じ。
2年目の元本(元金)は、この利息1万円を元本に加えて101万円となります。2年目の利息は1,010,000円 × 0.01 = 10,100円で、これを元本に加えて3年目の元本(元金)は102万100円です。3年目の利息は1,020,100円 × 0.01 = 10,201円になり、この利息を加えて4年目の元本(元金)は1,030,301円になります。つまり利息を取り分けずに毎年元本に加えていきます。このように翌年の元本(元金)にその年の成果(利息)をプラスして行きます。10年経過後の元利合計は、1,104,622円となります。
例は1%の金利で10年間の結果ですので、わずかの差と感じる方も多いかもしれません。しかし、これを複利運用である再投資商品で長期的に運用するとなると、大きく違ってきます。途中で引き出したりせずに20年、30年と続けていけば、課税の繰り延べ効果も得られ、大きく膨らんできます。
投資ですので、その時々により運用成果や元本の評価額にブレはありますが、複利の効果は絶大です。はじめのうちは元本に組み入れる利息の金額も少ないので、複利効果を実感しにくいのですが、長期になればなるほど雪だるま式に増えていくのが実感できます。
ライフイベントの資金作りにも
このように、まとまった資産を作るには、元本をどんどん大きくしていき、再投資を続けることが肝心です。はじめは少ない資金でも複利の効果の恩恵を受けながら再投資を続けていけば、時間の経過とともに上下の振れ幅はありますが、膨らんでいくのです。
元本確保型の預貯金とは違い、投資商品は、あらかじめ決まった成果を保証するものではありません。しかし、投資金額に多少の振れ幅が生じても、長期運用を継続することにより平均化されていきます。大事なのは、途中で資金の引き出しや換金などの元本移動を行わず、資産作り用に拠出できる「余裕資金」でやることです。
確定拠出年金制度(企業型・個人型)を利用している人も多いと思います。長期運用で複利成果を狙う点では同じですが、確定拠出年金は、原則として60歳以降の受け取りになり、途中で引き出すことができません。
老若男女、人それぞれに結婚、出産、教育、住宅、旅行、移住…人生における夢や計画(ライフイベント)があると思います。それにはまとまった資金も必要になってきます。
確定拠出年金制度の利用で老後の生活費をしっかり確保したら、人生を豊かにするための資産作りもぜひ行ってみてください。目的に合わせて投資資金を分け、同時進行するのがよいと思います。いずれにしても、なるべく長い期間を確保して、「複利の効果を狙った、待てる運用」で継続されることをおすすめします。(提供:auアセットマネジメント)