■地方マンション投資の特徴とリスク
地方の都市では賃料相場からすると物件価格が低く、利回りの高いマンションが少なくない。しかしながら、利回りは入居があってこそ実現するもの。立地エリアの特徴や需給バランスをよく調べる必要がある。地方では、ファミリータイプのマンションは戸建てとの競合があり、単身者向けは若年層の人口が減少していることから、賃料が値崩れし極端に安い地域も多い。現在賃貸需要があっても特定の企業や大学の関係者がほとんどといった地域では、閉鎖や移転があれば一気に空き室が増えるというリスクが潜んでいる。

また、地方のマンションで注意したいのが管理費などの固定費。区分マンションの場合はこれに修繕積立金も加わり、決められた金額を支払うことになる。賃料収入に対しこうした経費がどれくらいになるのか重要なポイントだ。例えば、東京近県でファミリーマンションの賃料相場が都内の2分の1から3分の1といった地域では、その賃料に対し、都内と同程度の固定費がかかるのだからシビアな計算が必要だ。

物件価格が安いことから複数の物件を所有し賃料を稼ぐことも可能だが、戸数が増えればそれだけ固定費もかかる。1棟マンションの場合は管理やメンテナンスの質や大規模修繕について戸建てと同様の問題もある。

地方マンション投資のリスクをまとめると次のようになる。
・ファミリータイプは戸建てと競合している場合も
・都心に比べ賃料が大きく値崩れしている地域もある
・賃料に対し管理費などの固定費の割合が大きく収益を圧迫することも
・質が低くなる傾向があり、大規模修繕の時期によっては大幅なマイナスになることも

地方の不動産投資では空き室リスクが高いことはよく知られている。それに加え、戸建て・マンションとも都心とは収支バランスが異なる。また、いずれも物件の状態をより良く保つことが空き室リスクの回避につながるだろう。立地が良く需要があるのはもちろん、さらに管理やメンテナンスなどにかかるコストと収益のバランスの見極めが重要となるのだ。戸建ての場合は大規模修繕の費用とそれまでの稼働期間、マンションなら月々の賃料と固定費のバランスが投資成功のカギとなるだろう。

こうしたポイントを見比べ、地方の物件選びに役立て欲しい。

[写真]= Sea Crane via flickr cc

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