本記事は、安田正氏の著書『デキる人はこっそり使ってる! 人を動かす20の質問術』(ポプラ社)の中から一部を抜粋・編集しています
お悩み 質問を門前払いされる
「部長、今お時間よろしいでしょうか?」
仕事を進めるために質問したいことがあり、気を遣ってこう話しかけたのに「あ~ダメダメ!あとあと!」と、取り付く島もなく「質問を持ちかけることすら拒否されてしまう」ことがあります。
営業マンの方だと、アポ入れの電話をするときに、このようなやりとりを毎日のように繰り返しているという方もいるでしょう。
お互いに顔が見えないのをいいことに、相手は遠慮なく「また今度にしてください!」と、電話をガチャ切りしてきます。
このように、質問の内容すら聞いてもらえない場合、その理由は何なのでしょうか?
また、どうすれば質問を聞いてもらえるのでしょうか?
相手がテンパっているときに質問していませんか?
相手に質問の内容すら聞いてもらえない場合、その理由はわかりきっています。シンプルに「質問するタイミングが悪い」のです。
要するに「相手が忙しいときに質問してしまっている」ということなんです。
「そんなことを言われても、今この話をしておかないと、後でお互い困るのに!」と、部下のほうは憤慨するかもしれません。
ですが、部下から上司に「今すぐこの話を聞いてほしい」と要求するのはNG。なぜなら、上司のほうがはるかに優先度の高い仕事をこなしているからです。
察しがいい部下の場合、上司が電話で話している内容をそれとなく聞いたりして、上司の状況を瞬時に判断します。
今はダメだなと思ったらスッと去っていき、今なら行けるなと思えばヒュッと入っていって、すかさず質問するのです。
忙しい上司に話を聞いてもらうには、こうした分刻みの状況判断が欠かせません。
●相手が話を聞いてくれる「うかつな時間帯」を狙う
とはいえ、的確に状況を判断するのはなかなか難しいものです。
「自分にはムリ!」という人のために、ひとつアドバイスを。
上司に重要な質問をするなら「木曜日か金曜日の午後3時」がベストタイミング。
逆に、一番ダメなタイミングは「月曜午前中」です。
ダメな営業マンは、毎日一生懸命にアポ取りの電話をするのですが、月曜日の朝は100%断られます。
考えてもみてください。誰だって、週の始まりはカリカリしているに決まっています。月曜の午後も×。火曜日でも断られるでしょう。
水曜日はうまく行けばOK。
そして木曜、金曜の午後になると、アポ取りの成功率は飛躍的に上がります。
なぜなら、その頃になると、その週の仕事の大半は片付いていて、誰もがのんびりとした気分になっているからです。
とはいえ、午後一番は、ランチの後でお腹がいっぱいで、人の相手をするのが面倒になっている時間帯なのでNG。
午後5時以降も、早く会社を出ようと切羽詰まってくるタイミングです。
その点、午後2時や3時は「うかつになる時間」なので、いつもはカリカリしている人が、あっさり話を聞いてくれたりするんです。
上司に話しかけるタイミングについても、これとまったく同じ法則が当てはまります。
ちなみにもし、金曜の午後3時でもテンパって話を聞いてくれない上司がいたら、その上司は絶対に出世できない人です。
優秀な人は、週の仕事納めの前日木曜にはあらかた仕事は片付けてしまっているもの。金曜日は余白として残るようにスケジューリングして、次の週の準備などに充てています。
それが金曜の、しかも午後3時になっても目の前の仕事に追われているなんて、読みは甘いわ、綱渡りで危険だわで、とても一流のビジネスパーソンとは言えません。
そんな上司についていくのは危険です(笑)。
超一流の質問術 木・金の午後3時に質問する
月曜の午前中はNG 週末が近づいた昼下がりは、一週間で最も切羽詰まっていない時間帯。忙しい人でも相手をしてくれます。
※画像をクリックするとAmazonに飛びます