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コロナショックからも回復の兆しを見せつつあるインド企業。令和に入り、インド株にはますます投資家の熱い視線が集まっている。今のうちにインド株を仕込んでおくことで、将来的に資産を大きく増やせるかもしれない。
この記事では、インド株投資に興味がある人に向けて、インド株に投資家が注目する理由やインド株に投資するための具体的な方法を解説する。インド株のおすすめ銘柄やインド株投資に適した証券会社のランキングも紹介するので、インド株投資を検討している人はぜひ参考にしてほしい。
高まるインド経済への期待感 と投資家が注目する理由
発展途上国の中でもひときわ存在感を放つ南アジアの国、インド。
労働人口が多いことは、経済成長を加速させる重要なファクターになる。「世界の人口国別ランキング(2019年)」 をみると、1位の中国が14億3,378万人、2位のインドが13億6,642万人で、3位のアメリカの3億2,907万人を大きく引き離している。インドの人口は、10年以内に中国を抜くとも予測されている。
また、インドはアメリカとの時差が約12時間であり、ちょうど昼夜が逆転する形になる。そのため、アメリカと仕事の連携がしやすいというメリットも。アメリカで昼間に技術者が稼働し、仕事を終えるタイミングでインドの技術者にバトンをパスすれば、スムーズに仕事を引き継ぐことができる。
加えてインドでは、イギリスの植民地支配の影響で広く英語が用いられている。世界の共通言語である英語を自然と身につける機会に恵まれていることは、世界的に活躍する人材が育ちやすい土壌といえ、大きなアドバンテージとなるだろう。
●令和、コロナショックのインド経済
インド経済は好調に成長を続けていたものの、コロナショックによって一時的な打撃を受けた。ロックダウンの影響が長引き、2020年7~9月の実質成長率は前年同期比7.5%のマイナス と発表した。
一方で、日本貿易振興機構(JETRO)は、経済回復が進むことを想定し、2021・2022年度のインドのGDP成長率を5.4%と予測した。実際、2021年3月期の通期予想を上方修正したインドの企業は多く、インドの上場企業の業績は回復しつつあることがわかる。日本貿易振興機構(JETRO)は、インドへの投資家による資金の流入も好調だと分析。特にITに代表されるサービス産業への需要が高いことを報告した。
以下のチャートは、インド株式市場の代表的な株価指数である「SENSEX指数」と、日本の「TOPIX(東証株価指数)」の推移を比較したものである。インド株はコロナショックで一時的に暴落したものの、その後はTOPIXを上回るスピードで回復し、今も上昇を続けていることがわかる。
このように、成長の見込みがあるインド株への投資は、将来的なハイリターンが期待できるといえる。世界中が熱視線を送るインド株をポートフォリオに組み入れ、資産形成のチャンスを逃さないように注目しておきたいところだ。
日本でもインド株を買える?ADRとETFでインド株に投資する
外国株式への投資には、さまざまな制限がある。インド国立証券取引所(NSE)に上場しているインド株は、インド在住でなければ投資ができない。そこで、投資家に注目されているのがADRとETFだ。
●日本でインド株投資ができる「ADR」とは?
新興国では、資金ニーズが豊富だとしても、金融システムが整備されておらず、海外投資家から広く資金を集めるのが難しいケースがある。投資家としては、成長が期待できる新興国に投資すれば、大きなリターンがねらえる可能性がある。このような双方のニーズを満たすために登場したのがADRだ。
ADRとは、「American Depositary Receipt」の略で、日本語では「米国預託証券」という。米国以外の国で企業が発行した株式を、米国の銀行や信託銀行に預け、株式を担保とした預託証券を発行し、米国の取引所に上場させる。そうすれば、米国株式と同じように売買ができる。
ADRによって、日本からもインドをはじめとした新興国の個別銘柄への投資が可能となる。
SBI証券や 楽天証券、マネックス証券 といった日本のネット証券でもADRを取り扱っており、日本株と同様に海外企業の株式を売買できる。
●ETFでインド株投資をするのもひとつの選択肢
ETFを通じて間接的にインド株に投資する方法もある。ETFとは「Exchange Traded Fund」の略で、日本語では「上場投資信託」という。ETFは投資信託の一種だが、一般的な投資信託とは異なり、投資信託そのものが取引所に上場している。そのため、株式と同様、売買ができるという特徴がある。
ETFでは、一般的な投資信託と同じように、投資家から集めた資金を運用のプロが複数の投資商品に分散投資し、得られた利益を投資家に分配する。そのため、インド株投資に興味はあるが、まずはリスクを抑えて分散投資をしたいと考えている人に適している。
インド株投資をするのにおすすめの証券会社ランキング
続いて、インド株投資を始めたい人に向けて、おすすめの証券会社をランキング形式で紹介する。各証券会社に特徴を踏まえ、自分に合った証券会社で口座開設をしたい。また、各証券会社はお得なキャンペーンを実施していることも多いので、キャンペーン情報も忘れずチェックしよう。
証券会社 | 取引 手数料 |
インド ADR |
外国株 | インド ETF |
---|---|---|---|---|
1位 |
◎ 約定金額の0.45%~ |
◎ 14本 |
◎ 6ヶ国 |
◎ 7本 |
2位 |
◎ 約定金額の0.45%~ |
◯ 8本 |
◎ 9ヶ国 |
◎ 7本 |
3位 |
◎ 約定金額の0.45%~ |
◯ 8本 |
○ 2ヶ国 |
◯ 3本 |
●1位:楽天証券
楽天ポイントで投資するポイント投資が人気を博す楽天証券。主要ネット証券の一角を担っている。楽天証券では、2020年12月現在インドADRを14銘柄取り扱っており、銘柄数が豊富な点が魅力だ。インド株に投資できるETFも7つある。
インド株に関する特集やレポートもあるので、インド株投資に注力したい人はぜひ参考として目を通しておきたい。
●2位:SBI証券
ネット証券最大手で、インド株投資にも力を入れている。インドADRは2020年12月現在8銘柄取り扱っており、インド株に投資できるETFも複数取り扱っている。インド株投資をスタートするキャンペーンを実施していることもあるため、インド株投資を始めたいならぜひチェックしておきたい。
口座数は2020年3月末時点で542万口座を突破。 大手ネット証券会社で投資したいと考えているなら、SBI証券が安心だ。
●3位:マネックス証券
外国株式への投資に強みを持つ証券会社。インドADRは2020年12月現在8銘柄取り扱っており、インド株に投資できるETFも複数取り扱っている。外国株式の取り扱い商品数が多く、レポートも充実しているのがマネックス証券の魅力だ。
インド株投資をするなら?ADRのおすすめ銘柄5選
インド株投資をしたいと考えているなら、投資先選びが重要だ。続いては、インド株のおすすめ銘柄を5つ紹介する。
1.インフォシス・テクノロジーズ (INFY)
インドの大手IT企業。数多くのアプリケーションを開発・管理しており、ソフトウェア開発で世界をけん引する存在だ。ITコンサルティングサービスも行うなど、ITを基盤としたソリューションを幅広く提供している。
2.ドクター・レディース・ラボラトリーズ(RDY)
新型コロナウイルスの影響で注目度が高まる医薬品メーカーも外せない。ドクター・レディース・ラボラトリーズはインドの大手製薬会社だ。数多くの特許を持ち、インドだけでなくアメリカ・ヨーロッパ・ロシアなどグローバルに製品を販売している。
3.タタ・モータース(TTM)
インドの大手自動車メーカー。大型車・中型車・軽自動車をはじめとした自動車にくわえ、クレーンやショベルなど建設機械の製造販売も行う。自動車はインドだけでなく、ヨーロッパや南米、アジア地域で広く販売されている。
4.HDFC銀行(HDB)
インドの民間銀行で、貸付、クレジットカード、デビットカード、投資信託、保険商品などを取り扱う。個人向けに限らず、グローバル企業に金融サービスを提供するなど、幅広いサービスを行っている。支店やATMの数も多く、高成長を遂げている。
5.ベダンタ(VEDL)
石油・天然ガス、亜鉛、鉄鉱石、銅などを扱うインドの天然資源会社。インドだけでなく、オーストラリアやアラブ首長国連邦、南アフリカ、アイルランドなど、さまざまな地域で事業を展開している。インフラ資産の開発や運営も行う。
リスクを抑えてインド株に分散投資!ETFのおすすめ5選
インド株に投資したくとも、個別銘柄に投資するのは不安だという人もいるだろう。日本株投資や米国株投資と比べると、インド企業やインド政府の情報は入手しにくく、投資のハードルは高い。リスクを抑えてインド株に分散投資をしたいなら、運用をプロにお任せできるETFが安心だ。
続いて、インド株に間接的に投資できるおすすめのETFを5つ紹介する。
1.ウィズダムツリーインド株収益ファンド
ウィズダムツリーインド・アーニングス・インデックスのパフォーマンスに連動する投資成果を目指す。インフラ事業を手がけるリライアンス・インダストリーズや、インフォシスリミテッド、タタグループのITサービス企業であるタタ・コンサルタンシー・サービシズなど幅広いインド株に投資できる。
2.NEXT FUNDSインド株式指数・Nifty50連動型上場投信
インドを代表する株価指数である「Nifty 50指数」の日本円換算した値との連動を目指す。Nifty 50指数は、インドのナショナル証券取引所に上場する銘柄のうち、一定の基準で厳選した50銘柄で構成されている。
3.iシェアーズMSCIインディアインデックス
MSCIインディアインデックスの実績と同等水準の投資成果を目指す。インフォシスリミテッドやリライアンス・インダストリーズ、HDFC銀行など幅広いインド株に投資できる。
4.DirexionデイリーMSCIインド株ブル3倍ETF
MSCIインディアインデックスのパフォーマンスの3倍の投資成果を目指す。インフォシスリミテッドやリライアンス・インダストリーズ、HDFC銀行など幅広いインド株に投資できる。セクター別構成比率では、情報技術が23.14%と最も多く、次いでエネルギー21.41%、ヘルスケア13.05%となっている。
5.ヴァンエック・ベクトル・インド小型株ETF
マーケット・べクトル・インド小型株インデックスの価格と利回りに連動するパフォーマンスを目指す。インドの小型株に投資したい人にとって、魅力的なETFだ。
魅力いっぱいのインド株投資をするなら今がねらい目
人口増加にともない、インド経済は今後ますます発展していくことが予想される。5年先、10年先を見据えて投資をするなら、インド株をポートフォリオに組み込んでおきたい。
特に今なら、コロナショックの影響で割安株を発見できるかもしれない。インド株は新興国株なので、成長企業を見つけて投資すれば、大化けの可能性もある。
日本でインド株投資をするなら、ADRで個別銘柄に投資する、もしくはETFを通じてインド株に投資するという2つの選択肢がある。リスクを抑えてインド株投資を始めたいならETFがおすすめだが、インド株投資の醍醐味を味わえるのはADRだろう。
インド株はどの証券会社でも取り扱っているわけではないため、インド株投資をするなら証券会社選びも重要だ。インド株の個別銘柄に投資できるADRや、インド株に投資できるETFの取り扱いが豊富な証券会社を選ぶべきだろう。
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