2021年4月21日13時過ぎに井口喜雄さんに直接聞いた現在の相場観とFXトレード戦略をご覧下さい。(提供:羊飼いのFXブログ※チャート付き)

現在の為替相場の傾向や相場観

羊飼いのFX突撃取材
(画像=PIXTA)

東京市場はリスクオフの展開から円独歩高となっており、米ドル/円も108円を割れて一時107.87円まで下値を拡大させている。要因としては昨日20日(火)夜、WHO(世界保健機関)が今月4月12日(月)~18日(日)の期間で世界の新型コロナウイルス感染者が過去最大との発表があったほか、大阪府や東京都も再び緊急事態宣言へと向かっていることがマーケットを冷やしている。中期的にはワクチン接種による経済正常化の期待感が残っているものの、短期的にはコロナ感染者増加が材料視されているようだ。また、日米首脳会談を終えて、対中国への強硬スタンスが明確になったことも短期勢がリスクオフの口実にしやすいだろう。ただ一方でFRB(連邦準備理事会)が米景気回復に伴い今年の12月にはテーパリング(資産購入を段階的に減らす)に向かうとの報道もあり、こちらは米ドル/円上昇の材料となるので注意したい。

現在の為替相場の戦略やスタンス

円が買われる典型的なリスク相場となっており、クロス円はダウンサウドを意識したトレードになる。米ドル/円も本日21日(水)の安値を更新する局面では大きめに落ちると思うので注視しつつ、ショートを狙っていきたい。ただし、FRBのテーパリング報道は気になるところ。パウエルFRB議長が急にテーパリングに舵を切るイメージが浮かばないものの、報道レベルで思わぬカウンターをもらわないためにも米ドル/円ショートは短期で回すほうが安全だろう。また、直近の米経済指標の結果は強く安定していることから、株式市場の下落が落ち着けばリスク相場終了となる。中長期のプレイヤー視点で見れば米ドル/円の下落は押し目を拾っていける局面なのかもしれない。

井口喜雄
トレイダーズ証券市場部ディーリング課。認定テクニカルアナリスト。1998年より金融機関に従事し、ディーリング業務に携わる。2009年からみんなのFXに在籍し、ドル円や欧州主要通貨を主戦場にディーリング業務を行う。ファンダメンタルズからみた為替分析に精通してるほか、テクニカルを利用した短期予測にも定評がある。月刊 FX攻略.comで「現役為替ディーラーが本音で語る”Dealer’s EYE”」を連載中

羊飼い(ひつじかい) FXトレーダー&ブロガー
羊飼いのFXブログ」の管理人。2001年からFXを開始。ブログで毎日注目材料や戦略を執筆配信中。トレードはスキャルがメインで超短期の相場観には自信あり。