(本記事は、中野祐治の著書『億を稼ぐ人の考え方』きずな出版の中から一部を抜粋・編集しています)

すでに世の中はこれだけ変わっています。経済の先行きが見えない不確実な時代において、収入源が会社の給料だけというのはリスクが高いと思いませんか?

リーマンショックのような経済危機や、震災などの大きな自然災害が起これば、瞬時に経済が停滞し、個人の所得はますます打撃を受けます。大企業でも突然倒産するリスクもあります。収入源が1つということはかなりのリスクです。

登りたい山を決め、案内人を決めよう

金融
(画像= Jonas Glaubitz/stock.adobe.com)

あなたは旅行に行くとき、まずは行き先、目的地を決めますよね?

目的地を決めたら、それからどんな手段、乗り物で行くかを決めますよね?

「大阪からハワイに行くから飛行機で行こう」

「大阪から東京に行くから新幹線で行こう」

「近くのコンビニに行くから自転車で行こう」というように、行き先を決めてから乗り物を決めます。

では、人生の乗り物が仕事だとすると、あなたは「あなたの仕事」という乗り物で、どこに行きたいのですか?どういった人生にしたいですか?人生の旅において、目的地なく漂流していませんか?

人生の目的地を明確に決めている人と、ただなんとなく日々を過ごしている人とでは、数年後の人生に大きな差が出ます。

それは能力の差ではありません。目的地を明確に具体的に決めているかどうかの差です。

ソフトバンクの孫正義さんは「登りたい山を決める」とおっしゃっています。

あなたが登りたい人生という山は、どんな山ですか?

まずは、人生において登りたい山を決めましょう。

素人が単独で山に入っていっては、遭難する可能性が高いです。

山のプロに案内してもらったほうが、危険を避けることができ、無事に山頂に辿り着きます。

私にとってはそれが、メンターの存在でした。

また、メンターに次のようにも言われました、

「山頂を目指すにもいろんなコースがある。

小川コース、お花畑コース、岩山コース。どのコースも素晴らしい。

どのコースも、ちゃんと登っていけば山頂に辿り着くんだ。

一番よくないのは、小川コースを登っているときに、『横にあるお花畑コースのほうが楽そうだな』と思って、横にそれて、『やっぱり岩山コースがいいなあ』とまた横にそれて、隣の芝生が青く見えて、一貫性をなくしてしまうことなんだよ。

一度登り始めたら案内人を信じて、一貫性を持って、山頂まではひとつのコースを登り続けることだよ。そして、ひとつの山を極めたら、また違う山にチャレンジすればいいんだ」

私はその教えを守り、まずはメンターに教わりながらひとつのビジネスを立ち上げ、年収3000万円まではそれだけに集中しました。

そのあとに2社目を立ち上げ、その会社が軌道に乗り、年収が9000万円になってから3社目を立ち上げ、年収1億2000万円になってから4社目を立ち上げました。

一つひとつの山を登りきってから、次の山に挑戦していった感覚です。

もちろん登っていくなかで、多くの障害に出合いました。

そのたびにメンターにはげましてもらったり、肩を貸していただくこともありました。

それでも山頂まで行けたのは、一貫性を持って登り続けたからだと思います。

あなたもまずは、人生で登りたい山、目的地を決め、案内人であるメンターを決め、登り始めたら山頂までは一貫性を持って登り続けることをおすすめします。

人生を決める4つの働き方

世の中には、4つの働き方があります。

ロバート・キヨサキが『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』で紹介した、「お金=キャッシュフロー」を得るための働き方の種類です。

これは経営者であればほとんど全員が知っている概念で、いまでは会話のスタンダードにもなっています。次の4つです。

  • Eクワドラント:Employee(従業員)
  • Sクワドラント:Self-Employed(自営業者)
  • Bクワドラント:Business Owner(ビジネスオーナー)
  • Iクワドラント:Investor(投資家)

どこに属するかは、「お金がどこから入ってくるか」によって決まります。

会社の業務時間で縛られているサラリーマンや、時給で働くアルバイトなど、世の中のほとんどの人は給料が主な収入源でしょうから、Eクワドラントの従業員です。

私も会社員として給料をもらっていたので、Eクワドラントにいました。

自分自身の能力、時間を使うことで稼ぐ、飲食店の店主や、フリーランス、「自分の雇い主は自分」というような小さな会社の社長はSクワドラントの自営業者です。

この「従業員」と「自営業者」がキャッシュフロー・クワドラントの左側にきます。

これは、稼ぐお金が大きいか小さいかとは関係ありません。

「お金持ちになるにはクワドラントの左側ではなく、右側に行かなければならない」と単純に考える人もいますが、クワドラントの左側であるEやSの立場にいても、お金持ちになることは可能です。

高給取りであるエリートサラリーマンであるEや、自分自身の高い能力をお金に換えているアーティストやプロスポーツ選手などのSの人々です。

ただし彼らがやっているのは、どこまで行っても「自分の時間の切り売り」です。怪我などで自分の能力を行使できなくなったら、収入は止まってしまいます。

たとえば、高額所得であこがれの職業でもある医師や弁護士も、EやSです。

従業員としての医師や弁護士も、開業している医師や弁護士も、自分がそこにいて仕事をしなければ収入が発生しません。

これに対して、「自分がその場にいなくても、あるいは自分が直接働いていなくてもお金が生み出せる」というのが、クワドラントの右側です。

簡単に言うと、「自分の代わりに、人や仕組みに働いてもらう」ということです。

従業員や仕組みに働いてもらうのが、Bクワドラントのビジネスオーナーです。

そして、人や仕組みではなく「お金」に働いてもらうのがIクワドラントの投資家です。

では、それぞれのクワドラントの特徴をもう少し詳しく見ていきましょう。

まずはビジネスオーナーを目指したほうがいい2つの理由

私が、まずBクワドラントに行くことをおすすめする理由は2つです。

(1)経験と教養を積み重ねることができる

Bクワドラントで成功すれば、優秀なIになれるチャンスが増えます。Bクワドラントで経験を積み、しっかりしたビジネス感覚が養われれば、よりよい投資家になれます。

なぜなら、よいビジネスを見分ける力がつくからです。真の投資家はしっかりしたビジネスシステムを持った、成功しているビジネスに投資します。

(2)余裕を持ったキャッシュフローで戦える

ビジネスを自分で立ち上げ、それを軌道に乗せることができれば、変化の激しいIクワドラントの世界で生き残るために必要な時間とキャッシュフローが確保できます。

EやSのクワドラントに属する人で、資金の余裕がまったくなくて、「損をする可能性があることなんて何もできない」という人はたくさんいます。

そういう人は車で言えば、エンジンが焼け付くギリギリのレッドゾーンでやりくりしているので、市場が大きくひと揺れしたらスッカラカンになってしまうのです。

投資には充分な資本と知識が必要です。必要な知識を手に入れるために相当なお金と時間が必要だという場合もよくあります。

いま成功している投資家も、お金を儲けられるようになるまでには、何度も失敗しているのです。

そういえば、私のメンターも投資を始めたときに、3日で6000万円なくなったと言っていました。どんな分野でも、成功を収めた人は、成功から学ぶことは少ないということを知っています。人は失敗から学ぶのです。

そして、Iクワドラントでは、失敗には金銭的な損がついてきます。

知識も資本もない人が投資家になろうとするのは、自滅の道を歩むのと同じなのです。

まずBクワドラントで成功するための知識、価値観、技術を身につけるのです。

そうすれば、よい投資家になるために必要なキャッシュフローが確保できます。

Bクワドラントとしてあなたが築き上げたビジネスは、よい投資家になるための経験と教養を身につける間、あなたを支えるお金をもたらしてくれます。

Eクワドラント、Sクワドラントの人はまずはBクワドラントに移り、そこでつくったお金をIクワドラントで投資をしていく。

最終的にはBとIの掛け算をしていくと、真の自由を手に入れることができるのです。

もはや安定ではなくなってきている、クワドラントの左側の生活を続けるのか?

会社員をしながら、まずはビジネスオーナーを目指して行き、クワドラントの右側に進むのか?

あなたの未来を決めるのは、ほかの誰でもない、あなた自身です。

私は「サラリーマンを辞めるべきだ」とは言っていません。サラリーマンをしながら、将来のためにビジネスオーナーに向けて動いてほしいのです。

次章からは、ビジネスオーナーになるための決して忘れてはならない心構え、モノの考え方、具体的な行動について、実体験なども交えてお話しします。

中野 祐治
株式会社YAPPY代表取締役。ほかにも複数の会社を経営する実業家。
飲食店、オーガニックショップ、人材派遣事業、講演会、業務コンサルティング、ビジネストレーニング事業などを多岐にわたって展開する。
大阪府大阪市生まれ。神戸大学卒業後、シャープ株式会社(SHARP)に入社。
24歳で経営のメンターと運命的に出会い、そこからメンターに学び始める。
26歳のときに親族の借金を肩代わりしていた両親が夜逃げ。借金取りが家に押しかけてくることも経験。
その経験から、1回きりの人生を全力で生きると決める。
人生において「すべての人を勝利に導く」をビジョンとして掲げ、事業の道に踏み出し、27歳で独立。
そのビジョンを実現していくために、「すべての人の幸せのお手伝いをする! 」を経営理念として、人々の多様化するニーズやライフスタイルの変化にいち早く応えるために、さまざまなサービスを展開している。
39歳ですべての事業からの収入が年収1億円を超える。
500人規模から1000人規模の講演会を毎月開催し、多くの若者からメンターと慕われる、いま注目の起業家。

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