本記事は、伊庭正康氏の著書『できる営業は、「これ」しかやらない 短時間で成果を出す「トップセールス」の習慣』(PHP研究所)の中から一部を抜粋・編集しています
トップセールスは、「お客様を選ぶ」?
「営業マンがお客様を選ぶ」というと生意気な奴だと思われるかもしれない。でも、トップセールスにとっては、お客様を選ぶことは当たり前のことである。
●「営業力の公式」を理解しておく
営業は「行動量」が大事だとよく言われます。
でも、あなたの会社の「トップセールス」と「そうではない人」の違いは訪問量の差でしょうか。おそらく、そこではないですよね。
では、スキルの差でしょうか。それも違います。
答えは「顧客基盤」の差。
トップセールスは、必ず「売れ続ける顧客基盤」を持っているのです。
多くの営業が、目先の契約をもらうために、あたかも「狩猟」のごとく奔走する中、トップセールスは、良い「顧客基盤」を着々と育てるために、時間の9割以上を使います。つまり、トップセールスになるための絶対の法則は、「狩猟型」ではなく、「農耕型」の営業なのです。
まず、「営業力の公式」を押さえておきましょう。
営業力=行動量×営業スキル×顧客基盤
この3つの要素で「営業力」は決まります。
新人のうちは、営業スキルも、顧客基盤もないために、より多く訪問することが営業成績を上げるための「KSF(Key Success Factor:成功の鍵)」になります。
しかし、すぐに頭打ちが来ます。そこで、営業スキルを高めようとするわけですが、より注目すべきは「顧客基盤」。
ほとんどのトップセールスたちは、「良い顧客基盤」を持っています。
「良いお客様」に恵まれ、
「高単価」のお客様が多く、
「高リピート率」のお客様が多く、
「ご紹介」をいただける、
下図のような基盤を着々とつくっているのです。
●良い「顧客基盤」をつくる方法
では、どのようにすれば、良い顧客基盤を築けるのでしょうか。
まず、お客様の優先順位をつけることです。
もちろん、新規開拓であっても同じ。
お客様を選ぶことがとても重要です。
リピートしないお客様に注力することほど、しんどいものはありません。
まず、可能な範囲でいいので、あなたなりに、
「長いお付き合いができそうなお客様」
「提案に価値を感じてくださるお客様」
という2つの要素で営業先の優先順位をつけるのが良いでしょう。
次は、提案のシーン。
「お客様のご予算の範囲」で提案するだけでなく、必ず2つの提案をします。
1つは、「お客様がおっしゃる予算での提案」。
もう1つは、「あなたがベストだと思う提案」です。
お客様が満足される要素は、「予算に収めた」ことではなく、やはり「得られた満足感」にあります。ゆえに、予算は少しオーバーしたとしても、「あなたがベストだと思う提案」は必要なのです。
もちろん契約後のアフターフォローもしっかりと行うことで、さらに満足を感じてもらえるようにします。こうすることで、「高リピート」の基盤ができます。
さらに、ご紹介をいただける機会も増えてきます。
もちろん、このような基盤は、すぐにはできません。ある程度の期間は必要です。
大事なことは、このような基盤をつくるための活動を行っているかどうかなのです。
●基盤を持つと、売上は“爆発的に”伸びる
では、基盤を意識すると、どのくらいの「差」になるのでしょう。
次の2人を比べてみると、一目瞭然。計算すると、こうなります(ここでは細かなシミュレーションは割愛します)。
訪問数も大事ですが、実績の差が出やすいのは「リピート率」と「単価」です。
ぜひここは意識しておきましょう。
【Point】 やみくもに行動するのはNG! 「売れる顧客基盤」をつくる活動をしよう!
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