本記事は、伊庭正康氏の著書『できる営業は、「これ」しかやらない 短時間で成果を出す「トップセールス」の習慣』(PHP研究所)の中から一部を抜粋・編集しています

「お客様マニア」になれているか?

お客様
(画像=takahiro.048/PIXTA)

100冊の本を読むだけでは、トップセールスにはなれない。お客様を知り、提案に活かすべく100冊読めば、トップセールスへの門は開く。

●お客様に興味を持てないのは致命的

「お客様のことに興味が持てない」といった悩みを聞くことがあります。

私は営業する上で、これは致命的だと感じます。

「患者」に興味を持てない「医者」、
「生徒」に興味を持てない「先生」、
「従業員」に興味を持てない「社長」、
そして、「顧客」に興味を持てない「営業」。

興味を持てないと、いくら知識をつけてもうまく活かせないでしょう。

いくら100冊の本を読んで、知識はバッチリだとしても、お客様のことに興味が持てない営業だとしたら、お客様は満足しません。

では、お客様に関心が持てないときはどうすればよいでしょうか。

簡単です。もっとお客様のことを知ることです。

ここでは、お客様に関して知るべき「3つの観点」について紹介をします。

●「人マニア」になる

個人営業はもちろん、法人営業においても、お客様の「人として」の面に興味を持つことは絶対に必要です。

次の観点で知ると、“人となり”が見えてきます。

・お客様の「過去」を知る(どんな経験をされてきたのか)
・お客様の「現在」を知る(どんなことに注力されているのか)
・お客様の「未来」を知る(やってみたいこと、ありたい状態)

私も経験があります。

ぶっきらぼうで怖い社長のお客様がいらっしゃいました。

少し雑談ができそうな雰囲気になったので、聞いてみました。

「社長はどうして、今のご商売を始められたのですか?」(過去)

すると、「もともとは暴走族で、その後、営業マンをしていた」とのこと。俄然、興味津々になり、「どうして、そこからここまで?」と経緯をうかがうことに。

その流れで、社長の今の趣味がクラシックの音楽鑑賞であることや、ゴルフを始めたけれどスコアの平均が130でセンスがないといった隠れた一面も知りました(現在)。

さらに、「今後は会社をもっと大きくしていきたい」(未来)という夢をうかがってからは、社長をただの「顧客」としてではなく、「人」として興味を持つようになったことを思い出します。

すべてのはじまりは、知ることでしかありません。

●「商品マニア」になる

お客様が「どんな商品」を「どんな思い」で使っているのか、について詳しく聞いてみるといいでしょう。次のことを聞いてみてください。

・「どんな商品」を使い、どんな「評価」をしているのか?
・「3つの不(不便なこと、不満なこと、不安なこと)」はないのか?
・「もっとこうなると嬉しい」と思っていることはないのか?

現在の私は営業を受ける立場ですが、これらの質問を受けたことはほとんどありません。営業をしてきたからということもあるのでしょうが、私はこう判断します。

「この人は売ることに興味はあるけど、顧客には関心がないのだな…」と。

それでも、10人に1人ぐらいは関心を持ってくれる人がいます。

そのような人にはプロ意識を感じますし、やはり良い仕事をしてくださるので、私は紹介もしますし、惜しみなく発注もします。

さて、確認です。あなたは、すべてのお客様に進んで「不」を聞いているでしょうか。

実は、案外、そのことを聞くのに勇気がいるのも事実。

でも、そこを怖がっていてはいけないのです。ぜひ聞くようにしてみてください。

●「会社・事業マニア」になる(法人営業の場合)

法人営業の場合は、「会社」についても知る必要があります。

その会社の従業員になったレベルで、その会社のことを知ろうとし、愛着を持つことにトライをしてみてください。トップセールスの多くはそうしています。

具体的には、次の内容を教えていただくといいでしょう。・設立年、創業のいきさつ

・過去の主力商品、現在の主力商品、これから伸ばそうとしている商品
・消費者の変化(年齢、嗜好など)
・ライバル企業の動き、新規参入の兆きざしはないのか
・今、課題とされていること(事業レベル、マネジメントレベル、業務レベル)

ホームページにほとんどのことが載っていますので、まずは確認しておきましょう。その上で、あとは実際の状況をお客様に教えてもらうのです。

こちらが興味を持つと、いろいろなことを教えてくださいます。

営業マン時代、こんなことがありました。あるレストランチェーンのお客様でした。

創業の地は都会の一等地。それは、創業者のお母様の唯一のアドバイスによるものでした。なけなしのお金で、一等地に4畳半の狭小なお店を開業。すると、大繁盛。

その後、店舗を増やし、その時期に今の幹部の皆様が入社。

様々なぶつかりあいもあったものの、決めたことがあると言います。

「たとえ薄利になっても、食材の原価は落とさない。味の追求への気概にブレはなく」

そのこだわりが圧倒的な競争優位性につながり、今では100店舗の会社に…。

そうしたお話をうかがって、すっかりファンになりました。

営業はお客様のファンにならないと務まらないと感じます。

ビジネス知識の勉強も大事です。でも、お客様のことを好きになることが先。

興味を持てないと、まず良い仕事はできません。

【Point】
お客様のことを知らずして、他の知識を蓄えても、それはしょせん机上の学習でしかない。

できる営業は、「これ」しかやらない 短時間で成果を出す「トップセールス」の習慣
伊庭正康(いば・まさやす)
株式会社らしさラボ代表取締役。1991年、リクルートグループ入社。求人事業の営業に配属。営業としては致命的となる人見知りを、4万件を超える訪問活動を通じ克服。年間を通じての全国トップ表彰を、プレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で4回受賞。社内表彰は累計40回以上。その後、営業部長、関連会社の代表取締役を歴任。2011年、研修会社「らしさラボ」を設立。営業力強化、リーダーシップ、フォロワーシップ、タイムマネジメント、ストレス対策などの研修・講演・コーチングを実施。特に、その人「らしさ」を活かし、営業マンや営業リーダーのパフォーマンスを飛躍的に向上させる手法が評判を呼び、年間約200回の企業研修を行っており、そのリピート率は9割を超える。また、誰もが受講でき、世界5,000万人が受講するWebラーニング「Udemy」でも、営業をはじめとしたコンテンツを提供。ベストセラーコンテンツとして紹介されている。著書に、『できるリーダーは、「これ」しかやらない』『トップ3%の人は、「これ」を必ずやっている』(ともにPHP研究所)、『目標達成するリーダーが絶対やらないチームの動かし方』(日本実業出版社)、『結果を出す人がやっている! 仕事を「楽しくする」方法』(明日香出版社)ほか多数。日本経済新聞、ビジネス誌から女性誌まで、幅広くマスコミでも紹介されている。※無料メールセミナー(全8回)「らしさラボ無料メールセミナー」、YouTube:研修トレーナー伊庭正康の「ビジネスメソッド」も好評。

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