本記事は、今蔵ゆかり氏の著書『自分も幸せ まわりも幸せ 上機嫌に働く67のコツ』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。

ジャッジメントミス
(画像=mirtmirt/Shutterstock.com)

メールは即レスよりもメリハリ

  • メールを受け取ったらすぐに返信。それが、仕事ができる人です。
  • メールを見るのは1日何回と決める。それが、仕事ができる人です。

どちらの意見も”なるほど“と思いますね。

さて、あなたはどちらを採用しますか?

私は正直、どちらもアリで、どちらもナシではないかと思っています。

その人の立場・職種・相手先・キャラクターによって、望ましい方法は異なります。

とはいっても「果たしてどっちがいいのかな?」ということで、実際に試してみました。

その結果、3つのパターンをミックスしたのが最適ではないか、と実感しています。

私が実践した3つのパターンをご紹介しましょう。

1. 1時間に1度はメールをチェックします。

2. 件名にサッと目を通して、回答が必要なものには返信をします。

ただ、返信するものは、3つのパターンに分けます。

  • 【緊急を要するもの】は、今答えられる範囲での、精一杯の回答をします。
  • 【緊急を要していないもの】に関しては、このようなメールを送ります。

「メール拝受しました。改めて回答させていただきます」。可能であれば、「18時までに」と、いつ頃までに回答できるかを記載すると、安心感・信頼度はグッとアップします。

こう返信することで、相手は「無事に届いているな」と安心します。

  • 【簡単に回答できるもの】は、即返信します。

「3日の企画会議、参加できます」「欠席です」など、一瞬で終わります。

急ぎでない内容でも、出席欠席をまとめる人にとっては、一人でも早めに回答をもらえると助かるものです。

3.仕事の区切りのいいタイミングで、返信の必要があるものに返信します。

特におすすめしたいのは、1.2です。

1.2を徹底していると「今蔵さんは連絡がスムーズで安心です」「即、出欠の回答をいただけて大助かりです」と喜んでいただくことが増えました。

自分のペースを乱さず信頼と安心を保ち、上機嫌で仕事ができるのでおすすめです。

TIPS
メールは内容によって即レスか24時間内レスかを判断しよう

アポ取りはこちらの候補を3つ出す

取引先と日程調整をする際、「相手の予定を優先的にうかがうことがマナーですよ」と、先輩上司から学んできたのではないでしょうか。

あなた「〇〇様のご都合のいい日をお聞かせください」。

相手「では、9日の午前中はいかがでしょうか?」

あなた「申し訳ございません。9日は予定がありまして、8日はいかがでしょう?」

相手「すみません、8日は終日予定がありまして…」。

何往復かやりとりが続き、ようやく日時が決定です。

口頭だとさほど感じませんが、メールだとかなりの時間のロスになります。

「ご都合のいい日をお聞かせください」、これは相手への気配りです。

ですが、ある人とのやりとりで、時に相手をイラつかせることでもあると知ったのです。

それは、超多忙で有名な方と、日程調整をした時のこと。

思い切って最初のメールに、こちらの都合のいい3つの日時を投げかけてみたのです。

【上記の中で、ご都合のいい日程がございましたら、ご決定でお願いいたします。

もしなければ、ご都合のいい日程を3候補ほどいただけますと幸いです。】

“自分から日程を投げかけるなんて、失礼じゃないかな? 気を悪くされないかな?”

内心ドキドキでしたが、それが即決! 予想外の展開だったのです。

「では、〇日〇時にお願いします。候補を出してもらえると、返事がしやすくて助かります」。

「こちらの都合を先に申し上げて、失礼ではありませんでしたか?」とお聞きし、返ってきたその言葉に大きな気づきをいただいたのです。

多忙な人ほど、余計な手間をとりたくないんです。提示された選択肢の中から選ぶほうが、考えなくて済むのでありがたいんですよ」。

この発想は、今まで私の中になかったので、大きな発見でした。

それ以降“これは使えるな”とフル活用していますが、「すぐに予定が決まるので助かります」と、職場でも、プライベートでもなかなかの好評を得ています。

相手に喜ばれる決め手は、相手の手間をいかに取らせないかということです。

TIPS
相手との約束はこちらの都合を先に提示し選択してもらおう

指示はお互い復唱してミスを防ごう

指示が相手にうまく伝わらず、何度もやり直してもらうことになる。

「どうして、彼女は指示したとおりに、仕事ができないんだろう?」

逆の立場では「あの人の指示は、わかりにくくて、つい勘違いでミスしてしまう」。

ミスややり直しは、時間のロスを出し、気持ちもイライラしてきます。

これでは、上機嫌どころかお互いに不機嫌になってしまいます。

私が以前、コンサルティングをさせていただいた生命保険会社では、このようなすれ違いがしょっちゅう起こり、問題となっていました。

生命保険会社は、女性が多い職場です。

部下「〇〇先輩は、私には意地悪でちゃんと指示してくれない」。

上司「〇〇さんは、何度いっても指示通りに仕事をしてくれなくて手がかかる」。

それぞれ、自分に問題はなく、相手に問題があると思って譲りません。

この問題の解決法は、とてもシンプルです。

それは、指示側、受ける側が、”その場で復唱して確認しあう“こと。

指示する側は

「今私がお願いしたことを、実際にどのようにやるのか、説明してみてください」。

指示を受ける側は

「今お願いされたことは…と認識しましたが、これで合っていますか?」

その場でお互いが言葉に出して、復唱し確認をします。

万が一、勘違いや間違いがあった場合、即その場で訂正することができます。

うまく伝わっていない場合、指示する側は「私の説明では、この部分が言葉足らずでわかりにくいのか。もっと具体的に表現しないといけないな」と、改善したらいい部分がわかるので、どんどん指示の仕方がうまくなります。

そうすることで、余計なミスやイライラもなくなります。

その後、この生命保険会社は”指示の復唱“を徹底した成果が表れ、今ではミスや時間のロスが減って、人間関係もグッと改善されています。

ほんの少しの工夫で、ストレスが減り、上機嫌で仕事ができるようになるのです。

TIPS
”お互いに復唱して確認する“までが指示の1セットと心得よう
上機嫌に働く67のコツ
今蔵ゆかり(いまくら・ゆかり)
オフィスY’s room 代表/人材育成・セルフマネジメント・仕事効率化コンサルタント。
大阪府出身。新卒で、TSUTAYA の本部会社である、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社設立時に入社。役員秘書、営業企画等を経験。社員10名の頃から社長の傍らにて、「成果をあげる仕事術」「マインド」「段取り力」等の大切さをみっちり学ぶ。アメリカン・エキスプレス・インターナショナル, Inc. に移り、加盟店営業部・法人営業部などの業務に従事。2009年に独立し、オフィスY’s room を設立。一流の人からの学び、培った経験をベースに、「先読み力」「選択力」「整理力」「感情コントロール」を組み合わせた、独自のセルフマネジメントメソッドを構築。現在は、講師として、全国の企業・商工会議所・クリニックなどで研修・講演に登壇しており、受講数は5600社の企業・57000人にのぼる。即実践でき、具体的で再現性ある内容が好評を得ており、講演のリピート率も高い。会社・社員・お客様が上機嫌になる職場づくりをサポートをしている。経営者・管理職・院長・働く女性の上機嫌マネジメント個人コンサルティングも行っている。モットーは「上機嫌な人は仕事もプライベートもうまくいく」。著書に『みんなに必要とされている人の“ひと工夫” の習慣』(クロスメディア・パブリッシング社、中国語翻訳版もあり)。

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