本記事は、今蔵ゆかり氏の著書『自分も幸せ まわりも幸せ 上機嫌に働く67のコツ』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
メールは即レスよりもメリハリ
- メールを受け取ったらすぐに返信。それが、仕事ができる人です。
- メールを見るのは1日何回と決める。それが、仕事ができる人です。
どちらの意見も”なるほど“と思いますね。
さて、あなたはどちらを採用しますか?
私は正直、どちらもアリで、どちらもナシではないかと思っています。
その人の立場・職種・相手先・キャラクターによって、望ましい方法は異なります。
とはいっても「果たしてどっちがいいのかな?」ということで、実際に試してみました。
その結果、3つのパターンをミックスしたのが最適ではないか、と実感しています。
私が実践した3つのパターンをご紹介しましょう。
1. 1時間に1度はメールをチェックします。
2. 件名にサッと目を通して、回答が必要なものには返信をします。
ただ、返信するものは、3つのパターンに分けます。
- 【緊急を要するもの】は、今答えられる範囲での、精一杯の回答をします。
- 【緊急を要していないもの】に関しては、このようなメールを送ります。
「メール拝受しました。改めて回答させていただきます」。可能であれば、「18時までに」と、いつ頃までに回答できるかを記載すると、安心感・信頼度はグッとアップします。
こう返信することで、相手は「無事に届いているな」と安心します。
- 【簡単に回答できるもの】は、即返信します。
「3日の企画会議、参加できます」「欠席です」など、一瞬で終わります。
急ぎでない内容でも、出席欠席をまとめる人にとっては、一人でも早めに回答をもらえると助かるものです。
3.仕事の区切りのいいタイミングで、返信の必要があるものに返信します。
特におすすめしたいのは、1.2です。
1.2を徹底していると「今蔵さんは連絡がスムーズで安心です」「即、出欠の回答をいただけて大助かりです」と喜んでいただくことが増えました。
自分のペースを乱さず信頼と安心を保ち、上機嫌で仕事ができるのでおすすめです。
- TIPS
- メールは内容によって即レスか24時間内レスかを判断しよう
アポ取りはこちらの候補を3つ出す
取引先と日程調整をする際、「相手の予定を優先的にうかがうことがマナーですよ」と、先輩上司から学んできたのではないでしょうか。
あなた「〇〇様のご都合のいい日をお聞かせください」。
相手「では、9日の午前中はいかがでしょうか?」
あなた「申し訳ございません。9日は予定がありまして、8日はいかがでしょう?」
相手「すみません、8日は終日予定がありまして…」。
何往復かやりとりが続き、ようやく日時が決定です。
口頭だとさほど感じませんが、メールだとかなりの時間のロスになります。
「ご都合のいい日をお聞かせください」、これは相手への気配りです。
ですが、ある人とのやりとりで、時に相手をイラつかせることでもあると知ったのです。
それは、超多忙で有名な方と、日程調整をした時のこと。
思い切って最初のメールに、こちらの都合のいい3つの日時を投げかけてみたのです。
【上記の中で、ご都合のいい日程がございましたら、ご決定でお願いいたします。
もしなければ、ご都合のいい日程を3候補ほどいただけますと幸いです。】
“自分から日程を投げかけるなんて、失礼じゃないかな? 気を悪くされないかな?”
内心ドキドキでしたが、それが即決! 予想外の展開だったのです。
「では、〇日〇時にお願いします。候補を出してもらえると、返事がしやすくて助かります」。
「こちらの都合を先に申し上げて、失礼ではありませんでしたか?」とお聞きし、返ってきたその言葉に大きな気づきをいただいたのです。
「多忙な人ほど、余計な手間をとりたくないんです。提示された選択肢の中から選ぶほうが、考えなくて済むのでありがたいんですよ」。
この発想は、今まで私の中になかったので、大きな発見でした。
それ以降“これは使えるな”とフル活用していますが、「すぐに予定が決まるので助かります」と、職場でも、プライベートでもなかなかの好評を得ています。
相手に喜ばれる決め手は、相手の手間をいかに取らせないかということです。
- TIPS
- 相手との約束はこちらの都合を先に提示し選択してもらおう
指示はお互い復唱してミスを防ごう
指示が相手にうまく伝わらず、何度もやり直してもらうことになる。
「どうして、彼女は指示したとおりに、仕事ができないんだろう?」
逆の立場では「あの人の指示は、わかりにくくて、つい勘違いでミスしてしまう」。
ミスややり直しは、時間のロスを出し、気持ちもイライラしてきます。
これでは、上機嫌どころかお互いに不機嫌になってしまいます。
私が以前、コンサルティングをさせていただいた生命保険会社では、このようなすれ違いがしょっちゅう起こり、問題となっていました。
生命保険会社は、女性が多い職場です。
部下「〇〇先輩は、私には意地悪でちゃんと指示してくれない」。
上司「〇〇さんは、何度いっても指示通りに仕事をしてくれなくて手がかかる」。
それぞれ、自分に問題はなく、相手に問題があると思って譲りません。
この問題の解決法は、とてもシンプルです。
それは、指示側、受ける側が、”その場で復唱して確認しあう“こと。
指示する側は
「今私がお願いしたことを、実際にどのようにやるのか、説明してみてください」。
指示を受ける側は
「今お願いされたことは…と認識しましたが、これで合っていますか?」
その場でお互いが言葉に出して、復唱し確認をします。
万が一、勘違いや間違いがあった場合、即その場で訂正することができます。
うまく伝わっていない場合、指示する側は「私の説明では、この部分が言葉足らずでわかりにくいのか。もっと具体的に表現しないといけないな」と、改善したらいい部分がわかるので、どんどん指示の仕方がうまくなります。
そうすることで、余計なミスやイライラもなくなります。
その後、この生命保険会社は”指示の復唱“を徹底した成果が表れ、今ではミスや時間のロスが減って、人間関係もグッと改善されています。
ほんの少しの工夫で、ストレスが減り、上機嫌で仕事ができるようになるのです。
- TIPS
- ”お互いに復唱して確認する“までが指示の1セットと心得よう