本記事は、今蔵ゆかり氏の著書『自分も幸せ まわりも幸せ 上機嫌に働く67のコツ』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
自己肯定貯金で自分を褒める習慣を持とう
自分の人生のシナリオをつくるのは、自分です。
自分が人生の監督になると、人生はうんと楽しい! そう思いませんか?
自分を最優先で愛しむことで、上機嫌な自分でいることができるのです。
私たち日本人は、自己肯定感の低い人が多いといわれています。
内閣府が若者を対象に行った調査では、諸外国では80%以上の人が自己肯定している中、日本では40%台と、ダントツに低いことがわかります。
原因は、日本の慣習にあるのではないかな? と考えています。
- 他人に迷惑をかけてはいけない、他人の気持ちを考えよう、と育てられてきたこと。
- 「わたしなんて、まだまだ…」と謙遜することが、美徳とされてきたこと。
日本の奥ゆかしい慣習ですが、裏を返せばこれが、私たちの自己肯定感を低くしているもとになっていると感じています。
他人軸で謙遜ばかり、自分のことは置いてきぼりなんて、もったいないです。
「自分の人生、自分の機嫌は自分でとる」 でなくっちゃ。
そのために、楽しみながら自己肯定貯金をしていきましょう。
自己肯定貯金のポイントは、2つです。
1つめは、褒めるハードルをう~んと、低くさげること。そう、う~んとです。
「毎朝、遅刻せずに出勤するなんて、私ってえらい」。
「苦手な上司の指示に従うなんて、大人だわ、私ってすごい」。
褒めちぎっていると、どんどん上機嫌になります。
2つめは、ダメな自分を否定しない、ダメな自分をまるごと認めること。
自分にダメな部分があったとしても、
「まっ、それくらい、いいじゃないの。これが私なんだから」と。
この2つで自己肯定貯金を貯めていきましょう。
誰にも迷惑をかけるわけでもなく、お金も必要ありません。簡単でしょ!
私の周りの上機嫌な人はみなさん、この2つをしっかりと押さえています。
「そこ褒める?」とクスっとするほど小さなことを、大きく褒めていたりしますからね。
- TIPS
- 自分の褒め褒めラインはうんと低く設定しよう
「ありがとう」「ラッキー」でハッピー思考に
上機嫌な人は、口ぐせがとっても心地よいです。
自分が発する言葉が、そのまま自分や周囲の人に影響を与えることを知っているのです。
自分がハッピー思考になる口グセと、アンハッピー思考になる口グセがあります。
いくつか例をご紹介しますので、比較してみてくださいね。
そして自分はどちらの思考が多いかな? と自己チェックしてみましょう。
【仕事でミスをしてしまった時】
「わぁ、どうしよう、大変なことをしてしまった。私ってやっぱりダメだわ」。
「今、失敗しておいてよかった。次は同じ失敗をしないようにしよう。勉強になったわ」。
【チャレンジしていたことが残念な結果に終わった時】
「あぁ~やっぱり、私ってホントついてないわ」。
「今回は、私には縁がなかったということ、次にもっといいチャンスがくるぞ」。
【出かける寸前にドタキャンの連絡が入った時】
「マジですか? ドタキャンって最悪~。いったいどういうつもり?」
「家を出る寸前でよかった! 仕方ない、久しぶりに昼寝でもしようかな」。
【朝起きたら雨が降っていた時】
「雨が降ってる~! いやだわ、鬱陶しいわぁ」。
「雨かぁ、乾燥してたから、肌が潤ってちょうどいいかも」。
状況は同じでも、捉え方や口グセを変えるだけで、随分印象が違いますね。
ハッピー思考でいると、モヤモヤとしたものが、サッとクリアになる。
どんよりした重い空気が、フッと軽くなる。そう感じませんか?
明石家さんまさんは、しくじった時は、ここぞとばかりに大喜びされるそうです。
「美味しいわぁ、これで明日のええネタができたわぁ」と。
「美味しいわぁ」とは、関西ならではの「よっしゃ! しめしめ」という感覚です。
嫌なことが起きた時は、このニュアンスで捉えてみると、ハッピー思考になれますね。
- TIPS
- 失敗した時は関西人の「美味しいわぁ~」の感覚で捉えてみよう
モチベーションはあげずに保てばいい
モチベーションは無理にあげる必要はありません。
モチベーションは、アップダウンが少なく安定していることが最強なのです。
それができる人が、上機嫌力の高い人です。
職場では、モチベーションが高い人が好まれ、望まれる傾向があります。
中には、モチベーションとアピール度の高さを、同じに捉えている人がいます。
「こんなに一生懸命頑張っています」「日々忙しく走り回っています」。
これは、アピール度が強めな人です。モチベーションの高さとは違います。
パッと見は情熱を感じなくても、淡々と落ち着いて仕事をこなしている人。
これはモチベーションが安定している人です。
私は昔から、典型的なアピールが苦手なタイプでした。
以前、勤務先にとにかく”アピール強めがお好き“な上司がいました。
「仕事してるのか? もっと仕事に熱くなれよ」と言われムッとしたことがありました。
「仕事はちゃんとしているのに、アピール度が高くないと評価されないのかな?」
少しだけ悩んだこともありましたが、心から尊敬している方が、私にかけてくれた言葉で一気に救われたのです。それは、こんな言葉でした。
「仕事で信頼できるのは、いつも安定している人です」。
「情熱的な人は、調子がいい時はいいのですが、落ち込むと同じように派手に沈みます。そのたびに周囲は振りまわされます。頼りにしていたのに、困ったな。これでは信用できないな、ということになります」。
「その点、安定感がある人は、仕事も感情も派手な凸凹がない分、圧倒的な信頼感があります。何よりそんな人の一番の強みは、自分で自分を信頼していることだと思います」。
この言葉がスッーと心地よく胸にしみ、心が晴れやかになったのです。
「そうそう、確かにそのとおり。わかってくれる人はちゃんといるんだ」。
モチベーションは、アップダウンが少なく安定していることが最強です。
そんな人が、自己肯定感も高く上機嫌でいることができるのです。
”モチベーションは高くないといけない“は、ある意味正解とはいえないのです。
- TIPS
- モチベーションは安定させることを心がけよう