カーボン・オフセットで企業価値が向上する?いま知っておきたい現状や課題、導入事例をまとめて紹介
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環境問題が重視される現代では、カーボン・オフセットを導入する企業が増えている。業界によっては欠かせない概念となりつつあるが、導入前には正しい知識を身につけることが重要だ。関連する制度を効果的に活用するために、現状や事例などをチェックしていこう。

目次

  1. カーボン・オフセットは企業のイメージアップにつながる?
    1. カーボン・オフセットの考え方
    2. カーボン・オフセット宣言とは?
  2. どんな取り組みが対象に? カーボン・オフセットの4つの手法
    1. 1.オフセット製品・サービス
    2. 2.会議・イベントのオフセット
    3. 3.クレジット付製品・サービス
    4. 4.寄付型オフセット
  3. カーボン・オフセットの現状と課題
    1. カーボン・オフセットはすでに世界中に浸透、制度が拡充される可能性も
    2. カーボン・オフセットが企業の環境破壊を助長するリスクも
  4. 導入事例から学ぶカーボン・オフセットのポイント
    1. 【事例1】カーボンオフセット・ユニフォームの製造/ミドリ安全株式会社
    2. 【事例2】見える化や削減努力の徹底/キヤノン株式会社
    3. 【事例3】環境配慮型プライベートブランドの立ち上げ/株式会社ファミリーマート
    4. 【事例4】ポイントプログラムを活用した寄付型オフセットの実施/株式会社ローソン
    5. 【事例5】ホームゲーム約100試合分のCO2をオフセット/株式会社エスパルス
  5. カーボン・オフセットは企業のイメージアップやブランディングにつながる

カーボン・オフセットは企業のイメージアップにつながる?

パリ協定やSDGsなどが採択された影響で、世界中で環境問題に対する意識がますます強まっている。なかでも地球温暖化は深刻視されており、パリ協定では気温上昇に関する具体的な目標値が定められた。

カーボン・オフセットの考え方

このような状況下で近年注目されているものが、「カーボン・オフセット」と呼ばれる概念だ。カーボン・オフセットとは、企業などが自ら排出する温室効果ガスの量を、以下のような形で埋め合わせて削減(オフセット)する考え方を指す。

  • 温室効果ガスの排出量を削減するための活動に取り組む
  • ほかの企業などが実現した、温室効果ガスの削減量や吸収量(クレジット)を購入する

カーボン・オフセットを実施すると、有害物質を多く排出する工場などでも温室効果ガスの削減目標を達成しやすくなる。ただし、カーボン・オフセットは「自らが排出した温室効果ガスの量を認識すること」と「排出量の削減努力をすること」を前提とした概念なので、安易に埋め合わせの手段として活用すべきではない。

つまり、企業などがどうしても減らせない温室効果ガスを、別の観点から減らすための代替手段と言い換えられる。

近年では「ESG投資」と呼ばれる言葉が誕生し、環境の視点から投資先を選ぶ投資家も増えてきた。また、一般消費者が環境に優しい商品・サービスを選ぶことも十分に考えられるため、特に温室効果ガスを排出する事業に携わっている経営者は、これを機にカーボン・オフセットの基礎知識を身につけておくことが重要だ。

カーボン・オフセット宣言とは?

温室効果ガスとの関連性が強い企業は、環境省が実施する「カーボン・オフセット宣言」と呼ばれる制度も押さえておきたい。この制度の適用要件を満たすと、カーボン・オフセットに関する取り組みを社会全体に公表してもらえる。

ただし、企業がカーボン・オフセット宣言を行うには、以下の取り組みを行うことが必要だ。

○カーボン・オフセット宣言の3つの取り組み

カーボン・オフセットで企業価値が向上する? いま知っておきたい課題、導入事例をまとめて紹介

これらの取り組みを行った上で環境省に申請すると、専用のウェブサイトで取り組み内容を公表してもらえる。企業のイメージアップにつながる制度なので、カーボン・オフセットに取り組む企業はぜひ利用を検討しておきたい。