欲求の傾向は地域によって異なる? 今の日本で意識しておきたい欲求とは

マズローの欲求5段階説をマーケティングにとり入れる際には、「欲求の地域差」に目を向けることも重要だ。例えば、衣食住が不安定な発展途上国では多くの人が生理的欲求を抱えているが、先進国で強い生理的欲求を抱えている人は少ない。

では、日本国内でビジネスを成功させるには、どの欲求に目を向けるべきだろうか。現代の日本は生理的欲求と安全欲求が満たされた状態の人が多く、その次の階層にあたる「社会的欲求」や「承認欲求」を抱える人が多いと言われている。

これらの欲求が大きなニーズにつながっていることは、SNSや動画配信サービスが流行していることからも分かる。特に両方の欲求を満たせるSNSは、今や先進国を中心に世界中のユーザーを抱えている。

社会的欲求や承認欲求を完全に満たすことは難しいため、今後もしばらくはこの2つの欲求に目を向けることが重要になるだろう。

具体的な欲求まで絞り込み、アプローチしやすい商品・サービスの開発を

マーケティングの際にマズローの欲求5段階説を意識すると、ターゲット層にアプローチしやすい商品・サービスを開発しやすくなる。ただし、地域や年代、時代によって欲求の傾向は変わってくるため、ターゲットとなる欲求は具体的なものまで絞り込むことが重要だ。

また、SNSのように複数の欲求をターゲットにする場合は、それぞれの欲求がどのように関係しているのか、そのメカニズムを慎重に分析していこう。

著:片山 雄平
1988年生まれのフリーライター兼編集者。2012年からフリーライターとして活動し、2015年には編集者として株式会社YOSCAに参画。金融やビジネス、資産運用系のジャンルを中心に、5,000本以上の執筆・編集経験を持つ。他にも中小企業への取材や他ライターのディレクション等、様々な形でコンテンツ制作に携わっている。
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