日本の今年の社長ランキング 2位は孫正義氏、1位は?
(画像=nao5970/stock.adobe.com)

経営者の手腕で企業の業績は大きく変わる。1代で自社を業界大手にまで成長させる経営者もいれば、どん底の赤字からV字回復を果たした経営者もいる。この記事では経営者に焦点を当て、2つのランキングを紹介しながら日本のすごい社長や起業家たちに迫っていきたい。

産業能率大学の「社長が選ぶ 今年の社長 2020」を紹介

1つ目に紹介するランキングが、2020年12月に発表された「社長が選ぶ 今年の社長 2020」だ。このランキングは産業能率大学総合研究所がまとめたもので、従業員が6人以上の企業経営者に2020年の最優秀経営者は誰かを聞いた。では、早速ランキングを紹介していこう

<「社長が選ぶ 今年の社長 2020」TOP10>

日本の今年の社長ランキング 2位は孫正義氏、1位は?
※出典:産業能率大学総合研究所プレスリリース

1位:豊田章男氏(トヨタ自動車)

トヨタ自動車の社長である豊田章男氏は、投票者の年代別のランキングの全てでトップだった。経営に対する理念と手腕の両方に対して高い評価を得ており、「本業を他の分野と結ぶ新しい発想が未来志向で良い」といった投票理由が紹介されている。

2位:孫正義氏(ソフトバンクグループ)

ソフトバンクグループの会長兼社長の孫正義氏が2位だ。ちなみに去年は1位で、孫氏はこの調査が2008年に開始されてからずっと3位以内にランクインしている。投票理由としては「海外と対等に取り引きしながら先進技術に投資している」といった声があったという。

3位:大山晃弘氏(アイリスオーヤマ)

生活用品大手のアイリスオーヤマの大山晃弘社長が3位だった。同社は2020年、コロナ禍でマスクの日本生産をいち早く始めるなど、機敏な動きが印象的である。ちなみに、大山社長は現在まだ43歳と若い。投票理由としては「機動的な経営判断や実行までの意思決定の速さ」など。

Forbes JAPANの「日本の起業家ランキング 2021」を紹介

「社長が選ぶ 今年の社長 2020」では、大手企業の社長が多くランクインしていた。一方、ベンチャーやスタートアップの界隈にも注目されている起業家たちがいる。続いて紹介するのは、Forbes JAPANが2020年11月に発表した「日本の起業家ランキング 2021」だ。

このランキングは2015年から発表されている。早速ランキングを見ていこう。

<「日本の起業家ランキング 2021」TOP10>

日本の今年の社長ランキング 2位は孫正義氏、1位は?
※出典:Forbes JAPAN公式サイト

1位:佐渡島隆平氏(セーフィー)

セーフィーはクラウド録画サービス「Safie」を展開している企業だ。パソコンやスマートフォンなどでカメラの映像をライブもしくは録画で確認できるサービスで、低価格であることを武器にユーザーを増やしている。佐渡島氏が掲げるビジョンは、「映像から未来をつくる」だ。

2位:石山洸氏(エクサウィザーズ)

AI(人工知能)でさまざまな社会課題を解決しようとしているのが、AI企業エクサウィザーズの石山洸氏だ。事業領域は医療やHR(人事)と幅広い。

3位:家入一真氏(CAMPFIRE)

このトップ10の中で、特に知名度が高めなのが家入一真氏だ。国内最大級のクラウドファンディングサイトとして「CAMPFIRE」を展開している。

3位:柴山和久氏(ウェルスナビ)

ウェルスナビの「ウェルス(Wealth)」は「富」という意味だ。つまり「富のナビゲーター」という意味を持つ社名の同社は、資産運用ロボアドバイザーなどの事業を展開している。柴山氏はこの領域ではフロンティアだ。

社長・CEOのランキングは時代を映す鏡

ちなみにアメリカでは、米口コミサイト「グラスドア」による「従業員が選ぶ全米最高のCEO」が話題だ。2021年版の1位は、GoogleのCEOでもなく、AppleのCEOでもなく、TeslaのCEOでもなく、ボストン・コンサルティング・グループのリッチ・レッサー氏だった。

社長やCEOのランキングは時代を映す鏡でもある。今どのような業種が熱く、そして経営者のどのようなスタイルが評価されているかが分かるからだ。興味がある人はこのようなランキングにぜひ今後注目してみてはいかがだろうか。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)

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