所得証明書と収入証明書、納税証明書の違い

所得証明書には混同しやすい書類がいくつかあり、発行するものを誤ると手続きを進められないことがある。ここでは、所得証明書と収入証明書、納税証明書の違いを解説する。

収入証明書は収入を証明する書類の総称

収入証明書は、労働の対価として得た収入金額や、その年の納税額を証明する書類である。決まった項目やフォーマットは特に存在せず、収入を証明する書類の総称として「収入証明書」という名称が使われている。

つまり、所得証明書は収入証明書の一種であるため、使用するシーンや記載内容に違いはない。

納税証明書は納税の事実を証明するための書類

納税証明書は、税金を納めたことを証明するための書類だ。国税に関するものは税務署で、地方税に関するものは市区町村で発行できる。

なお、年間の所得金額が一定以下の場合は、住民税が非課税になることを証明する「非課税証明書」が発行される。提出先にもよるが、非課税証明書を所得証明書として使用できるケースもある。

所得証明書を発行する方法

所得証明書の発行場所は、主に市区町村や税務署、勤務先、コンビニに分けられる。どのような方法で発行するのか、各申請先で入手できる書類と併せて紹介しよう。

市区町村での発行方法(納税証明書、確定申告書、支払明細書など)

市区町村役場では、所定の手続きをすると納税証明書や確定申告書、支払明細書などを発行してもらえる。手続きの流れは交付申請書に必要事項を記入し、窓口に提出をするだけだが、自治体によっては顔写真付きの本人確認書類と印鑑が必要になる。

また、基本的には数百円の交付手数料がかかるため、現金の持参も忘れないようにしたい。

税務署での発行方法(納税証明書、確定申告書、収支内訳書、支払明細書など)

税務署では納税証明書の他、確定申告に係る書類を発行できる。

納税証明書の手続きでは、必要となる書類の種類や税目、年分、枚数を事前に確認し、交付請求書を窓口に提出する。郵送でも手続きは可能だが、その場合は収入印紙が必要になるため注意しておきたい(来署の場合は現金でも可)。

確定申告書や収支内訳書については、税務申告の際に控えを入手できる。控えを紛失した場合は、管轄の税務署に問い合わせるか、e-Taxの申告書等情報取得サービスを利用すれば、該当年の書類を発行してもらえる。

勤務先での発行方法(源泉徴収票、支払調書)

源泉徴収票や支払調書、給与明細書などを発行したい場合は、勤務先の担当部署に問い合わせる。中でも源泉徴収票は会社側に発行の義務があるため、紛失した場合でも再発行をすることが可能だ。

再発行にあたって法定手数料はかからないが、遠方から請求する場合は郵送料を求められる可能性がある。

コンビニでの発行方法(納税証明書など)

コンビニ交付サービスを実施している自治体では、納税証明書などを近くのコンビニで発行できる。各種証明書の発行手順は以下の通りだ。

<コンビニで所得証明書を発行する手順>
1.マルチコピー機の「行政サービス」を押す
2.証明書交付サービスへと進む
3.マイナンバーカードを読み取る
4.市区町村を選択する 5.暗証番号を入力し、マイナンバーカードを取り外す
6.必要な書類を選択し、必要事項を入力する
7.発行内容を確認し、料金を支払う

なお、自治体や利用するコンビニによって、発行できる書類や手続きには違いがある。