中期戦略と長期戦略の違い

経営戦略の種類については、「中期戦略」と「長期戦略」の違いも押さえておきたい。中長期戦略とひとくくりにされる場合もあるが、一般的に中期戦略と長期戦略は以下のように分けられている。

・中期戦略…実行に3~5年ほどかかる計画。
・長期戦略…実行に5~10年ほどかかる計画。

基本的に中期戦略は長期戦略を細分化したものであり、長期戦略のブレークダウンとして策定されることが多い。また、長期戦略では全社的な達成目標を設定し、会社が今後進むべき方向を固めていく。

いずれも経営面では重要なものだが、実は中小企業にとっては必要不可欠ではない。例えば、従業員が20人未満の小規模な企業では、経営者が直接意向を伝えたほうが早いので、短期戦略(1年未満で実行できる戦略)でも事足りる可能性がある。

ただし、投資家や金融機関などの外部にアピールしたい場合は、将来のビジョンが分かりやすい中期戦略・長期戦略が必要になるため、小規模な企業であってもこれらの戦略をしっかりと策定していこう。

情報収集や分析にも力を入れて、質の高い経営戦略を

経営戦略を立てる際には、全体の構図を強くイメージする必要がある。すべての戦略が企業戦略の実現へとつながるものを策定できれば、理想的な経営体制をより整えやすくなるだろう。

多くの時間を費やすことになるが、そもそも手間をかけなければ質の高い経営戦略は策定できない。情報収集や分析にもしっかりと力を入れて、社内外から評価される経営戦略を考えていこう。

著:片山 雄平
1988年生まれのフリーライター兼編集者。2012年からフリーライターとして活動し、2015年には編集者として株式会社YOSCAに参画。金融やビジネス、資産運用系のジャンルを中心に、5,000本以上の執筆・編集経験を持つ。他にも中小企業への取材や他ライターのディレクション等、様々な形でコンテンツ制作に携わっている。
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