営業利益・営業利益率を経営に活かす方法

自社の営業利益・営業利益率を把握しただけでは、経営状況を改善することはできない。計算・比較したデータを経営面へと活かすには、以下のような方法で中長期的な計画や目標まで落とし込む必要がある。

各事業のデータを比較し、コア事業を見極める

事業ごとの売上高や経費が判明している場合は、各事業の営業利益・営業利益率を比較することが可能になる。この分析をしておけば、収益性の高い事業とそうでない事業を区別できるので、事業の選択と集中が容易になるはずだ。

経営資源が限られている中小企業にとって、注力すべきコア事業を見極められる意味合いは大きい。さらに経営資源の分配まで行っておくと、各事業における現実的な利益目標まで立てられるだろう。

複数年分のデータをモニタリングし、正しい方向性を判断する

複数年分の営業利益・営業利益率をモニタリングすると、会社の正しい方向性が見えてくる。

例えば、これらのデータをグラフ化したものが下落傾向にある場合は、会社の収益力と競争力がダウンしていることになる。つまり、早急に何らかの対策を立てなければ、同じ業界で今後も生き残ることは難しい。

一方で、複数年分の推移が上昇していれば、会社は正しい方向に向かっていることが分かる。
このように、営業利益・営業利益率は経営の方向転換に活用できるため、定期的に複数年分のデータを分析するようにしたい。

営業利益・営業利益率を改善する手段

最後に、営業利益・営業利益率を改善する手段を紹介しよう。細かく見ればさまざまな方法があるものの、大まかには以下の3つに分けられる。

1.売上を増やす

中長期的な成長を目指しているのであれば、利益に直接つながる売上を増やすことが望ましい。具体的な方法としては、広告宣伝に力を入れて販売量を増やしたり、単価を上げたりする方法が挙げられるだろう。

ただし、どの方法にもリスクが潜んでおり、例えば広告宣伝に力を入れると販管費がかさんでしまう。単価を上げる方法についても、場合によっては顧客離れや競争力低下を引き起こすため、値上げのタイミングや金額は慎重に検討しなければならない。

また、自社に優れた技術やノウハウがある場合は、新商品・サービスの開発によって売上を伸ばす方法も選択肢になる。

2.原価を抑える

売上を増やすことが難しい場合は、本業における原価の節約を検討したい。仕入れの調整などによって原価を抑えれば、売上純利益を増やすことができるので、仮に売上が増えなくても営業利益・営業利益率は向上していく。

ただし、原価を抑える代わりに商品・サービスの質が下がるようであれば、売上が減少するため逆効果になってしまう。したがって、同じ原料を大量発注したり仕入先を変えたりなど、商品・サービスの質を落とさないような対策を考えることが重要だ。

3.販管費を抑える

営業利益・営業利益率を改善する手段としては、販管費(販売費および一般管理費)の節約も効果的である。販管費にはさまざまな種類があるため、細かく見直せば大きなコスト削減につながるかもしれない。

特に広告宣伝費や人件費などは、見直すべき部分が多いコストと言える。また、地価が高いエリアから移転したり、不要なオフィスを解約したりすれば、毎月発生する地代家賃も抑えられるはずだ。

しかし、強引な解雇やオフィス移転などを実施すると、従業員から強く反発される恐れがある。確かに調整できるコストは多いが、販管費を削り過ぎると思わぬ弊害が生じることもあるので、周囲への影響が小さいものから削減することが重要になる。