業種別ではどの業種で最も後継者不足が顕著?
ちなみに、帝国データバンクの発表では、業種別の後継者不在率も明らかにされているので、参考までに紹介しておこう。
最も後継者不在率が高いのは「建設業」で67.4%だった。逆に、「その他」を除けば「製造業」が53.7%で、全業種の中では最も低い結果となった。2020年との比較で後継者不在率が最も低下したのは「不動産業」で4.7ポイント減だった。
また、帝国データバンクは都道府県別の後継者不在率も算出している。2021年のデータで最も不在率が高かったのは74.9%の「鳥取県」、それに続くのが「沖縄県」で73.3%という結果だ。最も不在率が低かったのは「三重県」で35.8%だった。
コロナ禍が収束したあとの調査データに注目を
今後注目したいのは、新型コロナウイルスが収束したあとの後継者不在率の推移だ。再び後継者不在率が高まれば、国はさらに事業承継問題の対策を拡充する必要が出てきそうだ。
黒字の企業は日本経済にとって大きな財産だ。このような企業がより多く存続していけば、雇用も安定する。帝国データバンクの2022年の調査結果にも注目したい。
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文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)