任天堂、決算で減益も実は好調!? 次の決算で株価が爆上げの可能性も
(画像=wachiwit/stock.adobe.com)

ゲーム大手の任天堂は2022年2月3日、2022年3月期第3四半期の連結業績を発表した。第1~3四半期の累計では売上高は前年同期比6.0%減、純利益は同2.5%減となり、成長ペースが落ちたように見えるが、果たして本当にそうなのか。公表されている決算資料を読み解いていこう。

任天堂の第1〜3四半期の累計の業績は?

以下が任天堂の第1~3四半期(2021年4~12月)の累計の業績だ。冒頭に触れた通り、「売上高」は前年同期比6.0%減の1兆3,202億1,900万円となっており、「純利益」も同2.5%減の3,673億8,700万円にとどまっている。

本業の儲けを示す「営業利益」は同9.3%減の4,725億5,100万円、本業と本業以外の儲けを合わせた「経常利益」も落ち込んでおり、同2.7%減の5,137億9,400万円だった。

任天堂、決算で減益も実は好調!? 次の決算で株価が爆上げの可能性も

これらの数字だけを見れば、「任天堂失速!」といったイメージを持ちたくなるが、一方で任天堂は通期の業績予想を上方修正している。従来、売上高は1兆6,000億円、純利益は3,500億円に着地する予想を立てていたが、それぞれ1兆6,500億円、4,000億円と上積みした。

任天堂は失速したのか?自社ソフトの販売は好調

通期の業績を上方修正できたのは、円安が業績にプラスの効果を与えているほか、Nintendo Switch向けの自社ソフトウェアの販売が第3四半期単体(2021年10~12月)で、Nintendo Switchを発売開始してから過去最大規模になったことが理由だ。

任天堂は決算発表資料で「新作タイトルと発売済みのタイトルが、継続してバランスよくセルスルー(販売店経由での販売)を伸ばす」と第3四半期を振り返っている。

そして任天堂は、Nintendo Switch用に2022年1月に「Pokémon LEGENDS アルセウス」の販売を開始し、3月25日には「星のカービィ ディスカバリー」を発売予定だ。これらのタイトルの販売も好調なら、上方修正した通期業績の見通しを上回る結果を残せるかもしれない。

株式投資家からの期待感はまだまだ高い

任天堂は、2018年3月期に7年ぶりに売上高が1兆円を超え、それ以降もコロナ禍による「巣ごもり需要」という恩恵もあり、業績を伸ばし続けてきた。

今期は2021年3月期よりは減収減益となる見込みだが、売上高が1兆円を割り、赤字に転落していたころから比べれば、十分な好業績と言える。

任天堂、決算で減益も実は好調!? 次の決算で株価が爆上げの可能性も

任天堂の株価は2021年の前半よりは下落しているものの、2021年の10月前半から右肩上がりの状況が続いており、株式投資家からの期待感はまだまだしぼんでいないことがうかがえる。

次に発表される決算は通期決算だ。自社の業績予想、そして市場の業績予想を上回る結果を残せれば、株価が2021年前半以来の高値に届く可能性は十分にありそうだ。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)

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