資産運用の一環として、マンション投資を考えている人は多いだろう。マンション投資は、上手に行えば有用な資産運用方法になり得るが、現在の市況など注意すべき点をしっかり把握する必要がある。

不動産投資の方法のひとつに「REIT」がある。不動産投資をするなら、実物投資とREITのどちらがよいのだろうか。今回は、マンション投資を検討する上で気をつけたいこと、REITの概要、REITを実物投資と比較した場合のメリット・デメリットについて解説する。

マンション投資を検討する上で気をつけたいこと

不動産投資をするなら実物投資とREIT、どちらにすべき ?
(画像=SasinParaksa / stock.adobe.com))

不動産の実物投資とは、マンションやアパート、オフィスビルなどの物件を投資家が購入して運用し、収益を得ることを指す。対象となる物件はさまざまで、「都心・郊外」といった立地や、「築浅・築古」といった築年数、「区分・一棟」といった所有規模、「RC造・鉄骨造・木造」といった構造も重要なポイントだ。

一棟は投資額などの面でハードルが高いため、今回は区分マンションへの投資を検討する上で気をつけたいことを見ていこう。

まず、マンション投資の市況を確認しておこう。投資の基本は「安く買って高く売ること」なので、大前提として「本当にその価格で買ってよいか」はしっかり検討したい。国土交通省が発表している不動産価格指数 (住宅) のマンション (区分所有) は、2010年を100とすると2021年3月時点で160であり、約10年で1.6倍になっている。

また、表面利回りに惑わされないことも大切だ。表面利回りとは満室を想定した利回りのことだが、常に満室で運営できる保証はない。さらにマンション投資 (不動産の実物投資) では、管理会社に支払う管理費や固定資産税といったコストがかかる。

したがって、手残りは表面利回りよりもずっと少なくなるのだ。マンション投資を検討する際は、賃料収入からそれらの経費を差し引いて計算するNOI (Net Operating Income) も確認したい。

REITという選択肢もある

前述のとおり、不動産投資には実物投資の他に「REIT」という選択肢もある。REITとは、多くの投資家から集めた資金でオフィスビルや商業施設、マンションなど複数の不動産を購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配する金融商品だ。では、REITを実物投資と比較した場合のメリット・デメリットを見てみよう。

REITのメリット

  • 証券取引所に上場されているので、換金性や流動性が高い
  • 管理会社への管理費や固定資産税がかからず、実物投資に比べて管理コストが低い
  • 自分で物件を管理する必要がない
  • 少額から投資できる
  • 不動産投資の経験が豊富な専門家が運用してくれる
  • 多くの投資家から集めた資金を複数の不動産に投資しているので、分散投資につながる
  • 都心の一等地のビルなど、個人では購入することが難しい不動産に投資できる

REITのデメリット

  • 証券取引所に上場されている金融商品なので、上場廃止リスクがある
  • 実物投資のメリットのひとつに「ローンによるレバレッジをかけやすいこと」があるが、REITでは高いレバレッジをかけにくい

REITの種類

「不動産投資に興味があるが、多額の資金が必要であることや管理コストなどがネックだ」と思う人は、REITを検討するとよいだろう。REITには商業施設を多く保有する商業施設主体型や、物流施設を多く保有する物流施設主体型、オフィスビルを多く保有する事務所主体型、ホテルを多く保有するホテル主体型、レジデンスを多く保有する住居主体型、それらを混合して保有する総合型などがある。

実物のマンション投資に近いのは、住居主体型だ。収益性はあまり高くないが、景気動向に左右されにくく安定性が高い。

マンション投資を考えている人は、REITへの投資も検討しよう

前述の通り不動産投資には、マンションなど実際の物件を購入する方法だけでなく、不動産に投資している金融商品「REIT」を購入する方法もある。不動産投資を考えている人は、REITへの投資も検討した上で自分に適しているほうを選んでほしい。

(提供:大和ネクスト銀行


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