この記事は2022年4月4日に「ニッセイ基礎研究所」で公開された「商業施設売上高の長期予測(1)-コロナ禍で進んだ「コト消費からモノ消費へのシフト」と「ECシフトの加速」」を一部編集し、転載したものです。
要旨
コロナ禍では、消費構造の変化として「コト消費からモノ消費へのシフト」、消費チャネルの変化として「EC(電子商取引)シフトの加速」が進んだ。
「コト消費からモノ消費へのシフト」は、2021年には一部に揺り戻しの動きが見られる。また、品目や年齢別にみると、その変化の内容は決して一律ではない。
「ECシフトの加速」は、2021年に入りコロナ以前のペースまで鈍化している。しかし、もともとEC化率が低い食料品や高年層にEC普及が進んだことで、今後のEC拡大ペースが速まる可能性がある。
コロナ禍における「コト消費からモノ消費へのシフト」と「ECシフトの加速」は2020年にいったんピークを迎えた。しかし、コロナ以前の水準にどこまで戻るかは、依然として予断を許さず、今後の動向を注視する必要がある。