日産フェアレディZバージョンST 新車ニュース
新型は歴代モデルのイメージを巧みに投影。全3グレード構成
フェアレディZは、1969年の1stモデル登場以来、50年以上の歴史を誇るスポーツレジェンド。日産の象徴であり、いまや貴重なハイパワーFRクーペだ。日本仕様は2022年1月の東京オートサロンで発表され、春からカタログモデルの受注がスタートする。
エクステリアは、日本刀をイメージした引き締まったプロポーション。歴代モデルのオマージュをバランスよく織り込み、ヘリテージと未来が上手にバランスされた。シルエットは、基本骨格を共用する関係で従来型の面影が残る。ボディサイズは全長×全幅×全高4,380×1,845×1,315mm。世代交代で拡大されるモデルが多い中、従来とほぼ同等なのはうれしいポイントである。
インテリアは、2nd/3rdモデルを彷彿とさせる横基調インパネを採用。最新の12.3インチフルデジタルディスプレイを採用する一方、伝統の3連メーターはアナログのままと、ニクイ演出となっている。シートはGT-Rの開発で培ったノウハウが応用されており、ホールド性やフィット感が大きくアップした。
ラインアップは、標準/バージョンS/バージョンSTの3グレード構成。バージョンSTは限定240台の特別仕様車、プロトスペックのベース車。19インチアルミ、本革とスエード調ファブリックのコンビシート、ニッサンコネクトナビを標準装備する。
405ps+FRで走り追求。6速MTと9速ATをラインアップ
メカニズムは意欲的である。エンジンは405ps/475Nmを発揮する3リッター・V6ツインターボ。スカイライン400Rと共通スペックながら、「スポーツカーはレスポンスが大切」という開発責任者、田村宏志氏のこだわりから、リサーキュレーションバルブが追加され専用の制御系を採用した。トランスミッションは強化版の6速MTと新開発の9速AT(モード切替付き)。MT/ATともに将来的なチューンアップにも対応する大トルク対応型だ。リアデフには機械式LSDが組み込まれる。400psオーバーのFR車でMTをラインアップするのは世界的にも少数派である。
シャシーは、車体の剛性アップに加えて、サスペンションのジオメトリーを変更、ダンパーはモノチューブ式。電動パワーステアリングの採用と、フロントタイヤのワイド化が行われた。田村氏は「FRで405psなので、エンジンパワーが勝る部分があるのも事実です。そこをドライバーがシッカリとコントロールできる味付けになっています」と説明してくれた。
新型はデザインと速さ、そしてハンドリングを楽しむFRスポーツへと変身した。ステアリングを握るのが楽しみだ。
日産フェアレディZ 主要諸元と主要装備
グレード=バージョンST
価格=6MT/9SAT 未定
全長×全幅×全高=4,380×1,845×1,315
ホイールベース=2,550
トレッド=未公表
車重=未公表
エンジン=2,997cc・V6DOHC24Vツインターボ(プレミアム仕様)
最高出力=298kW(405ps)/6,400rpm
最大トルク=475Nm(48.6kgm)/1,600〜5,600rpm
WLTCモード燃費=未公表
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:255/45R19/リア:275/35R19+アルミ
駆動方式=FR
乗車定員=2名
最小回転半径=未公表
主要装備:ローンチコントロール/MTシンクロレブコントロール(MT)/レイズ製19インチ鍛造アルミ/4輪アルミキャリパー対向ピストンブレーキ(フロント4ポッド&リア2ポッド)/メカニカルLSD/アルミ製エンジンフード&ドアパネル&バックドア/前後スポイラー/サイドシルプロテクター/スクラッチシールド/デュアルテールパイプ/本革&スエード調ファブリックコンビシート/本革巻きステアリング/チルト&テレスコピックステアリング/アルミ製ペダル/BOSEサウンドシステム/9インチNISSANコネクトナビゲーション/ETC2.0ユニット/オートAC
ボディカラー:イカズチイエロー/スーパーブラック
※装備は編集部調べ
(提供:CAR and DRIVER)