イオンもPB商品を値上げ

小売大手のイオンは2022年6月21日、プライベートブランド(PB)の「トップバリュ」から販売している食品や日用品の一部を、7月4日に値上げすると発表した。

食品メーカーの値上げが相次ぐ中、同社はこれまでPB商品約5,000品目の価格を6月末まで据え置くと「宣言」してきた。しかし、一部の品目で企業努力によるコスト吸収が限界を迎えた。

イオンが7月に値上げするのは、これまで価格を据え置いてきた約5,000品目のうち、マヨネーズなど3品目だ。他の商品は当面、現在の価格を維持するが、従来のように据え置く具体的な期間は示していない。このため、状況次第ではさらなる値上げが続く可能性もあるとみられる。

7月以降、大手スーパーの西友もPB商品の食品や日用品の一部を値上げする。同社もイオンと同じく、6月末までは値上げしない方針を示していた。

PB商品というのは、小売業者が主導して企画し、メーカーに生産を委託して販売する商品だ。その意味で、PB商品に関する限り、イオンや西友といった小売業者はメーカーであるとも言える。メーカーによる相次ぐ値上げを受け、客離れを起こさないよう、なるべく価格を据え置いてきたが、限界を迎え始めているようだ。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)

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