米国、北朝鮮ハッカーの「スパイ就職活動」に警鐘
言うまでもなく、他国はラザルスの動きに目を光らせている。
2018年には米国司法省が、「世界中で複数の破壊的なサイバー攻撃を行う陰謀に関与し、巨額の損害をもたらした」として、ラザルスの北朝鮮在住メンバーを刑事告発した。
このメンバーは、北朝鮮政府のフロント企業の一つである朝鮮エキスポ・ジョイントベンチャー(KEJV)の従業員で、前述のソニーやバングラデシュ銀行へのハッキングに関与していたほか、「Wanna Cry 2.0」で使用されたマルウェアの作成など、多数のサイバー攻撃に加担していた。
米財務省は各国における北朝鮮ハッカーのスパイ就職活動についても、警告を発している。
暗号資産の暴落が頭痛の種?
目下、北朝鮮政府の頭痛の種は暗号資産の暴落だろう。
韓国防衛分析研究所は、このまま市場に回復の兆しが見えない場合、「推定6億2,000万ドル(約838億1,254万円)とされるミサイルプログラムの資金を確保するために、他の手段に切り替える可能性がある」との見解を示している。
文・アレン・琴子(英国在住のフリーライター)