水たばこ(シーシャ)店が全国で急増している。街やSNSで目に触れる機会が増えたと感じている人もいるかもしれないが、東京都では、大手コーヒーチェーンのスターバックスの店舗数に迫る勢いだ。今回は、シーシャ店舗が実際にどれくらい全国に拡大しているのか紹介する。
全国に1,013店舗!都道府県シーシャ店舗数ランキング
都道府県別の店舗数ランキングを見ると、「シーシャビジネス」の盛り上がりがよく分かる。
このランキングは、日本最大級のシーシャ店舗検索サイト「シーシャスイタイ」を運営するBuzzHeroが、2022年4~5月に店舗数を調査した上で公表したものだ。全国にシーシャ店は1,013店舗あり、都道府県別にランキング化されている。
このランキングで該当するシーシャ店とは、シーシャに特化した専門店のほか、シーシャをメニューの一部として提供するバーやラウンジなどの飲食店も含む。
1位は東京都で、その数は368店舗。2位の大阪府の106店舗とは3倍以上の差があり、圧倒的な多さだ。大手コーヒーチェーン・スターバックスの2022年6月末現在の東京都の店舗数は381店舗であり、比較するとシーシャ店がどれほど多いかが分かるだろう。
店舗数の多さもさることながら、加えて注目したいのは、全国47都道府県にシーシャを提供する店舗が1店舗以上あるという点だ。いかにシーシャが注目されており、全国でビジネス展開されていることが分かる。
そもそも「シーシャ」とは?
シーシャは、水パイプを使って吸うたばこのことであり、もともとはエジプトなど中近東の喫煙法だ。シーシャの店舗数ランキングを発表したBuzzHeroは、「専用の器具を使用し、発生した煙を水のフィルターに通して吸うスタイルの嗜好品」と説明している。
シーシャは、タバコの葉に果実などを混ぜたフレーバーを炭で熱し、発生させた煙をパイプの中にある水を通すことによって、ニコチン量を減らして吸うことができるのが特徴だ。映画などで怪しげなシーンに登場することもあるためか、違法ではないかと思う人もいるかもしれないが、合法だ。
基本的にはタバコの葉を使用するため、紙巻きたばこと同様に20歳未満の使用は禁止されている。
なぜシーシャの取扱店舗が急増したのか?
シーシャは、見た目がアンティークのようなおしゃれなデザインのものもあり、「SNS映え」することから若者の間でブームとなっている。多様なフレーバーがあるため、自分好みに調節できたり、ニコチンフリーのフレーバーも登場したり、さまざまな楽しみ方がある。
紙巻きたばこや加熱式たばこを吸わない人も含め、男女問わず幅広い客層を取り込んでいる点も人気を後押しする一因のようだ。
シーシャを利用するために必要な金額は地域や店舗によって異なるが、全国的な相場はシーシャ1台あたり約1,500~2,000円で、それにチャージ料金やドリンク代が上乗せされ、1回の来店で支払う料金は2,500~3,000円ほどとなるケースが多い。
一般的にタバコの葉などの原材料は、安価で仕入れることができるため利益率は高い。燃焼時間が1時間~1時間半程度と長く持つため、サービス提供の手間がかからないのも利点とされ、これらの理由からシーシャ店舗は広く展開されているのだろう。