この記事は2022年9月20日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。


円安,ドル高
(画像=tamayura39/stock.adobe.com)

2022年9月20日(火)の午前11時すぎに現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。

小林芳彦
1979年慶応義塾大学商学部卒、同4月株式会社協和銀行入行。 外国為替研修生・営業店外国為替業務経験後、1987年から本店資金為替部調査役。 インターバンク(フォワード)ディーラー・カスタマーデスクヘッドなどを歴任後、1989年10月よりクレディスイス銀行(資金為替部長)、1997年クレディスイス・ファーストボストン銀行(シニアセールス)、1998年バイエリッシェ・ヒポ・フェラインス銀行(為替資金部長)、2001年バンク・オブ・アメリカ(為替資金部営業部長)で数十社の法人顧客を担当。

現在の為替相場の傾向や相場観

今週は、各国の政策金利の発表が立て続けにある。日米で考えると、日銀サイドは当然これといった変化はないと思うが、FOMCでは0.75%の利上げが織り込まれている。

また、「インフレがまだ沈静化されていない」といった発言があったりすると、もう一度、11月、12月の利上げ幅がさらに拡大する可能性がある。米国債の利回りもじりじりと上がってきており、3.5%台まで来ているため、ドルは堅調地合いになりやすいだろう。

また、もしこれが3.6%、3.7%と上がってくればやはりドル円が145円を抜けると考えている。その場合、前回高値が1998年8月11日の147.63円だが、マーケットは当然このレベルを意識する。さらに150円を目指す展開になると、介入の可能性がかなり高まり、「断固として許せない」といった「断固フレーズ」が出てきて、150円に近付くに連れて介入アラートが鳴るだろう。

米国は本来は輸入物価を下げたいのでドル高容認スタンスだ。そのため、ドル売り介入に対して否定的な訳だが、そもそも各国の中央銀行というのは「為替の安定」という職務がある。そのため、急激な通貨安などに対してはスムージング(相場急変の緩和)は最低限しなければならない。

そうすると米国は内心では「日本は金利を上げないから円が売られて当然だ」と思いつつも、渋々認めざるを得ないだろう。

現在の為替相場の戦略やスタンス

今週の米ドル/円予想レンジは141.80~145.00円。

今週は、前述の通り各国の政策金利の発表が立て続けにあるため、ポジション調整色が強まると考えている。政策金利発表前はポジション調整で上値が重くなるだろう。その中で充分にひきつけて買い場探しをしたいと考えている。

上値が重いからといってショートを振ったとしても大きくとれる気はしない。ここは慎重に買い場探しスタンスで臨みたい。

▽米ドル/円の日足チャート

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(画像=羊飼いのFXブログ)

※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。