この記事は2022年9月20日(火)に「羊飼いのFXブログ」で公開された「小林芳彦氏の現在の相場観とFXトレード戦略」を一部編集し、転載したものです。
2022年9月20日(火)の午前11時すぎに現役トレーダーの小林芳彦さんから聞いた最新の相場観と戦略を紹介する。
現在の為替相場の傾向や相場観
今週は、各国の政策金利の発表が立て続けにある。日米で考えると、日銀サイドは当然これといった変化はないと思うが、FOMCでは0.75%の利上げが織り込まれている。
また、「インフレがまだ沈静化されていない」といった発言があったりすると、もう一度、11月、12月の利上げ幅がさらに拡大する可能性がある。米国債の利回りもじりじりと上がってきており、3.5%台まで来ているため、ドルは堅調地合いになりやすいだろう。
また、もしこれが3.6%、3.7%と上がってくればやはりドル円が145円を抜けると考えている。その場合、前回高値が1998年8月11日の147.63円だが、マーケットは当然このレベルを意識する。さらに150円を目指す展開になると、介入の可能性がかなり高まり、「断固として許せない」といった「断固フレーズ」が出てきて、150円に近付くに連れて介入アラートが鳴るだろう。
米国は本来は輸入物価を下げたいのでドル高容認スタンスだ。そのため、ドル売り介入に対して否定的な訳だが、そもそも各国の中央銀行というのは「為替の安定」という職務がある。そのため、急激な通貨安などに対してはスムージング(相場急変の緩和)は最低限しなければならない。
そうすると米国は内心では「日本は金利を上げないから円が売られて当然だ」と思いつつも、渋々認めざるを得ないだろう。
現在の為替相場の戦略やスタンス
今週の米ドル/円予想レンジは141.80~145.00円。
今週は、前述の通り各国の政策金利の発表が立て続けにあるため、ポジション調整色が強まると考えている。政策金利発表前はポジション調整で上値が重くなるだろう。その中で充分にひきつけて買い場探しをしたいと考えている。
上値が重いからといってショートを振ったとしても大きくとれる気はしない。ここは慎重に買い場探しスタンスで臨みたい。
▽米ドル/円の日足チャート
※当記事は、投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。