シェアリングエコノミーの種類や領域
シェアリングエコノミーは対象となるモノ・サービスが多いため、いきなりビジネスプランを考えることは難しい。ここからは5つの種類や領域に分けて、サービスの具体例や仕組みなどを解説する。
空間に関するシェアリングエコノミー
空間に関するシェアリングエコノミーは、不動産の空き部屋や空きスペースを共有するサービスである。分かりやすい例としては民泊や駐車場シェアリング、ホームシェアリングなどが挙げられる。
不動産は長期の借り手を見つけることが難しく、短期で貸し出そうにも各消費者のニーズに合わせにくい特徴があった。数年単位の入居契約を結べたとしても、その住人が退去すると収入を得られない状態が続いてしまう。
このような課題を解決するサービスが、AirBnBをはじめとするシェアリングエコノミーだ。最近ではコワーキングスペースやレンタル会議室など、企業向けの空間共有サービスも見られるようになった。
モノに関するシェアリングエコノミー
最近では、モノに関するシェアリングエコノミーも多く見受けられる。フリマアプリやレンタルサービスを介すことが一般的であり、特にバッグなどの人気ブランド品はさまざまな場面でシェアされている。
衣服やアクセサリーなど個人が所有する小物には、使うシーンが限定されてしまうモノがある。例えば、冠婚葬祭でしか使わないドレスや喪服などは、数回しか着用しないケースも珍しくない。
こういったモノを共有するサービスとして、シェアリングエコノミーは非常に便利である。すでに例はあるが、企業間で機械や設備をシェアするようなサービスも普及するかもしれない。
移動に関するシェアリングエコノミー
移動に関するシェアリングエコノミーは、車やバイクなどのモビリティを貸し借りするサービスである。今回紹介する中でも、この領域の消費モデルは「所有から共有」への移り変わりが激しい。
例えば自動車を購入するにあたって、車検代や駐車場代、その他メンテナンス費などの維持コストが気になる人は多いだろう。特に公共交通機関が充実した都心では、自動車での通勤がかえって不便になるケースもある。
このような層にとって、必要なタイミングで車を調達できるカーシェアリングサービスは重宝されやすい。欧米などの海外では、タクシーの相乗りをサービスとして展開する地域も増えてきている。
スキルに関するシェアリングエコノミー
シェアリングエコノミーで共有されるモノは、不動産などの資産だけではない。デザインや動画編集、ライティングなど、個人が有するスキルもさまざまなサービスを通して提供されている。
イメージとしては、発注したい側とフリーランスをつなぐクラウドソーシングを連想すると分かりやすい。クラウドソーシングは、発注側がプロジェクトや案件を掲載し、受注側にあたる個人が仕事を探せる仕組みになっている。
そのほか、子育てや介護といった日常生活に関わるスキルも、ネット上では頻繁に共有されている。スキルに関するシェアリングエコノミーは幅が広いため、アイデア次第では大きなビジネスになるだろう。
お金に関するシェアリングエコノミー
個人間での金銭の貸し借りも、広義ではシェアリングエコノミーに含まれる。
例えば、クラウドファンディングは資金を求める側がプロジェクトを掲載し、ユーザーが魅力的な案件に融資または出資をする仕組みになっている。そのほか、エンジェル投資家と起業家をつなぐサービスも、シェアリングエコノミーの一種と言えるだろう。