シェアリングエコノミーのメリット

シェアリングエコノミーが普及すると、社会や企業にはどのようなメリットが生じるだろうか。ここからは、ビジネスとして見たときの5つのメリットを解説する。

初期費用を抑えやすい

シェアリングエコノミー事業は、所有するモノ・サービスを貸し出すビジネスなので、設備投資などの初期費用を抑えやすい。すでに需要があるモノ・サービスを所有している場合は、初期費用をほとんどかけずに事業を始めることも可能だ。

ただし、専用プラットフォームの利用時には、基本的に手数料が発生する。例えば、民泊サービスであるAirBnBでは、通常14~16%の手数料がホスト(貸す側)の受取金から差し引かれる。

あらゆるコストを削減できる

初期費用以外にも、シェアリングエコノミー事業ではあらゆるコストを削減できる。モノ・サービスを製造する必要がないため、例えば設備や機械の購入費、商品製造にかかる人件費、光熱費などを節約しやすい。

○シェアリングエコノミー事業で節約できるコスト(例)
・設備や機械の購入費
・人件費
・光熱費
・支店を構えるためのコスト(不動産購入費や固定資産税など)
・環境対策費 など

また、シェアを受ける側についても、モノやサービスを新たに購入する必要がないため、購入費用や維持コストを抑えられる。

遊休資産を活用できる

遊休資産とは、経営や事業に使用しなくなった資産のことである。例としては閉店した店舗の土地や建物、製造中止をした商品の機械などが挙げられる。

特に固定資産は保有をするだけでコストがかかるため、企業にとって遊休資産が増えることは望ましくない。そんな遊休資産を有効活用できる方法が、今回解説しているシェアリングエコノミーだ。

すべての資産に需要があるとは限らないが、近年ではユーザーを探すさまざまなサービスが充実している。一見すると不要に見える遊休資産でも、募集をかけたら利用者が見つかるかもしれない。

人と人とのつながりが生まれる

シェアリングエコノミー事業では、ひとつのモノを不特定多数のユーザーに貸し出す。一般的なサービスと同じように、さまざまな属性の人との関わりが生まれるため、独自のコミュニティが形成されるケースも少なくない。

子育てシェアのプラットフォームでは、シェアをする側・される側の交流会が開催されている例がある。このようにシェアリングエコノミーを通して人脈を広げれば、新たなビジネスチャンスにつながることもあるだろう。

ビジネスモデルの幅が広い

シェアリングエコノミー事業はあらゆるモノ・サービスが対象になるため、ビジネスモデルの幅が広い。前述した5種類が基本とはなるが、アイデア次第ではさまざまなビジネスを展開できる。

○個性的なシェアリングエコノミー事業の例
・自動車の相乗りマッチングサービス
・雇用者と労働者をマッチングさせるサービス
・非日常体験イベントの開催者と参加者を結びつけるサービス
・月額制で日本全国の物件に住めるサービス

上記のように料金体系や契約プランを変えるだけでも、サービスの形は大きく変わってくる。ユーザーの需要を意識してサービス体系を整えることが、シェアリングエコノミー事業の成功につながるだろう。