企業の事業活動と社会のつながりを示す基準として「インパクト指標」が注目されている。経済の成熟や環境破壊の進行とともに、企業の社会的な影響力に関する議論は深まってきた。そんな中、一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)はインパクト指標に関する報告書を公表し、企業はインパクト指標に沿った経営活動へ動き出した。
目次
インパクト指標とは?
定義は?
独立行政法人「国際協力機構」(JICA)のホームページによると、インパクト評価とは事業が社会にもたらした変化(インパクト)を測定する評価手法だ。通常、事業の効果は外部要因に影響されると考えられるため、事業のインパクトを正確に測定するには、事業が実施された状況、仮に事業が実施されなかった場合の状況を比べる。
企業活動の結果として、どれだけ社会や環境に変化や効果を与えたのかを示すのが「インパクト指標」ということだ。「インパクト」は岸田文雄内閣総理大臣が重要性を強調し、政府の「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」にも盛り込まれた。今後、国内外でさまざまな動きが出てくると見込まれており、さらに注目度が高まるとみられる。
SDGsとの関連は?
インパクト指標と類似の概念として、近年は国連のSDGs(持続可能な開発目標)に注目が集まっている。SDGsは人間が住み続けられる地球環境を守るため、17のゴールと169のターゲットを設定している。
17のゴールは例えば「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「海の豊かさを守ろう」とった内容がある。企業は社会経済活動に大きく影響を与える存在であり、現代ではこのようなゴールに向けて事業活動を進めることが求められる。上に挙げたゴールに関してなら、クリーンエネルギーの活用や工業廃水の処理などで貢献できる。これらの点での目標になり得るのがインパクト指標だ。
経団連がインパクト指標に関する報告書
経団連は2022年6月、インパクト指標に関する報告書を公表した。企業の取り組みを「重要性」「将来性」「実効性」「測定可能性」の4点で評価した数値をインパクト指標とする。投資家は、数値目標の設定などの議論を期待しており、インパクト指標はその対話の鍵になると紹介している。
つまり、インパクト指標は企業活動に影響を与える社会課題を示す指標であり、その事業の将来の競争力や企業の利害関係者に対する成果を定量で示す指標である。企業がインパクト指標を意識して長期的に企業価値の向上に取り組むことは、長い目で見て投資家の利益にもなるという理屈だ。
84個のインパクト指標例を提示
報告書では分野横断的な横断指標(16指標)と、課題別指標として、会員企業の関心が最も高いレジリエンス分野(34指標)、ヘルスケア分野(34指標)の合計84の指標を整理して「経団連インパクト指標例」として示している。
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