本記事は、野沢琢磨氏の著書『年商3億円稼ぐ高校中退社長の 事業計画書のいらない起業法』(ぱる出版)の中から一部を抜粋・編集しています

次の事業を選ぶ3条件とは

ポイント
(画像=hikari_stock/stock.adobe.com)

次の事業を選ぶポイントは3つあります。

1つ目は、その事業が儲かるかどうかです。

自分が昔からやりたいことだったから、というのがダメな訳ではないのですが、それなら利益を出す事業としてではなく、趣味と割り切ってやりましょう。

事業としてやるからには、やはりその事業で、どれくらいの収益性があるかを見極めることが大切です。

2つ目のポイントは、その事業が今やっていることと相乗効果があるかどうかです。

関連性があった方が管理はしやすいです。

関連性がなかったらダメという訳ではないですが、あった方がやりやすいことは間違いありません。現段階では関連性がなくても、将来的には相乗効果が見込めるようならそれも良いと思います。

3つ目は、その事業の将来性があるかどうかという点です。

1つ目の儲かるか、2つ目の相乗効果があるか、というポイントを満たしていたとしても、この3つ目のポイントである将来性がなかったらお話になりません。

後は、一過性のブームになっているものも注意が必要です。

ブームになっているものも一見、成長産業のように思えるのですが、通常の成長産業に比べると、伸び方が著しい場合が多いです。

例えば、数年前にタピオカがブームになりましたよね。

タピオカ屋さんには大行列ができて、TVや雑誌などのメディアにもたくさん取り上げられていました。

しかし、たくさんあったタピオカ屋さんも、今ではほとんど見かけません。

したがって、今流行っているから良さそうだと思ったときは、少し時間をおいて様子を見てから取り組みましょう。

ブームが終わっても一定の顧客がいて、少しずつでも伸びる業種なら、それは長く続く事業になるでしょう。

ここまで、ブームになっている産業には注意が必要だというお話をしてきましたが、ブームになっている産業に参入するのが悪いと言っている訳ではありません。

最初からブームだとわかっていて、そこで稼げるだけ稼いでブームが終わったらやめるというのも、1つの戦略だと思います。

ただ、一番危険なのは、ブームだということをわからずに、儲かりそうだと思って手を出すことです。

コミュニケーションの本質は相手を思いやる心にある

「企業は人なり」という言葉がありますが、企業の成長に絶対的に必要なのは人です。

人が居なくて1人でやっているのならば、それは会社でなくただの個人事業です。

2人以上になって組織になる訳ですから、必ず人が関わってきます。

私がこれこそが本物のコミュニケーションだと思った例を1つお話ししましょう。

東証プライム上場企業に「ハイデイ日高」という会社があります。

「中華食堂日高屋」というラーメンチェーン店を首都圏で展開している会社ですが、この会社の創業者である神田正会長が従業員を大切にする経営者として有名です。

この神田会長は日高屋の店舗を回って、店長と会話をするそうです。

そこで話す内容は仕事のことではなく、「休み取ってる?」とか「結婚して何年経つの?」といった、身体のことや家族のことだそうです。

従業員が大切で、その人たちに幸せになってもらいたいと思っているから、その人の個人的なことを聞くのだそうです。

さらにはラーメン屋以外に新しく焼鳥屋も始められたのですが、その理由が、70歳くらいまで働ける職場を作りたいと思ったから、だそうです。ラーメン屋の仕事は体力がいるから歳を取ったらキツいけど、焼鳥ならできると考えたようです。

このように、利益ではなく、働いている社員の幸せを第一に考えているからこそ、そこで働いている人たちも会社のために頑張ろうと思い、一生懸命に働きます。そうすると会社の業績は伸びて、利益を産むという好循環になる訳です。

この神田会長のお話から、私は、コミュニケーションの本質は「相手を思いやる心」にあると考えています。

業務上のやり取りは、デジタルを活用してZoomやChatworkを使えば、効率良く時間を短縮して行うことができます。

しかし、会社を大きくしようと思ったら、その次の段階としてそこで働いている人たちの幸せを考えなければ、どこかで頭打ちになります。

ただ、従業員を家族のように思っていたとしても、伝わらなければ何の意味もありません。それを伝える手段がコミュニケーションではないでしょうか。

それは、そんなに難しいことをしなくても、「自分が人にされたら嬉しいことを人にする」だけで大きく変わります。

先ほどの日高屋のお話のように、社長がお店に来て、「休み取ってるか?」と自分の心配をしてくれたり、朝会社に来たときに元気良く「おはようございます!」と挨拶をしてくれたりすると、嬉しくないですか?

そうやって、相手を思いやる心を持ったコミュニケーションが、企業を大きくするための人を育てていくと私は考えています。

ここでいうコミュニケーションは時代に逆行しているかもしれませんが、やはり人と人は顔を合わせて会話をすることで成り立つのではないでしょうか?

したがって、弊社の業務は在宅でできるものもありますが、基本的にはテレワークはやりません。コミュニケーションが不足すると考えているからです。

近年では、会社で忘年会などの飲み会はやらないという会社も増えてきています。

すでに会社の仕組みが整っていて、業務上のやり取りだけで会社が成長していくような大手企業は、社員間のコミュニケーションは必要ないのかもしれません。

しかし、弊社のようなまだまだ発展途上の中小零細企業には、このようなコミュニケーションが必要なのではないかと思います。

業務上で必要なコミュニケーション以外のコミュニケーションこそが、会社を成長させるための鍵になると私は思います。

これに関しては時代と逆行している考え方であり、賛否両論あるものと思います。しかし、ここで大切なことは、自分がこうやると決めて、誰に何を言われようが、それを貫き通すことです。そのような力も経営者には必要だと思います。

年商3億円稼ぐ高校中退社長の 事業計画書のいらない起業法
野沢琢磨(のざわ・たくま)
NOZAWAグループホールディングス株式会社代表取締役。シリアルアントレプレナー(連続起業家)。1979年生。新潟県柏崎市出身。高校中退後、さまざまなアルバイトを経験。21歳で年収1,000万円を達成するも、若さゆえの失敗が重なり、1,000万円もの借金を抱えることになる。25歳頃から少しずつ始めていた株、投資信託や先物取引などの投資がある程度成功を収め、資産が1,000万円ほどになったが、その一方で、FX系投資ファンドにて500万円以上の損失も経験。27歳で海外移住サポートの仕事につく。32歳で会社を退職し独立。その後、中国上海での飲食事業などを皮切りに自分自身のビジネスを開始。思いついたら次々に事業を立ち上げる、いわゆる“シリアルアントレプレナー(連続起業家)”としての才能に目覚め快進撃が始まる。起業から3年の現在、年商3億円を超え、3社の会社の代表を務め、従業員数は40名以上。手がけている事業は、飲食店、小売業、ネットビジネスコンサルティング業、障害者福祉事業、商品開発企画製造業等。複数の事業を立ち上げグループ企業運営を行っている。最近は自社ビルも購入。

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