つまり、4年経過の中古車の耐用年数は2年ということになります。中古資産の耐用年数は最短で2年ですので、これ以上経過していたとしても、耐用年数はこれ以上短くなりません。ということは、4年経過以上の中古車の耐用年数も2年となるわけです。
耐用年数が2年ということは定額法でやったとしても1年間に購入費の半分を減価償却費に計上できるわけです。また定率法では、耐用年数2年の場合は償却率が1.00です。
つまり購入費の100%が減価償却できることになるのです。
たとえば4年落ちの200万円の外車を買った場合、定率法を取っていれば償却率は1.00なので、計算式は次の通りになります。
200万円×1.00=200万円
もし7月に買ったとしても、半分の100万円を減価償却費として計上することができるのです。その年に大きく売上を挙げて一挙にたくさんの経費を計上したい、というときには、4年落ちの外車などはうってつけのアイテムといえます。
よく大儲けしたフリーランスが中古のベンツに乗るのもこの仕組みです。
大村大次郎
大阪府出身。元国税調査官。国税局で10年間、主に法人税担当調査官として勤務し、退職後に経理事務所などを経て、経営コンサルタント、フリーランスのライター・作家となる。執筆、ラジオ出演、連続ドラマの監修など幅広く活躍している。ベストセラーとなった『あらゆる領収書は経費で落とせる』『税務署員だけのヒミツの節税術』(共に中公新書ラクレ)のほかに『やってはいけない相続対策』『やってはいけない老後対策』(共に小学館新書)など多数のヒット作を上梓している。※画像をクリックするとAmazonに飛びます
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