本記事は、大村大次郎氏の著書『サラリーマンのための起業の教科書:損しないフリーランスの極意』(小学館)の中から一部を抜粋・編集しています。

方法,クエスチョン
(画像=9dreamstudio/stock.adobe.com)

4年間消費税を払わない方法

起業して2年間は消費税の免税期間というものがあるのですが、裏ワザによってさらには2年間免税期間を延ばすこともできます。つまりは、起業して4年間、消費税を払わないで済むということです。

その方法とは、最初の2年間フリーランスとして事業を行い、3年目に法人化するのです。そうすれば、最長4年間、消費税が免除されることになります。

なぜこういうことになっているのかというと、税金の世界では同じ事業であっても、会社と個人はまったく別ものとして扱われるからです。

フリーランスと会社では、似たような事業をしていたとしても、税法上はまったく別個の扱いを受けます。

これは、フリーランスが、会社化した場合にもあてはまるのです。

フリーランスが、自分の事業をそのまま会社化したとしても、税法上は、「個人事業」と「会社での事業」はまったく別のものとして扱われるのです。

たとえば、毎年2,000万円の売上がある個人事業者が、会社をつくったとします。毎年2,000万円の売上があれば、本来は消費税を払わなければなりません。でも、この会社は、はじめの2年間は、消費税を払わなくてもいいことになります。

フリーランスのときに売上が2,000万円あったとしても、会社化すれば、それはまったく換算されないのです。会社というのは、あくまで登記してから存在するものであって、登記以前のことはまったくなかったものとされるのです。

だから起業する場合、はじめはフリーランスで行い、2年後に資本金1,000万円未満の法人をつくれば、4年間は消費税を免除されることになるわけです。これは違法でもなんでもない、普通の合法的な節税方法です。

ただし、これから述べる「インボイス制度」の影響を受ける事業者は、免税期間を事実上使うことができません。そういう事業者は、免税期間のことは考慮せずに、消費税そのものを検討する必要があります。

事業者の負担を増すインボイス制度

何度か触れましたように2023年10月から、消費税のインボイス制度が始まります。インボイス制度というのは、事業者が支払った消費税に対して消費税の仕入れ税額控除をする際に、支払った相手先から、消費税の税額の明細を記載された「適格請求書」というものを受け取らなければならない、というものです。

前にも述べましたように、事業者は「売上時にお客から預かった消費税」から、「経費などの支払い時にすでに支払った消費税」を差し引いた残額を税務署に納付することになっています。

インボイス制度ではこの「経費などの支払い時にすでに支払った消費税」を差し引く条件として、支払先から「適格請求書」を受け取らなければならないということになったのです。経費を支払っても「適格請求書」がない場合は、その分の消費税は差し引くことができないのです。

適格請求書には以下の項目が記載されていなければなりません。

  1. 適格請求書発行事業者の氏名または名称および登録番号
  2. 取引年月日
  3. 取引内容(軽減税率の対象品目である場合はその旨)
  4. 税率ごとに合計した対価の額および適用税率
  5. 税率ごとに合計した消費税額
  6. 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

そして適格請求書を発行する手順は以下のようになります。

★課税事業者届出書を税務署に提出する→インボイス登録申請書を税務署に提出する→インボイス登録番号が税務署から発行される→取引先から「適格請求書」を求められたときに「適格請求書」を発行する

=サラリーマンのための起業の教科書
大村大次郎
大阪府出身。元国税調査官。国税局で10年間、主に法人税担当調査官として勤務し、退職後に経理事務所などを経て、経営コンサルタント、フリーランスのライター・作家となる。執筆、ラジオ出演、連続ドラマの監修など幅広く活躍している。ベストセラーとなった『あらゆる領収書は経費で落とせる』『税務署員だけのヒミツの節税術』(共に中公新書ラクレ)のほかに『やってはいけない相続対策』『やってはいけない老後対策』(共に小学館新書)など多数のヒット作を上梓している。

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