GX(グリーントランスフォーメーション)とは、クリーンエネルギーを主軸とする産業構造、社会システムへと変革を図る概念だ。本記事では、GXが注目される背景や経産省のGX戦略、国内外の取組事例などについて分かりやすく解説する。

目次

  1. GX(グリーントランスフォーメーション)とは
    1. GXとカーボンニュートラルとの違い
    2. GXとDXの関連性
  2. GXが注目されている背景
    1. 地球温暖化の深刻化
    2. 2050年カーボンニュートラル宣言
    3. GXがビジネス界での重点投資分野として浮上
  3. 企業がGXへ参加するメリット
    1. 政府のサポートや公的予算の増加
    2. ブランドイメージの向上
    3. 人材獲得の優位性向上
  4. 日本政府のGX戦略
    1. GXリーグ
    2. GX実行会議
  5. 国内の取組事例
    1. 経団連(一般社団法人日本経済団体連合会)
    2. 東京電力ホールディングス株式会社
    3. トヨタ自動車株式会社
    4. NTT(日本電信電話株式会社)
  6. 海外の取組事例
    1. Google
    2. Amazon
    3. Apple
    4. Microsoft
  7. GXとESG投資の広がり
  8. GXは環境保護と産業の発展の両立に不可欠
  9. GXに関するQ&A
    1. Q1.GXの正式名称は?
    2. Q2.GXとは何をすること?
    3. Q3.GXの目的は?
    4. Q4.GXとカーボンニュートラルとの違いは?
    5. Q5.GXとDXの関連性とは?
    6. Q6.グリーントランスフォーメーションとは?
    7. Q7.経済産業省のGXリーグとは?
GXの実現にDXが欠かせない理由
(画像=Laymanzoom/stock.adobe.com)

GX(グリーントランスフォーメーション)とは

GX(Green Transformationの略称)とは、化石燃料ではなく太陽光発電などのクリーンエネルギーを利用し経済社会システムや産業構造を変革して温室効果ガスの排出削減と産業競争力向上の両立を目指す概念。世界で緊急課題となっている地球温暖化対策のなかでも温室効果ガスの排出削減は重要な施策の一つとなっている。企業にとってもGXへの取り組みを進めることがブランド力の強化となるだろう。

GXとカーボンニュートラルとの違い

カーボンニュートラルとは「温室効果ガスの排出量と森林などによる温室効果ガスの吸収量を均衡させ排出量を実質ゼロにする」という地球温暖化対策の一種だ。カーボンニュートラルは、GXの基軸となる施策の一つであり、GXはカーボンニュートラルを包含する概念である。

GXとDXの関連性

GXとDXは、密接な関連性がある。なぜならGXの実現には、さまざまなデジタル技術が必要になるからだ。例えば脱炭素化に欠かせない電気自動車は、自動車のDXが必要不可欠である。また電力の需要予測を行い電力生産の最適化を図るためには、AIを活用した業務フロー改善などが必要だ。2020年10月、日本政府は2050年までにカーボンニュートラルを目指すと宣言した。

しかし目標実現のためには、電力ネットワークのデジタル制御など強固なデジタルインフラを構築しなければならない点を指摘している。