本記事は、長倉顕太氏の著書『人生は28歳までに決まる! 30代を楽しむためにやるべき24のこと』(イースト・プレス)の中から一部を抜粋・編集しています。

「売れていない本」「高い本」を読め

読書
(画像=MollyP/stock.adobe.com)

読書で損をすることはない

インプットの方法としてまず勧めたいのは、「読書」だ。

これは、私が出版関係の事業をしているがゆえのポジショントークではない。ほかのメディアと比べても、本には利点が多い。

本は、非常に多くの労力をかけて作られている。

企画の時点でトレンドや市場のニーズを組み込んだ内容になるように出版社で話し合い、役立たないと判断された場合は刊行されない。

それに、著者が書いたものをそのまま出しているわけではなく、編集者が内容の妥当性を確認し、校閲者が事実関係を調べ、誤字脱字を取り除く。

この過程は、数カ月から、長ければ数年がかりになることもある。時間と人手をかけて制作されているものだから、情報の量・質ともに高い。

それなのに、価格はだいたい千数百円。ビジネス書ならほとんどは1,000円台で、飲み会1回ぶんよりずっと安い。出版関係者が言うべきことではないが(本書はお金のない若者向けということで許してもらいたい)、読み終わったらメルカリか何かで売ってしまってもいいし、そもそも図書館で借りることだってできる。

かたや、何かを学びにセミナーに行こうと思えば、数万円、高ければ数十万円かかる場合もある。それで書籍ほど内容が充実しているかと言うと、たいていの場合そうでもない。

セミナー講師が講義をもとに本を書くことがあるが、数回〜数十回ぶんの内容が1冊にまとまっていることが多い。何度も受講するよりその1冊を買うほうがよほど手軽だし、自分のペースで読むこともできる。

こうして考えると、読書のリターンの大きさがわかるだろう。読まないでいるのが損だとさえ感じるかもしれない。

ベストセラーを読んではいけない

では、どのような本を読むべきか? 私はいつも、「売れていない本を読め!」と言っている。

多くの人は、読書をしようというとき、よく売れている本を手に取る。

売れている本は、派手に宣伝されることが多いから目に留まりやすい。それに、みんなが読んでいるなら良いもののはずだ、という安心感もあるだろう。「間違えたくない」という思考回路で、「とりあえずベストセラー」と考えてしまうのかもしれない。

でも、売れている本=多くの人に読まれている本ということは、当然、その本から得た知識は、多くの人が知っているということになる。

私たちが生きている情報社会では、希少な情報を持っていることが価値になる。

皆が知らないことを知っている人が重宝される社会で、ベストセラーばかり読むのは得策とは言えない。あえて、「売れていない本を読む」というのを意識してほしい。

「高い本」には情熱が詰まっている

売れていない本の中でも、5,000円を超えるような「高すぎて売れない本」なんかはとくに良い。

高くても買ってくれる少数に向けて作られている本なので、部数もあまり刷られていないだろう。つまり、市場にあまり流通していない=本の内容があまり知られていない。読んでおくと、オリジナリティに繋がる。

さらに、高い本は、「売れないとわかったうえで」作られた本だ。私は音楽が好きだから、海外ミュージシャンの自伝を買うことが多い。ほとんどの本は3,000円以上だし、ページ数も多く分厚い。

ところが、ビジネス書や実用書の多くは、「売る」ことをいちばんに意識して作られがちだ。私自身、編集者だったときはヒット作を作ろうと夢中だった。すでに売れている本のマネをしたり、読者の気を惹こうとキャッチコピーに力を入れたりした。

しかしそのぶん、その本が与える文化的な影響や社会的な意義にはあまり意識が向かなかった。売れれば、多少ありふれた内容でもOK。ある種「工場生産的」に本を作ってしまっていたと、今では反省している。

一方で高い本は、価格設定の時点で大量に売ることは想定していない。純粋に「良いものを作ろう」と、情熱が詰まっている場合が多い。

高い本は値段なりに優れている内容のものが多く、やはり読む価値が高い。

ひと言でも学びがあればいい

本を読むときに心がけてもらいたいことがもう1つある。それは、「つまみ読みをしない」ということ。

面白いと思うところだけをめくって読むのではなく、最初から順に、できれば最後まで読むようにしてほしい。途中、つまらなくなることもあるだろう。それでも、どんどん読み進める。そのときは理解できなくても、その後、わかったりすることもある。

というのも、「好き嫌いで物事を決めては成長が望めない」と言ったように、興味があるところだけを読むような読書では、自分の枠から出ることができない。興味がないと思っていたところにこそ、新たな発見がある。

難しすぎて読み切れない場合は、それでも問題ない。

読書は、その1冊で何か1つでも学び取れるものがあれば十分に価値がある。1万円の本を買って、知らなかった単語を1つ知るだけでもいい。その本を読む前より、確実に前進しているのだから。

気楽に、でも「その1つ」を見落とさないように、頭から順に読んでみよう。

人生は28歳までに決まる! 30代を楽しむためにやるべき24のこと
長倉顕太
作家・プロデューサー・編集者。1973年、東京生まれ。
学習院大学卒業後、職を転々とした後、28歳の時に出版社に転職し、編集者としてベストセラーを連発。今までに企画・編集した本の累計は1100万部を超える。
独立後は8年間にわたりホノルル、サンフランシスコに拠点を移して活動し、現在はコンテンツのプロデュースやこれらを活用したマーケティング、二拠点生活の経験を活かしたビジネスのオンライン化/テレワーク化のコンサルティング、海外での子育ての経験(とくにギフテッド教育に詳しい)から教育事業などに携わっている。
2015年からは若者に向けたコミュニティ運営も開始。グループコンサルティングや読書会を通じ、知識と経験の重要性を伝えている。
主な著書に『親は100%間違っている』『「絶望の国」でズルく賢く生きのびる』(光文社)、『「やりたいこと」が見つかる時間編集術』(あさ出版)、『超一流の二流をめざせ! 』(サンマーク出版)、『常識の1ミリ先を考える。』(サンクチュアリ出版)、『移動力』『モテる読書術』『GIG WORK』(すばる舎)などがある。
各種SNS(Twitter、Instagram、Facebook)、YouTubeなどで情報を配信中。

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