本記事は、長倉顕太氏の著書『人生は28歳までに決まる! 30代を楽しむためにやるべき24のこと』(イースト・プレス)の中から一部を抜粋・編集しています。
「1日10分」の早起きから始める
モチベーションに頼ってはいけない
インターネット上の娯楽に時間を奪われないよう気を付け、空いた時間は勉強や情報収集に費やす。これが理想だが、仕事などで疲れてしまい、なかなかやる気が出ないという人もいるだろう。
どうすればラクなほうに流されず、日々を有意義に過ごすことができるのか?
私がいつもアドバイスするのは、
「モチベーションに頼ってはいけない」
ということ。
多くの人は、自己研鑽には高いモチベーションが必要だと思っている。「ゴール設定をして気分を奮い立たせよう」とか、「達成後に『ご褒美』を用意してそのために頑張ろう」と、自分の「気分」にアプローチを試みる。
でも、モチベーションをつねに高い状態に保つのは難しい。上げたぶんだけ、いつかは下がる。
「モチベーションを高めることで行動を起こす」というのは、言い換えれば、モチベーションが高いときしか行動できない」ということだ。行動できるかどうかは気分次第、つまり気が乗らないときには学べなくなってしまう。
だからこそ、モチベーションを排除しなくてはいけない。「モチベーションが高くても低くても関係なく、強制的に毎日学ぶ」という状態が理想になる。そしてそのために必要なのが、「習慣づけ」だ。
歯磨きをするとき、わざわざ「歯をピカピカにする、というゴール設定をしよう」とか、「歯磨きができたら自分にご褒美をあげよう」と思う人はいないはずだ。
モチベーションは関係ない。ただ、「毎日しなきゃいけない」から続けている。
同じように勉強も、習慣づけをして「毎日しなきゃいけない」という状態を作ればいい。
歯磨きが習慣になっている人は、歯磨きをしないままベッドに入っても、気持ちが悪くて眠れない。勉強を習慣にすれば、勉強をしないでいる状態が気持ち悪くなり、自然と机に向かえるようになるだろう。
まずはこれまでの習慣を「捨てる」
新たな習慣を作りたいときは、どう時間を捻出するかが問題になる。
言うまでもなく、時間は有限だ。1日24時間というのは変えることができない。
これまでしてきたことを1つもやめないで、新たな何かを加えるのは不可能に近い。だから習慣を作るときには、まず何かを「諦める」という発想が必要だ。
たとえば、早起きを習慣にするときは、自ずと睡眠時間を削ることになる。これは、「ゆっくり寝る」を諦めているということだ。
過去1週間の、自分の行動を振り返ってみよう。「可処分時間」を何に費やしているだろうか?
時間を奪っているのは、インターネット上の娯楽かもしれない。あるいは、飲み歩いている時間が長いのかもしれない。
時間を使っているもののうち、どれかを諦める覚悟を持とう。スマホでYouTubeを見すぎているならアプリを消し、友人との飲み会が多いのなら誘いを断る必要がある。
念のために言っておくと、私は「すべての時間を生産的に過ごせ」とは思わない。『時間編集術』(あさ出版)でも書いたように、人生にはプロダクティブタイム(生産的な時間)だけでなく、アンプロダクティブタイム(非生産的な時間)も必要だ。
ただ、ぎっしり詰まった箱に無理やりものを入れるより、まず何かを取り出して、空いたスペースに入れるほうがラクなはずだ。インプットの習慣も、時間の余白を作ってからのほうが続けやすい。
小さな習慣を90日続ける
習慣づけで大切なのは、「少しでいいから毎日続ける」ということ。いきなり1日数時間を勉強に充てる、なんて無理をしてはいけない。
たとえば、「毎日10分、読書をする」ということから始めてみよう。
10分をしばらく続けて、自信が出たら20分、30分と時間を延ばしていく。
経験上、一度でもサボってしまうと、せっかく習慣づいていたものがグダグダに崩れ去ってしまう。無理なく続けられる範囲で行うといいだろう。
カレーチェーン店「CoCo壱番屋」の創業者である宗次德二氏は、早朝3時55分に起きて、毎日本社周辺を掃除していたという。しかも、台風の日にも欠かさず。
台風なのに外の掃除をしても、またすぐに散らかってしまい意味がないような気もする。それでも毎日やり続けていたのは、「この天気だったらやらない」などと例外をつくってしまうと、習慣づけがうまくいかないからだと思う。
習慣化に必要なのは平均66日、つまり約2カ月と言われるが、念のため90日=3カ月は続けておくと安心だ。そこまでいけば、習慣は定着する。「やらないと気持ち悪い」という状態に自分を持っていけるよう、根気よく続けていこう。
「早起き」のメリット
時間帯としては、夜よりも朝のほうが習慣を作りやすい。
夜だと、仕事や会食などの都合で時間をとれないことが多い。しかし朝なら、「〇分、読書の時間を作る」と決め、家を出る時間から逆算して早く起きれば済む。
よほどのことがない限り、習慣を崩される危険がない。
「早起きをしろ」は、どのビジネス書にも書いてある。私はビジネス書の編集者だったのにこうした成功法則をマジメに受け取らず、45歳までろくに早起きをしてこなかった。
でも実際に早起きを始めてみると、
「早起きは人生を変える」
と確信した。
明らかに1日が長くなって、できることの量が増える。行動量が増えると、知識も経験も出会いも増え、毎日が豊かになっていく。ぜひ実践してほしい。
早起きが苦手な場合は、「起きたらすぐシャワーを浴びる」というのがおすすめだ。強制的に目が覚めるし、さっぱりしてやる気も出る。
シャワーを浴びると決めたなら、毎日欠かさず行うようにしよう。
90日続ければ、「早起きしてシャワーを浴びる→インプットする」というルーティンが定着していくはずだ。
学習院大学卒業後、職を転々とした後、28歳の時に出版社に転職し、編集者としてベストセラーを連発。今までに企画・編集した本の累計は1100万部を超える。
独立後は8年間にわたりホノルル、サンフランシスコに拠点を移して活動し、現在はコンテンツのプロデュースやこれらを活用したマーケティング、二拠点生活の経験を活かしたビジネスのオンライン化/テレワーク化のコンサルティング、海外での子育ての経験(とくにギフテッド教育に詳しい)から教育事業などに携わっている。
2015年からは若者に向けたコミュニティ運営も開始。グループコンサルティングや読書会を通じ、知識と経験の重要性を伝えている。
主な著書に『親は100%間違っている』『「絶望の国」でズルく賢く生きのびる』(光文社)、『「やりたいこと」が見つかる時間編集術』(あさ出版)、『超一流の二流をめざせ! 』(サンマーク出版)、『常識の1ミリ先を考える。』(サンクチュアリ出版)、『移動力』『モテる読書術』『GIG WORK』(すばる舎)などがある。
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