目次

  1. 分散投資とは安全に資産を運用する工夫のひとつ
  2. 分散投資は主に3種類
  3. ドルコスト平均法とは
  4. 分散投資に向いている商品は投資信託

分散投資とは安全に資産を運用する工夫のひとつ

投資の世界では、分散投資というのはリスクを分散させて資産運用を行うための工夫のひとつです。

投資の世界には「卵は一つのカゴに盛るな」という格言があります。

資産を一つの商品(カゴ)だけに投資してしまうと、その商品の値動きのみで自身の資産価値が上下に変動してしまいます。
これでは一つの投資対象に資産の価値が依存してしまうため、リスクが高いと言われています。

その対策として、色々な投資対象に分散投資を行うことで、資産価値の変動要因が複数に分散されるため、リスクを低下させることが可能になるのです。

分散投資はリスクを低下させつつ、資産を比較的安全に殖(ふ)やす効果があるだけでなく、心理的な負担も軽減させることができます。

一つの投資対象のみに資産を投資すると、その商品の値動きが気になって常にチェックしてしまったり、価格が下落したら不安になったりなど、色々なマイナス面が発生します。

投資で利益を出すためには心理的な余裕が必要です。心理的な余裕がない状態で投資を行うと、投資判断が疎かになり、損失を被る可能性が高くなります。

分散投資は主に3種類

分散投資の方法は主に投資対象の分散、時間の分散、地域の分散と3つの分散方法に分けられます。

それぞれどのような分散方法でどのようなメリットがあるのか解説します。

投資対象の分散

投資対象の分散とは、投資を行う対象を複数に分散させることを意味しています。

例として、資産全体の値動きの変動を抑えることを目的とするならば、株式だけでなく債券も対象に入れて分散をすることで、全体の変動を抑えることができます。

株式と債券は逆相関の動きになることが多いです。株式市場が上昇している時は、債券は売られて金利が上昇するという動きになりやすく、株式市場が下落している時は、債券が買われ金利が低下するという動きになりやすくなっています。どちらか一方が片方の損失の穴埋めをしてくれるというイメージなので、全体で価格の変動を抑えることができます。

分散の具体的な割合としては、株式6割、債券4割が黄金比率と呼ばれており、機関投資家からも好んで利用されている比率です。

時間の分散

投資を行う上では一度に資産の全てを全額投資せず、時間を分けて少しずつ投資を行うということも分散方法の一つです。

もしも100万円保有しており、一度に全ての資産を投資した場合、その日からの価格の上下動で資産価値が変動することになります。

しかし100万円を10回に分けて投資を行うことによって、価格の上下動の平均値を収斂させることができるため、リスク分散の方法として効果的とされています。

時間の分散は長期投資だけではなく短期的な投資でも有効であり、投資のリスクをコントロールするための基本的な方法と言えるでしょう。

時間の分散を利用したドルコスト平均法という長期的な資産運用で利用されている手法もあるため後述します。

(参照:岡三オンライン証券【投資信託】投資の基本~時間分散のススメ~ | はじめての投信 )

地域の分散

分散投資の3つ目の方法として地域の分散というものがあります。投資対象となる国や地域を分けて投資を行うということです。

例として100万円の資金で日本株に60万円、日本国債に40万円の投資を行うと、日本経済のみが資産価値変動の要因となってしまうため、アメリカや欧州も含めて投資を行うことによって、投資対象の地域における分散を図りリスクを軽減させるということができます。

世界経済全体が大きく低迷する場合では地域を分けたとしても資産価値の減少が生じる可能性がありますが、分散投資の意義は資産が減少する中でも減少幅を最小限に留めるということが目的の一つでもあるため、地域の分散も意識した投資を心がけるとよいでしょう。

ドルコスト平均法とは

ドルコスト平均法とは毎月一定金額を機械的に積み立てていく投資方法のことです。

上述した時間分散の観点で役に立つ方法であり、価格の上下を気にせず毎月同額を積み立てることによって、購入単価の平均値を平準化させることを目的としています。

ドルコスト平均法を利用した資産運用商品の代表例として、つみたてNISAが挙げられます。

つみたてNISAは少額から長期的に分散投資を行って資産運用を行うことを支援するための非課税制度です。毎月同額を定めて積立を行うため、投資初心者が最初に投資を始めるきっかけとして利用しやすい制度と言えるでしょう。

つみたてNISAは毎年40万円を上限として購入してから20年間の間に発生した分配金や譲渡益に関しては非課税となります。

このように国でも推し進められている制度の中にドルコスト平均法が採用されており、分散投資の中でも時間分散の観点から生まれた手法は利用すべき投資方法と言えるでしょう。

つみたてNISAで購入できる投資信託の中でもアメリカのS&P500指数に連動した投資信託が人気となっています。

理由としてはアメリカの株式市場は何十年と上昇基調が継続しており、長期的な積立投資を行うには向いていると考えている投資家が多いためです。

NISAで何を購入するか困った場合は、ドルコスト平均法でS&P500指数に連動した投資信託からスタートしてもいいでしょう。

分散投資に向いている商品は投資信託

分散投資を行うに当たっては、手軽に分散投資を行える投資信託が向いている商品と言えます。

例として、日経平均株価の値動きに連動させるように分散投資を行いたいと考えた場合、日経平均株価を構成する225銘柄を、同じ構成比率(投資割合)で購入しないといけません。

しかし日経平均株価に連動した投資信託を購入すれば、少額でも日経平均株価と連動させることができるため、手軽に積み立てることが可能となります。SBI証券では100円から投資信託を購入することができます。

投資信託の種類によっては、バランス型という債券と株式を組み合わせた投資信託も提供されているため、一つの投資信託を選択するだけで分散投資を図ることも可能です。

また分散投資はリスク分散を図り、資産の変動幅を抑制しながら安定して資産を殖やしていくことを目的としているため短期売買ではなく長期で保有することがポイントとなります。

結論、非課税制度のつみたてNISAを使って、分散投資ができる投資信託を長期で積み立てていくのがおすすめな資産運用であるといえます。