本記事は、千田琢哉氏の著書『一流の人が、他人の見ていない時にやっていること。 最後に生き残る人の「秘密の習慣」40』(清談社Publico)の中から一部を抜粋・編集しています。

常に水回りは清潔に保つ。

常に水回りは清潔に保つ。
(画像=kazoka303030/stock.adobe.com)

あなたは自宅の洗面所・キッチン・浴室・トイレを常に清潔に保っているだろうか。

某元総理大臣は名家の出だが、人の見ていないところでいつでもどこでも洗面所が濡れているとハンカチでサッと拭く習慣があったと言われている。

私はそれを知った時に、素直に人として美しいと思った。

私の祖父も黙ってこっそり水回りの水滴を拭いていたのをよく目撃したから、その意味がようやくわかったような気がしたのだ。

私が幼い頃は「どうしてすぐにまた濡れるのにいちいち拭くのだろう」と疑問に思っていた。

だがそういう人がいてくれるおかげで快適に清潔な水回りを使えるのであり、人生のどこかでそういう美学に自ら気づくべきなのだ。

私も会社勤めの頃にはオフィスの水回りを誰も見ていない場所で清潔に保つ習慣にしていたし、独立した今でもこれはそのまま続いている。

面倒臭いとは一度も思ったことはないし、いつも人知れず祖父が拭いていた表情や姿勢を真似して楽しんでいる。

何十年もこうした習慣をあちこちで続けていると、いくら隠し通そうとしても必ず誰かに見つかるものだ。

何を隠そう、私自身がうっかり人知れず洗面所を拭いている人をよく目撃してしまうのだ。

それを見ていちいちその場で褒めるといった野暮なことはしないが、人の印象はこれ見よがしにやっていることではなく、人知れずやっていることで決まる。

人知れず洗面所を汚している人をたまたま見かけると目撃者はその人を悪人と思い込み、人知れず洗面所を拭いている人をたまたま見かけると目撃者はその人を善人と思い込む。

これは私の仮説だが水回りには不思議な力が宿っているのではないだろうか。

すでに触れたように我々が水回りでアイデアを授かることが多いのは、人体の大半が水分で構成されているという事実と無関係ではないと思う。

地球上の70%を海水が覆っているし、古代ギリシャで記録に残された最古の哲学者タレスは、「万物は水である」と述べている。

それだけ我々にとって水は切っても切れない関係にあり、無限の可能性と神秘を感じさせる。

我々にとって水ほど貴重な存在はないのと同時に、水ほど見慣れた存在もない。だからこそ水には神が宿るのではないだろうか。

以上は何も水回りだけの話ではない。

水回りを清潔に保っている人というのは、人生すべてにおいて人知れず善行を積んでいるものである。

当たり前の存在を当たり前ではないと気づくことが「有り難い」という意味であり、 水に感謝できる人はすべてに感謝ができるということだと思う。

水回りを清潔に保つ習慣を持つ人はすべてを清潔に保つ人であり、すべてを大切に扱える人なのだ。

できる人になるにはどうすればいいのだろうか。 もちろん、人知れずこっそり善行を積めばいいのである。

一流の人が他人の見ていない時にやっていること。
すべてに感謝し、すべてを大切に扱っている。
一流の人が、他人の見ていない時にやっていること。 最後に生き残る人の「秘密の習慣」40
千田琢哉(せんだ・たくや)
次代創造館代表。文筆家。
愛知県生まれ。岐阜県各務原市育ち。東北大学教育学部教育学科卒。
日系損害保険会社本部,大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立. コンサルティング会社では, 多くの業種業界におけるプロジェクトリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。
のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって得た事実とそこで培った知恵を活かし、~タブーへの挑戦で,次代を創る~を自らのミッションとして執筆活動を行っている。
「朝日新聞」「週刊ダイヤモンド」「週刊プレイボーイ」等にインタビュー・取材記事が掲載.著書多数。
現在、南青山在住。
2016年7月よりリスナーから寄せられた質問に答える音声ダウンロードサービス「真夜中の雑談」を開始。
2018年12月よりPDFダウンロードサービス「千田琢哉レポート」を開始。
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『一流の人が、他人の見ていない時にやっていること。』
  1. 一流が、常に水回りを清潔に保つ理由