本記事は、内藤誼人氏の著書『億万長者のすごい!習慣』(廣済堂出版)の中から一部を抜粋・編集しています。
お金持ちになれる人の知られざる「特徴」
これはあまり指摘したくはないのだが、 桁 外れの大金持ちになるような人は、どこか「壊れた人」である。
なぜ「壊れた人」だと言えるのかというと、普通の人なら、たいていは怖くなって尻込みしてしまうようなことも、平気な顔でやってしまうからである。
雑誌『プレジデント』(2015年8月号)には、富裕者研究で有名な本田健さんの記事が載っているが、大金持ちほど「壊れた人」だと述べられている。
ソフトバンクの孫正義さんがその代表例だが、1億円のお金があるときには、その1億円をそっくり全部投資して、100億円あるときにはその全財産の100億円を事業につぎ込むという、まことに規格外のやり方で、あれほどの大企業を作り上げたのだ。
読者のみなさんは、 「あなたの全財産をつぎ込んでください」と言われても、たいていは怖くてできないのではないだろうか。私にもできない。それは恥ずかしいことでも何でもなくて、ほとんどの人はできないに決まっているのである。
成功する保証も何もないのに、大勝負をしてください、と言われても躊躇するのが普通の人なのだ。
ところが大金持ちになるような人は、どこか「壊れた人」なので、そういう博打もできるという。よく言えば「 肝 が太い」のだが、やはり「壊れた人」という形容の方がいいような気がする。
心理学的に言うと、お金持ちになれるような人は、一種の「サイコパス」なのかもしれない。サイコパスというのは、自分がやりたいことを何でもやってしまうとか、恐怖を感じにくい、という特徴がある。
エモリー大学のスコット・リリエンフェルドは、サイコパスは、普通の人にとっては病的な性質だと考えられているが、ある種の職業、たとえば政治家などの場合には、サイコパスであることが有用に働くのではないか、という興味深い考察を行っている。
恐怖を感じにくくて大胆なことも平気にやってしまう、ということが政治家には求められる。普通の人ならやれないような改革なども、「やる!」と決めたら断固としてやってしまうような人でなければ、一流の政治家にはなれない。
リリエンフェルドは、歴代のアメリカ大統領42人について、自伝などのデータをもとにしてサイコパス得点を出してみたところ、サイコパスの度合いが強い大統領ほど、高い評価を受けていることを突き止めた。ちなみに、1位はセオドア・ルーズベルト、2位はジョン・F・ケネディ、3位はフランクリン・ルーズベルトである。
ケネディなどは、「10年以内に人類を月に送り込んでやる」と突拍子もないことを言い出し、実際にそれを成功させてしまった大統領であるが、普通の人にはこういう大胆なことはとてもできないであろう。
リリエンフェルドの研究は、政治家を対象にしたものであるが、経営者や起業家にも同じことが当てはまるのではないかと思う。どこか「壊れた人」でなければ、何百億、何千億というお金は稼げないのかもしれない。
「勉強」は、ハズレのない確実な「投資」になる
お金持ちには、高学歴という特徴がある。彼らは勉強するのが大好きなのだ。もともとお金持ちになるような人は、小さな頃から、根がマジメだし、努力家で、根気強い。そのため、当然のように学歴も高くなる。
お金持ちには高学歴が多いのだが、それは彼らが「頭がよい」というわけでは決してない。彼らはただ努力家なのである。勉強もビジネスも、根気よくやるから成功するというところは同じだ。
もし読者のみなさんがまだ若いのなら、今からでも遅くはないので、ぜひ海外の大学へ留学するとか、社会人向けの大学院に入学して、学位をとろう。そうすれば、確実に今よりも年収は上がる。
「勉強なんてしたくないよ」 「文字を読んでいると、頭が痛くなってくるんだよ」
そう思う人がいらっしゃるかもしれないが、それは「勉強」と考えるからだ。自分の年収をグンとアップさせるための「投資」と考えてみればいいのだ。
セオドア・シュルツというノーベル賞をとった経済学者がいる。彼の書いた『教育の経済価値』(日本経済新聞社)という本には、高等教育を受けると学費がかかるが、これは投資なのだと考えればよい、と書かれている。
「勉強」ではなく、生涯年収が30%以上も増える「投資」だと考えれば、勉強が嫌いな人でも、「それなら……」という気分になるのではないだろうか。
学歴は、少しでも高いほうがいい。これは絶対に間違いない。実際の統計がその正しさを物語っている。
たとえば、独立行政法人労働政策研究・研修機構による『ユースフル労働統計 労働統計加工指標集2013』のデータを見てみよう。
これは男女別、学歴別に、生涯賃金を算出したものだ。このデータを自分の学歴に当てはめてみれば、およその自分の生涯賃金が予想できるのだが、学歴が高くなるほど、たくさんお金が稼げることが一目瞭然である。
男性 | 女性 | |
中学卒 | 1億8,000万円(2億2,000万円) | 1億1,000万円(1億4,000万円) |
高校卒 | 2億円(2億4,000万円) | 1億3,000万円(1億8,000万円) |
高専・短大卒 | 2億円(2億4,000万円) | 1億6,000万円(2億円) |
大学卒 | 2億5,000万円(2億8,000万円) | 2億円(2億4,000万円) |
なぜ、学歴が高いほうがお金を稼ぐことができるのか。
オランダにあるネイメーヘン大学のハリー・グランズブームは、世界16か国、7万人を超える人の収入を調べたことがあるのだが、学歴が高い人ほど、たくさんの「職業選択」ができることがわかった。学歴が高くなると、給料の高い職業が選び放題になり、それが結果として収入の差につながるというのである。
学歴が低いと、どうしても職業選択が限定されてしまい、たいていの場合は、だれにでもできるような単純作業の仕事しかやらせてもらえない。そういう仕事は、給料がとても低いのだ。
ともあれ勉強に関しては、どんどん自分に投資しよう。自分に投資することは、決してハズレになることはない、確実な投資である。
資格を取るために学校に通うのもいいし、勉強会やセミナーに参加するのもいいし、本を買って読むのもいい。とにかく自分のスキルアップをはかって、どんどんお金を使おう。そういうお金は決して無駄遣いにならない。
慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。アンギルド代表取締役。社会心理学の知見をベースに、ビジネスを中心とした実践的分野への応用に力を注ぐ心理学系アクティビスト。趣味は手品、昆虫採集、ガーデニング。
主な著書に、『モテる! 心理戦術』『好きな人のホンネがわかる恋愛術』『頭のいい人だけが知っている「ちょっとした成功習慣」』『すごい!ホメ方』『内藤式「ザ・検索術」』『自分偽装術<セルフ・カモフラージュ>』『絶対使える!悪魔の心理テクニック』『もらった名刺は、全部捨てろ!』『賛成と反対の法則』『勝てる! ギャンブル心理作戦』『感動させる技術』『イラッとしたときのとっさの対応術』『合コンで座るべき場所はどこか?』『なぜ、島田紳助は人の心をつかむのが上手いのか?』『女の「終電なくなっちゃった」はウソである』『なぜ、タモリさんは「人の懐」に入るのが上手いのか?』『「最強の男」になる心理術』『「不安」があなたを強くする』『交渉を成功させたいなら、赤いネクタイを身につけろ! 』『気づかれずに相手を動かす心の誘導術』『もっとすごい!ホメ方』『【図解】読心術<プロファイリング>トレーニング』『すごい!モテ方』『なぜ、マツコ・デラックスは言いたい放題でも人に好かれるのか?』『ワンピース超研究!人気キャラクターに学ぶ心理テクニック』『ヤバすぎる心理学』『すぐにヤラせてくれる女、絶対にヤラせてくれない女』『「すぐ他人に流されてしまう自分」がラクになる本』『心理学者しか知らない すごい!営業』『半沢直樹「倍返し」の心理学』(以上、廣済堂出版)など多数。著書は200冊以上、累計400万部を超えている。※画像をクリックするとAmazonに飛びます